テクニック3)デジタルズームを使うか、寄るかを考える
「iPhoneの画面はレンズでいうと28mmくらいの広角レンズ。その特性を考えると、近づきすぎると画面がゆがんでしまい、料理や器などが頭でっかちな雰囲気になってしまいます。それはそれで面白い写真が撮れますが、正しいフォルムで撮影したいと思ったらズームを使った方がいいでしょう。ただしズームを使うと画像が荒れるので拡大率には注意が必要です。“歪み”と“荒れ”のバランスをみて、ズームと物理的に寄っていくバランスをいろいろ試してみてください」
テクニック4)スマホカメラもピントを合わせてから撮る
画面にタッチするとその部分にピントが合い、明るさも調節してくれるのがスマホの機能。これはぜひ活用すべき、と福田さん。「逆光のときは真っ黒になってしまうので必ず行った方がいいでしょう。手前にカトラリーや植物などを置き、奥に料理を置いて手前をボケさせると、奥行きのある写真が作れますが、スマホは基本的に手前のものに自動的にピントが合ってしまいます。そのため、まずは構図を整えてからピントを合わせたいものに調整することが大事ですね」
テクニック5)暗いところでは、カメラの手ブレに注意する
「スマホは一眼レフカメラに比べて“ミラーショック”がないので手ブレしにくい傾向があり、片手でも気軽に撮影ができる魅力があります。とはいえ、暗いところではやはりブレが起きるもの。一眼レフカメラでは撮れないような暗い場所でも写真が撮れるのもスマホの魅力ですが、そんなときは底辺を安定した場所につける、脇を締めるなどして、ブレない工夫をするといいかもしれません」
テクニック6)写真編集、カメラの加工アプリを試してみるのもいい
スマホの加工機能はあまり使わないほうがいいのでは?というのが福田さんの考え。「僕自身が使うとしたらiPhoneに入っている機能なら“vivid”という加工くらい。これは彩度だけ上げられるので、写真の印象が変わらずに鮮やかになります。コントロールバーも同じですね。露出と明るさはいじってもいいと思いますが、カラーバランスの調整などはしないほうがいいでしょう。それ以外の調整はアプリでごまかそうとせず、まず自分の光の使い方などの工夫で身につけていったほうが、写真が上手になると思います。ただ、写真撮影という枠を離れてアートとして考えるなら、好みの写真加工アプリを探してみるのは楽しいものです」
なお、スマホカメラのプリインストールのソフトでなく、外部のカメラアプリを使っている場合、フォーカスモードの設定が可能なものもあります。「オート」「マクロ」「ロック」「無限」などの設定がある場合はぜひ使ってみましょう。通常は「オート」でOKですが、単品料理を迫力たっぷりに撮影したいときなど、特に近づいて写真を取りたいときは「マクロ」を使うと至近距離の撮影に便利です。またピントの対象物を決めてから構図をいろいろ考えたいときは、一度料理などの対象物にピントを合わせた上で「ロック」をセレクトし、落ち着いて構図を考えるのもいいでしょう。
これは間違い?スマホ写真のOK or NG
スマホの撮影テクニックをネットなどで調べると、「これをやるといい!」「これはやってはダメ!」などと書かれていますが、本当はどうなのでしょうか? 福田さんにその真偽を教えてもらいました。