世界を旅する気分になれる、ランチ付きお菓子レッスン
月替わりで世界のお菓子とランチメニューが学べる「お菓子教室Precieux(プレシュ)」。上石神井駅から徒歩約10分、閑静な住宅街にある一軒家でレッスンが開催されています。お菓子教室の名前の由来はフランス語からだそう。「“貴重な”という意味を込めています。みなさんの貴重な時間を使って来てもらっているのだから、楽しくお菓子作りをしていただけたらと思っています」と、教室を主宰する吉見ななえさん。
レッスンのテーマは世界のお菓子。台湾、メキシコ、イタリアなど、月ごとにテーマは変わりますが、世界で愛されている伝統的なお菓子とともに、それに合わせたランチメニューを作ります。お菓子は1人1台の実習形式で行われ、ランチメニューも全員で用意。試食タイムはランチとともにいただきながら、和気あいあいとした雰囲気です。「お土産でもらったことがあるあのお菓子が自分で作れるなんて感激!その国にちなんだランチもいただけてお得な気分です」と、毎回生徒から大好評なのも納得です。
天井が高く日差しが差し込む開放感あふれる教室は、ダイニングテーブルのほかに作業用テーブル2台があり、広くゆったりしたスペース。まず先生がお菓子作りの美味しさを左右するポイントを丁寧に解説。レシピは、ポイントとなるプロセス写真付きでわかりやすいので、自宅での復習にも役立ちます。
今回取材でお伺いした10月のテーマは「和のアフタヌーンティー」。和のテイストを入れたスコーン2種、パウンドケーキ、サブレ、ブリュレに、ランチメニューにはおにぎりとオープンサンドがそれぞれ2種とかなりの品数です。通常は1種類のお菓子を実践形式で作りますが、今回はメニューが多いこともあって、変則的に先生のデモンストレーションもありつつ、生徒全員でテキパキと作業をこなし、見事2時間でお菓子5種類を完成させました。
簡単で美味しいレシピだから何度でも作りたくなる!
「くるみといちじくのパウンドケーキ」は、生徒さんからの“どっしりしっとりしたパウンドケーキのレシピを知りたい”というリクエストで生まれた力作。「薄力粉よりもアーモンドパウダーの配合が多いことと、蜂蜜を使うことが秘訣。メレンゲの力で膨らませるので、泡が少し残っているくらいで粉を混ぜるのがポイントですよ」と、ゴムベラでさっくりと混ぜ合わせます。先生のパウンドケーキのデモンストレーションに、生徒さんは真剣に見入っていました。
「抹茶のサブレ」は、生地作りは先生のデモンストレーションで、成形からカットまでは生徒さんたちが担当。「形をまとめるときは、空気を入れないようにすると断面がキレイですよ。あと、カットするときは力まかせに押しつぶさないようにね。下が潰れて台形っぽくなっちゃいますよ」と、先生から見た目を美しく仕上げるアドバイスも。みなさんで協力しながら、真剣な表情で仕上げていきます。
アフタヌーンティに欠かせないスコーンは、「プレーンスコーン」と「あおさとチーズのスコーン」の2種。スコーンはバターが溶けないように生地に混ぜ合わせるのが肝ですが、今回はフードプロセッサーを使って簡単に作れる方法を伝授。サクサク食感にする混ぜ方のコツや、打ち粉をせずにラップで上手に成形する方法など、目からウロコのテクニックが満載です。
「プレーンスコーン」には先生お手製の「あんバター」を添えていただきます。サクサクでしっとりした生地に甘じょっぱいあんバターが好相性で、止まらない美味しさ。「あおさとチーズのスコーン」は、先生がお店で食べた味を再現したレシピなんだそう。お酒にも合う大人の味わいです。
写真奥の「くるみといちじくのパウンドケーキ」は、リクエスト通り“どっしりしっとり”のリッチな味わいで、生徒さんからも大人気!
「手前の『抹茶のサブレ』も、生地作りはフードプロセッサーにおまかせなのに、抹茶のほろ苦さが残る本格的な味わいに大満足です。生地は棒状にした状態でラップで包み、冷凍庫でストックしておけるので、急な来客やおやつにも便利ですよ。必要な分だけ切って焼けば、素敵なおもてなしになります」
「さつまいものブリュレ」は、18cmのタルト台を1人1台お持ち帰りできますが、試食用にミニサイズを各自でプレートにデコレーションして仕上げます。さつまいもはレンジで加熱し、生クリームと牛乳を泡立てないよう混ぜ合わせ、低温長時間で湯せん焼きするのがなめらか食感に仕上げるコツ。カソナードを散らしてバーナーで表面を焦げ目がつくまでパリパリに炙れば、プロの仕上がりです。
ランチメニューのおにぎり味噌は、八丁味噌を使った「ごぼう味噌」と、白味噌を使った「柚味噌」。「ごぼう味噌は、お酒のお供にもぴったりなんですよ」と、実はお酒も大好きという先生ご自慢のレシピです。みんなでおにぎりを作って味噌をのせ、仕上げには、ブリュレでも使ったバーナーが大活躍!ちょっと焼き目がつくとごちそう感が高まります。「ごぼう味噌」も「柚味噌」も冷蔵庫で1週間くらいは保存可能なので、多めにストックしておくのがオススメとのこと。
オープンサンドは「鯖缶しめさば」と、人参しりしりを添えた「しょうがと胡麻のツナマヨ」の2種類。「しょうがと胡麻のツナマヨ」は、たっぷり加えたみじん切りのしょうがが爽やかで、あっという間に和風テイストに。一緒に参加されていたお子さんもお気に入りの様子でした。「鯖缶しめさば」はなんと、缶汁を切った鯖にまろやかな酢を入れて漬けて置くだけで完成という簡単さで本格的な味わい。表面を軽くバーナーで炙って香ばしさもプラスします。「鯖の缶汁は栄養がたっぷりなので捨てないでくださいね。うちでは味噌汁に入れちゃいます」とワンポイントアドバイスも。ストックできる缶詰が主役なので、急なおもてなしにも活躍しそうですね。