河井あゆみさん主宰「料理教室ARNOアルノ」【人気料理家のレッスン拝見】

料理教室を主宰する先生たちがメンバーの「Kai House Club」には、個性豊かな料理家たちが多数所属。特色を活かしたレッスンで多くの生徒を集める現場にお邪魔し、その人気の秘密を探ります。料理教室を探している人はもちろん、料理教室を主宰する先生たちにとってもヒントになる要素が満載です。

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2019年04月1日

教室に一歩足を踏み入れたらそこは異空間、非日常の始まり

各国の大使館が点在し道ゆく人たちも国際色豊か、豪邸が立ち並ぶセレブリティの街、元麻布。そんな街に「料理教室ARNOアルノ」はあります。主宰の河井あゆみさんの涼やかな声に導かれて重厚な門扉を開けると、広々とした玄関ホールの先には美しくしつらえられたリビングルーム、その隣にはダイニングルーム。映画の中でしか見たことがないような外国の住宅を思わせる優雅で洗練されたインテリアに思わずうっとりしてしまいます。生徒が口々に「ここに来ること自体が非日常」「癒しの空間」と言うのも納得です。

しかし、ここはただおしゃれな空間で学ぶ料理教室であるというだけではありません。河井さんは、ごくごく普通の食材の組み合わせにちょっとしたアイディアを加えて、洗練された家庭料理に仕上げてしまいます。それがリピーターの絶えない教室になっている秘密のよう。今年2月には表参道教室ができましたが、今回の取材では、河井さんの世界観をたっぷり感じ取ることのできる元麻布教室のレッスンに伺いました。

おもてなし当日を彷彿とさせる手順、舞台裏も学べる

河井さんのレッスンはデモンストレーション形式で、前菜、メイン、デザートという3品を学びます。この日のメニューは、前菜に「春野菜のフリット ボッタルガとバジルマヨネーズ添え」、メインは「ロールキャベツのアクアパッツア風」、そしてデザートに「甘酒ミルクプリン 苺ソース」。ロールキャベツもフリットも、ミルクプリンも家庭料理の代表格。でも、河井さんはそこにイタリア料理で学んだ知識をプラス。旬をたっぷり味わえるおしゃれなひと皿に仕上げていきます。

レッスンは1品出来上がるごとに試食するスタイルで進められます。この日も前菜とメインの2品の調理を並行して進めながらも前菜をまず仕上げ、温かい、あるいは冷たい最適な状態で盛り付けてダイニンングルームへ運び、ワインなど飲み物を先生がサーブ、生徒全員で試食します。試食の間に先生はキッチンをざっと片付けてから生徒に声をかけ、ふたたびキッチンに全員集合。メインを仕上げて盛り付けて試食、最後のデザートを作ってから試食と食後のコーヒーまたはお茶タイムとなります。一品一品きちんと伝えることを大切にしているため、調理の記憶が鮮やかなうちに出来立てを味わってもらいたいという意図でこのような段取りにしているのだそうです。これでちょうど3時間。学ぶ側からすると、おもてなし当日のホストの動き、舞台裏をシミュレーションしているような気分になれます。

また、レッスンで使う食材や調味料の計量と切り分けを河井さんはすべてその場で行うので、すべての塩梅がわかりやすく、自宅でも再現しやすいようです。
河井さんは忙しく手を動かしながらも笑顔を絶やさず、時には雑談を交えることも忘れません。「みなさんのお宅ではロールキャベツはどんな味付けにしますか?」「タイムは乾燥物でももちろんいいのですが、今日はフレッシュを使います。その理由は…」などなど次々と解説が加わっていくので、手元のレシピはたちまちメモでいっぱいに。

前菜の「春野菜のフリット ボッタルガとバジルマヨネーズ添え」は、この日はそら豆、グリーンアスパラガス、新玉ねぎ、こごみ、たらの芽という春の野菜5種類に炭酸水で溶いた衣をつけてカラッと揚げます。「ボッタルガとはからすみのことです。塩気があるから塩の代わりになりますよ。色も綺麗ですしね」。

メインの「ロールキャベツのアクアパッツア風」では、鶏ひき肉を巻いた春キャベツを、あさりとプチトマトを使ったアクアパッツア風スープで煮込むとやわらかく、あっさりとした仕上がりながらも旨味たっぷり、見た目におしゃれな一皿に。

「今回はお箸でも食べられるロールキャベツを作っていきます」というように、旬の食材の良さを生かした料理のゴールをしっかり説明していたのが印象的でした。

お待ちかねのデザートは、甘酒を使ったミルクプリン。「甘酒が苦手な方やお子さんでも食べられるミルクプリンです。フレッシュな苺を使ったソースの甘酸っぱさが甘酒の香りを和らげてくれますよ」。
ソースは電子レンジで仕上げていきますが、「実はこれがもっとも大事なコツ」というシーンではみんなの歓声が上がりました。

2つ目の教室を表参道にオープン

前述のように今年2月に表参道に新たに教室を開設。開講して9年目になる元麻布の教室では「一度も同じレシピを使ったことがない」という言葉からわかる通り、河井さんが提案したい料理、世界観をとことん表現する場。それに対し表参道教室では、「日頃あまり料理に馴染みのない方にも料理に馴染んでいただき、目新しさよりも“レシピの使い方”を知って普段の生活に生かしていただけるよう伝えていきたい」と考えているそうです。

先生はどんな人?

主宰の河井さんは、ご主人の留学に同行する形でN.Y.に約2年半暮らし、その間に現地の料理学校でイタリア料理を学び、卒業と同時に講師のアシスタントを務めるなどして料理の腕を磨いたそう。そうした海外在住経験は時と共に記憶が薄れてしまうからと、毎年出かける海外旅行先ではスケジュールが許す限り現地の料理教室など、食のトレンドを学べる場に参加したり評判のいいレストランに足を運ぶなど、常に情報のアップデートを欠かさないようにしていると言います。意識高く収集された情報はすべて教室の空間作りやテーブルコーディネート、そして料理やレシピに生かされているようです。

生徒の声

  • 「こちらに来るのは私にとって癒しです。空間そのものが非日常的ですし。河井先生とお会いできて、友達とおしゃべりしながら参加するのがとにかく楽しいです。月1日は参加したいと願っているのですが、予約を取るのが難しいのが難点です(笑)」
  • 「先生は実は学生時代の同じサークルの後輩で、なんとマタニティスイミング教室で再会したのです。その後、ご自宅で料理教室を開くということを聞いて参加しましたので、もう9年も通っています。お料理はもちろんですが、ホスピタリティにあふれたすばらしい方で尊敬しています」
  • 「会社の先輩から誘われてこちらの教室に参加しました。先生からは本当にいろいろなことを教えていただいて、先生が使われている調理器具にも興味津々。チーズグレーター(チーズおろし器)はすぐ購入しました。こちらの教室は幸せオーラを放っている方ばかりが通っていらっしゃるので、この教室に来ることで私も幸せのおすそ分けをいただいているような気がします」
  • 「レシピや調理だけでなく、食材についての知識や新しい調味料の使い方や調理器具に至るまで本当に丁寧に教えてくださいます。新しいレストラン情報もよく話題になるので刺激になりますね。今日のデザートのミルクプリンは甘酒を入れているのに驚きました。牛乳っぽくなくていいですし、ソースの苺もフレッシュでとても気に入りました」
  • 「こちらに通って2年になります。最初は料理フォトレッスンの会場として来たのですが、おうちが美しくて感激。河井先生とお話ししてお人柄にすっかり魅了されてしまい、料理教室に参加することにしました。今日のテーブルも素敵ですけど、テーブルウェアについてもたくさん教えてくださるので、来るだけで楽しいです」
  • 「今日でまだ3回目です。最初と2回目はお友達と一緒に来たのですが、とても楽しいので、一人で参加しても大丈夫そうと来てみました。料理が好きで、いろいろな教室に行きましたが、こちらはヒントがたくさん詰まっています。今日も春キャベツのことやあさりと合わせるなど、新しい使い方を教えていただき勉強になりました」
  • ビーツやキヌアなど、知っているけどどうやって使ったらいいのかわからない食材が実は意外に簡単だったとか、そういう発見が毎回あるのがいいですね。それに料理がおしゃれ。料理の腕がワンラックアップしたような気になれます(笑)」

撮影/井上美野 取材・文/綛谷久美

教室主宰者紹介
河井あゆみさん
料理家、JSAソムリエ。2年半のN.Y.滞在時にイタリア料理を学ぶ。2010年から元麻布の自宅教室でイタリア料理をベースに独自のエッセンスを取り入れて進化させたおもてなし・家庭料理の教室「料理教室ARNOアルノ」を主宰、たちまち予約の取れない料理教室になる。ASCIG認定イタリア料理研究家1級、食品衛生責任者。


SCHOOL INFORMATION
名称:料理教室ARNOアルノ
エリア:東京都港区(元麻布・表参道)
特徴:開講して9年目になる元麻布教室と、今年2月にオープンしたばかりの表参道教室のふたつがある。元麻布教室は定員6名で開講直後から通う生徒も多く、平日または週末の日中開催。表参道教室は定員8名。そのほか企業とのコラボレーション・レッスンも開催中。いずれの教室もレッスンは毎回、前菜・メイン・デザートの3品をデモンストレーション形式で教える。受講希望はホームページからお問い合わせを。
URL:https://arno-food.wixsite.com/arnofood-ayumikawai


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