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一つの食材に特化して差別化を図る方法

スキルアップ
2020年01月21日

いま、飲食業界には、テクノロジーの進化によって様々な変化が訪れています。料理を取り巻く最新の動向にくまなくアンテナを張ることは、時流にきちんと乗った料理家への近道です。本連載では、料理にまつわる話題の取り組みや料理教室運営方法のノウハウなどをお伝えしていきます。調理技術を磨くと同時に、情報をアップデートし、“できる料理家”を目指しましょう。

毎日コツコツ、戦略的なSNSマーケティング

男子料理の時も、パクチーボーイの時も、Instagramに1日1投稿をアップすることを続けてきました。「#パクチー大好き」や「#パクチーLOVE」のハッシュタグをつけているアカウントにリアクションして、フォローするなどファンを増やすための行動を続けていたそうです。

レシピ本の制作やメニュー監修、社員食堂の運営など、多忙な毎日を過ごす中、現在でも、ブログでは日常のこと、食べに行ったお店のこと、読者へのメッセージなどを書き綴っています。一方で、Instagramでは、人物写真や自分以外が作った料理はアップせず、エダジュンさんが作った料理写真と掲載メディア紹介に特化するなど、SNSメディアそれぞれの特徴を活かして、異なる内容をほぼ毎日、それぞれにアップ。コツコツと地道な努力が習慣化しています。

これまで刊行したレシピ本は10冊以上。これからも年に3冊ほどのペースでレシピ本を出していきたいとエダジュンさんは、書店の棚のチェックも習慣にしているそうです。どんな企画が売れているのか、それをどんな出版社が出しているのか。編集しているのはだれか、撮影はだれがしているのか。

「自分がやっている分野のことですから、当然ですよね」。目標にむかって準備をしていく。エダジュンさんの仕事への取り組み方は、変わりません。

「丁寧に、細やかに仕事をしていくことは、いつも心がけています。そして、肝心のレシピは、できる限り再現性の高いものを目指して、たくさんの人が自分のレシピを作っておいしいと思ってくれるのがゴールだと思っています」

レシピを作るときにエダジュンさんは、季節の旬の食材から発想を得ることが多いそうです。このような食材に関する本をめくりながら、レシピを考えます。

 

管理栄養士の資格も持つエダジュンさんが、サラリーマン時代から愛用している参考書。付箋がたくさん付いて、ボロボロになるほど使い込まれているのがわかります。現在やっている社員食堂の栄養価などは、この本を参考にしているそうです。

 

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撮影/菊池陽一郎 取材・文/江六前一郎

エダジュン

パクチー料理研究家・管理栄養士。1984年東京生まれ。管理栄養士資格取得後、株式会社スマイルズ入社。Soup Stock Tokyoの本社業務に携わり、2013年に独立。「パクチーボーイ」名義でも活動中。