温かみのある、クラシカルなフランス料理を学べる
家庭でも再現しやすい本格的なフランス料理を学べる、料理家の西丸かおりさんが主宰する「西丸料理教室」。フランスの伝統的な技法をベースにした、上質な素材を使ったシンプルな料理と、黄金レシピによるお菓子作りを身につけることができます。
3人のお子さんがいる西丸さんが教える料理のモットーは、「子どもが3人いても、家庭で無理なく作れるフレンチ」。繰り返し試作を行い、工程をそぎ落としながら本格的な味と見た目に仕上げることができる料理は、多くの生徒たちの家庭で普段の夕食にも、そして特別な日のおもてなしレシピとしても定着しているようです。
西丸さんは、大学時代のフランス留学を機にフランス料理に目覚め、卒業後は一般企業に勤務しながらフレンチとワインの勉強をスタート。その後、退職してフランスへの料理留学を経て、1999年に料理教室を始めました。当時は個人で営む料理教室は今よりも多くなく、大手の料理教室のようにスタジオではなく、個人の自宅のキッチンにて少人数にて受講できるスタイルが生徒たちに好評でした。
若くして独立したため、料理講師としてのキャリアはすでに20年になりますが、常に勉強を怠らずに新しいことを吸収し、同じレシピを2回以上教えたことはないといいます。また、5年前からは、シェフやクリエイターたちとのコラボレッスンや、旦那様の駐在によるアメリカ滞在での経験などを活かしたスペシャルレッスンなど、特別企画クラスも開始。フランス料理と特別企画レッスンを隔月で行っています。
生徒の家庭での再現率と、リピート受講率の高いレッスンとは?
取材でお邪魔したのは、奇数月に行われている「シンプルクラシックフレンチクラス」。前菜、メイン、デザートを合わせた5品を実習した後、テーマに合わせたテーブルスタイリングで、ワインとともに試食ができます。この日は、年末年始のパーティーシーズンに大勢で楽しみたい、華やかな料理がずらり。牛ヒレ肉、鴨のフォアグラなど、特別な日に相応しい食材を使い、その持ち味を活かしたスペシャルレシピが披露されました。
各料理の工程は、それぞれフランスの伝統的手法と、家庭で再現しやすいアレンジ法を同時に解説。また、質の良い素材選びのために、食材のおすすめの産地、ブランド、購入場所なども丁寧に解説されます。おいしい料理を作るには、質の高い食材選びが重要ですが、各食材の理想的な色、香り、大きさ、かたさなどを実際に触れて学べるのも、料理教室ならでは。また、一部の食材は西丸さんが生産者や専門店から買い付け、それを生徒がオーダーすることも可能だそうです。
前菜の「鴨のフォアグラのソテー」は、バルサミコチェリーソースとともに。フランス産フォアグラを使って贅沢にいただきます。
粉を使わずに、じゃがいものでんぷんでとろみをつけた「グラタン・ド・フィノワ」。生徒たちが、その食材の活かし方と調理法に新鮮な驚きを受けたメニュー。
「牛ヒレ肉のパイ包み焼き」は、低温調理したローストビーフを、サックリしたパイ皮でドレスアップ。
マンケ型を使って焼き上げた「コート・ド・ローヌの雪降るクリスマスケーキ」。フランス版 “シュトレン” のようなケーキで、生地にドライフルーツをたっぷり混ぜ込んでいます。
生徒の中には、15年以上前から通うリピーターも、その日初めて参加するという人もいますが、特に分け隔てなく同じレッスンを受講します。年代も20~70代までと幅広く、料理の知識や経験もバラバラですが、西丸さんが生徒に満遍なく声をかけ、作業をバランス良く振り分けるため、誰もがすぐに打ち解けている様子。習える料理のクオリティに加え、先生の穏やかな人柄に惹かれてリピーターになったという生徒の声も多く聞かれました。
一度覚えたら一生もののフレンチの知識や技術を、穏やかな空気の中で学びたい人には、特におすすめしたい教室です。