まずは“ビジネス語=男語”の存在を知ろう
「ビジネスパーソンとして認められたいなら、ビジネスパーソンが使う言葉を話すこと、これに尽きると思います」と言う五百田さん。とはいえ、それがどんな言葉かわからない…という方も多いでしょう。具体的にお話を伺いました。
「少々大雑把な言い方で、誤解や反感を招くかもしれないのですが、世の中には大きく分けて“男語”と“女語”があります。その表現に抵抗がある場合は“ビジネス語”“プライベート語”と置き換えても構わないのですが、ここでは便宜上、男語と女語ということにしましょう」。
フリーランスの人、あるいは企業で働いた経験がない人が失敗しがちなのは、その“男語”に慣れていないせいだと、五百田さんは言います。
例えば企業に所属する人と話す場合、相手が男性であれ女性であれ、男語を使うほうが効果的なことが多いそう。
「例えば男語は、結論を先に述べて “その理由は3つあります。第一に〜”というように、論理立てて構築的に話すことを好みます。一方女性は、柔らかで雑談的な会話からごく自然に本題へとストーリーを繋げ、エモーショナルな表現も巧みに織り交ぜて話す傾向があるでしょう。どちらがいい悪いではなく、ビジネス社会、特に男性の多い企業であれば、前者のような男語の方が“聞き慣れた安心できる会話”になるため、男語を使うことで安心と信頼を勝ち取りやすいのです」
野球で育った男子と、おままごとで育った女子
この違いは単なる言葉の違いではなく、発想そのものの違いです。
「イメージとして思い浮かべて欲しいのは子供の頃の遊びです。男子は草野球を、女子はおままごとをしたりしたでしょう。野球にはチームがあり、ルールがあり、敵味方がいて勝敗があります。ゴールは“戦いに勝つこと”であり、そのために監督がバントのサインを出せば、自分の意志は一旦脇に置き、勝利のためにバントします。一方おままごとは、役割はあっても、ルールも勝敗もありません。相手の設定したキャラクターを察しながら和やかな会話をし、みんなが仲良く過ごすことがゴールなのです。このルールがそのまま、男語と女語の発想といってもいいでしょう。ビジネスシーンに出たら“今からはおままごとでなく草野球をやるんだ”と心に決めるのがポイントかもしれません」