
「劣化を防ぐために冷凍はせず、切ってすぐに提供することで、肉のうま味を逃がしません。同じ部位でも個体によって肉質は違いますし、サシ(脂)や水分の量も味と関係してくる。だから、その都度状態を見極めて、見栄えも意識しながら、最適な方法でカットしています」
余分な筋や脂肪はすべて取り除き、部位ごとにベストな厚さに切り分ける。そして、おいしさを引き出す、最低限の調味料で下味をつける。こうして、最高の状態になった肉は皿に美しく盛り付けられ、各テーブルに運ばれて行きます。
旨い肉は、その姿も美しい
お店の特長がわかる、3つの部位を教えてもらいました。まずは、余分な脂や筋をそぎ落とし、口当たりを追求したサーロイン¥3,600。赤身とサシのバランスが絶妙で、肉質はやわらか。つけダレも用意されますが、お肉の良さを邪魔しないもみダレで下味をつけたものをそのまま味わうと、繊細な肉の甘みを感じられます。
厚切りと薄切りの「タン塩盛り合わせ」¥2,400(※写真は二人前)。流通しているタンの中でわずか数パーセントという稀少な国産黒毛和牛のタンで、数量に限りがあるため、来店1週間前の予約が必須。驚くほどジューシーで、極上のタンのうま味をダイレクトに味わえます。
幻の部位とも称されるシャトーブリアンは、ヒレの中でも特に質の高い中心部分。この厚さにもかかわらず、スーッと噛み切れる至極のやわらかさ。“とろける”という形容がぴったりです。1カット¥2,800。