特集記事

スマホできれいな料理写真を撮る秘訣

スキルアップ
2018年06月11日

ホームページやブログ、SNS、そして教室でのレシピ配布用に…と、作った料理を「写真に撮るまで」が仕事と言っても過言ではないほど、今や料理家にとって料理と写真は切っても切れない関係にあります。どんなおいしい料理も、どんなに優れたレシピも、多くの人が最初にあなたの料理と出合うのはまず写真。そしてそれを、プロのフォトグラファーに撮影してもらえるチャンスは限られていますから、自分で上手に撮影できるようにならなくては! でも、ほんの少しコツを覚えるだけで、料理撮影の腕は格段にアップします。
そこで、料理写真家としても人気のフォトグラファー、福田喜一さんが、2回にわたって料理撮影のコツを伝授します。前編の今回は、スマホで上手に料理を撮影する方法です。
>>一眼レフカメラを使う料理写真の撮り方をプロが伝授!

自由なアングルで臨場感のある撮影ができる「スマホ内蔵カメラ」の魅力

写真家として雑誌や広告を中心に活躍している福田さん。「スマホで撮影なんて」と考えているかと思いきや、「スマホにしか出せない臨場感があります」とスマホ肯定派。フードディレクター・野村友里さんの著書『Tokyo Eatrip』では、フォトグラファーとして参加していますが、なんとこの本、撮影はすべてスマホで行ったのだとか。

「スマホは人物撮影の場合、撮られる側にとっても抵抗感がなく、相手にすっと入っていける魅力があります。静物撮影でも、撮る側にとって、まるで体の一部のように自由に撮影できる身体性の高さは大きな特徴。一眼レフカメラなら基本的に両手を使わないと撮影できませんが、スマホなら片手で背伸びをしても撮れます。アングルの可能性がものすごく広がりますね。例えば料理を撮影する場合も、どうぞ、と料理が提供された時の、その目線のままに表現することができると思います」

スマホカメラで写真を撮る時の基本的な撮り方

そんなスマホカメラでの撮影の魅力を最大限生かすために、押さえておきたい基本テクニックを福田さんに聞きました。

テクニック1)スマホカメラのレンズを綺麗にする

レンズが汚れているのは問題外。メガネ拭きのような柔らかい布で拭きましょう。「レンズももちろんですが、スマホの画面が汚れていたり割れていたりしている人、多いですよね。被写体をきちんと見るために、画面もいつも綺麗にしておきましょう」

テクニック2)スマホカメラのグリッド線を表示する

縦横のマス目のような表示をする「グリッド線」。例えばiPhoneの場合なら、設定の画面からグリッド線の表示を設定することができます。「スマホでは水平を測るものがないので、表示しておくと便利です」

1 2 3

撮影/田上浩一 取材・文/吉野ユリ子

話を聞いた人 福田喜一さん(Kiichi Fukuda)
 
フォトグラファー。東京綜合写真専門学校卒業。写真家・若木信吾に師事後、独立。ポートレイト、風景写真を中心に雑誌やタレント、広告などの分野で活動中。ライフワークとして友人が行っている中国内モンゴル自治区での 砂漠緑化を毎年記録している。また料理写真家としても活躍し、映画「Eatrip」にはメイキングスチール撮影で参画。また野村友里さんの東京食案内本『Tokyo Eatrip』の撮影も行う。