
「すべての具材を入れて、混ぜるだけ。ここでにんにくのみじん切りを入れますが、香りが強いのが嫌であれば入れなくても大丈夫。イタリア料理のほとんどが日本のようにニンニクを入れるわけではありません」。既成概念を覆る話もしてくれます。
すべての食材を混ぜ、塩、こしょうをし、最後にオリーブオイルをたっぷりと入れます。具材を詰めるときにはパンパンに入れ過ぎないように注意が必要。たくさん入れ過ぎると、火を通したときにはじけて中身も美味しい汁も出てしまうからということでした。
最後に紹介するのは「カサレッチェ 鰯のソース」。鰯とウイキョウの葉が味の要ですが、ウイキョウがなければディルで代用もできると岡村シェフ。かつて植民地支配の影響からカレー粉やサフランを入れるという料理の裏に隠された歴史も紹介。ショートパスタを使う場合はアルデンテかどうか、それほど気にしなくていいとアドバイス。少しも聞き逃せない内容のものばかり。レーズンは鰯のソースに合わせてあえて甘くないものを使用していると言います。鰯が入っているのであえて仕上げに塩はしないというテクニックも話しながら料理が完成。別皿に炒ったパン粉を添えながら「パン粉は味の邪魔をしないし、おなかも膨れる食材で万能です」と話していました。
講座の最後に白ワインや炭酸水などとともにシェフの料理を堪能した会員のみなさん。「これまで魚は流水で洗っていましたが、塩水で洗うと鮮度が保たれるのを始めて知りました」「今日の酢のしめ具合を基準に自分なりの答えを見つけたいです」「最初から最後まで楽しめましたし、美味しかったです」と参加した方々からも大好評でした。
「Kai House Club」では今後も会員に向けたさまざまな講座を開催する予定です。ただ料理のテクニックを知るだけでなく、料理家の先生同士の交流、情報交換の場としても役立てていただけます。まだ会員登録されていない方はぜひご入会をご検討ください。