ビジネスで成功する名刺の作り方、種類からデザインまで【ビジネスマナー塾】

企業や団体に属している人と違い、フリーで仕事をする場合は名刺のスタイルは一切が本人の自由。それだけに、社会経験が乏しかったり何年も現場とのブランクが空いていたりする人だと、「どんな名刺を作れば良いか」と迷うことも多いかもしれません。好感度をアップし、仕事につながる可能性を上げる名刺とは、どんなものなのでしょうか。現代事情も考慮し、ひも解いてみましょう。

2018年05月8日

ビジネスで得する名刺と損する名刺、その違いは?

フリーで仕事をしている人なら、名刺を作るときに悩んだ経験がある人は多いのではないでしょうか。
企業や団体に属している場合なら所属先による名刺のフォーマットが決まっていることがほとんどで、名刺がなくなったら申請するだけで新しいものが調達されます。ですが、フリーの場合、フォーマットどころか指針となるものはなにもなく、自由である反面、どんなデザインが適しているのか、どうすれば相手に好印象を持ってもらえるのか、どんな名刺にすれば自分の個性も演出できるのか、考え始めたらきりがありません。
名刺には正解はなく、相手に手渡せる一枚の紙に必要な情報が収まっていれば、基本的にはOKです。ですが、料理家やフードコーディネーターなど、世の中に多くの同業者がいる競争の激しい世界では、名刺だってプレゼンテーションツールであり、自己表現をするための重要なアイテム。ぼんやりした考えのまま、自動販売機やパソコンソフト、町の名刺屋さんなどで、既存フォーマットから適当に選び、急いで作ったものを使い続けているようでは、知らないうちに多くの縁やチャンスを逃してしまっているかもしれません! そんなことにならないように、まずは自分に合った名刺とはどんなものなのか、考えてみましょう。

自分で作成する名刺、メリットとデメリット

自分のセンスやパソコンの腕に自信がある人なら、現在では、簡易ソフトなどを使ってある程度の名刺のデザインなどは出来るようになりました。自力デザインが無理でも、町の名刺屋さんや、インターネットで注文するようなサービスなどもあり、完全オリジナルとはいかないまでも、デザインについてはかなり要望が満たされるものも。思い通りの名刺を作ることは、案外簡単です。

例えば、最も手軽なのは世界中で使用されているMicrosoft社の「Office」の文章作成ソフト「マイクロソフト Word」を使う場合。画面左上に出る「ファイル」をクリックすると作業項目がたくさん出てきますが、「テンプレートから新規作成」を選び、あとは指示に従って好きなスタイルを選び、必要情報を入力していくだけで、それらしい名刺のデザインが出来上がります。データを少々厚手の紙にプリントして一枚ずつ切り離せば、名刺が完成。簡単です。

業者やインターネットの名刺サービスなら、さらに手軽です。いくつかのサンプルから好みのデザインを選んで、あとは必要な情報を伝える(あるいは入力する)だけ。緊急の仕事でどうしても名刺が必要になった時などは、力強い味方となってくれるでしょう。

スピーディ、ということだけではありません。自作、もしくは自分でフォーマットを選んで作り上げる名刺には、ほかにもいいことがたくさんあります。例えば、まったく自分だけでパソコンを駆使してデザインを仕上げる場合なら、自分の気のすむまで、好きなデザインや文字の書体、色などにこだわって、追加料金などを気にせずにデザインができます。データを残しておけるので、追加が必要になった時も簡単。業者やインターネットサービス、自動販売機などの場合は最小発注枚数が決まっているものですが、それさえありません。刷る色を変えて何色も作ることも可能です。

しかしその一方で、「素人っぽさが出てしまう」という危険性もあることをお忘れなく。名刺のデザインでセンスや人柄まで想像されてしまうことは充分にあります。

名刺のデザインや記載必須情報は、時代によって変わる

名刺制作が意外に簡単だということについてお伝えしましたが、その一方で無視できないことがあります。それは、名刺にはデザイン云々という以前にもっと大切な役割があるということ。「思い通りに仕上げた名刺」がそもそも正解かどうか、という問題です。

ピンとこない人もいるかもしれません。が、実は名刺といえども重要な商売道具の一つ。小さな紙切れ1枚でありながら、ここで伝えるべき情報や、それに伴う「好ましいデザイン」というのは、時代が動くに従ってどんどん変化しています。

例えば、記載すべき情報。昭和の大手企業社員の名刺といえば、分厚い白い用紙に縦書きで重々しく会社名、部署名、名前、住所、電話番号とファックス番号が記載されていればそれで事足りました。フリーの仕事をしていても同様。みんなが「立派な名刺」を持ちたがる時代だったのです。

それが今ではどうでしょう。横書き名刺が主流どころか、縦書き名刺は「わぁ、なんだか立派ですね」と言われる希少スタイルとなり、個人情報保護法が一般市民にも浸透するにつれ、住所記載をしない人も珍しくなくなりました。

かつては、就職活動をする学生でも「履歴書に携帯電話の番号を書くなんてNG」と言われていましたが、今では名刺に固定電話の番号ではなく携帯電話の番号を記載しても、それがマナー違反と言われることはありません。

それどころか、住所も電話番号も記載がなく、メールアドレスのみの記載でもそれが咎められることなどありません。企業や個人から仕事の発注があり、ギャランティーを受け取るような場合は、発注元に振り込みをしてもらうために住所を伝える必要が生じますが、そうなった場合のみ伝えればいい話。名刺に記載していなくても、それで社会的な信用を失うようなことはありません。

好まれる名刺、信頼される名刺とは?

名刺にもトレンドがあり、時代によって求められる情報、見せるべき情報は変わってゆくということをお伝えしました。では、フリーで働く人は今、どんな名刺を作れば良いのでしょうか。
ここでは料理家を例にとって考察しますが、大前提として一つ、言えることがあります。それは、「成功する名刺とは、自分ではなく相手目線で作られた名刺である」ということ。個性を表現したい、自分という人間を名刺でもアピールしたいと思うあまりに、様々な工夫やプレゼンテーションを施したくなるものですが、何かしらの意匠を加える際は必ず「これが相手に伝わるか、相手に信頼感を持ってもらえるか」を考えるようにすると良いでしょう。
私という人間を紙切れ1枚で相手に伝えるのですから、そこに「わかる人はわかる」というような楽しさやポイントは不要です。老若男女、どんな人にもすとんと受け入れられるよう、それでいて好印象を抱いてもらうための工夫を、記載する情報や文字デザイン、紙の色や全体のデザインすべてに凝らします。その結果、どうなるか。ズバリ、シンプルなものが最も失敗しない成功名刺です。

成功名刺の作り方1 肩書き

料理家、料理研究家、料理教室主宰者、フードコーディネーター、フードスタイリスト……と、料理を生業(なりわい)にしている人でも、いざ肩書きを記載するときに迷った記憶はありませんか。
料理関係の資格保有者なら、さらに悩むところかもしれません。「料理研究家・ワインエキスパート・唎酒師・管理栄養士・ベジタブルマイスター・シュバリエ・カラーコーディネーター」……と、ずらりと肩書きや資格を並べた名刺をお持ちの人も多いことでしょう。

これらは決して間違いではありません。フリー稼業にとって名刺は自由ですから、何を書こうが本人次第。努力して取った資格であれば、名刺に書き添えるのももちろん強い理由です。
ここではあえて、「仕事を受注しやすくするため」を目的に考えてみましょう。最もおすすめは「自分が一番力を注ぐべきジャンルは何か」を意識した肩書きに絞ること。名刺を見た相手が「この中で何がメインか?」と尋ね直さなくてもいいように、一言で自分のメイン稼業が伝わる肩書きを記載するのが無難です。

一般的に料理家や料理研究家、料理教室主宰者というのは、資格がなくては始められないという職業ではありませんので、あくまでも書かれた名称は本人の意識次第です。
また、「フランス家庭料理研究家」とか「焼き菓子料理家」など、もっと具体的なことを書くのも、相手に自分のテリトリーを端的に伝える良い方法です。しかしデメリットもあります。名刺というのは強い存在で、「フランス家庭料理研究家」と書いてしまえば、それ以外の仕事が入る可能性がグンと減る覚悟も必要。トレンド性に満ちたワードを使うならなおさらです。料理に対する姿勢が誰にも負けないくらい真摯であるにもかかわらず「スムージー研究家」とか「抗アレルギー菓子専門料理家」などと書く場合は、自分が今後それ以外のこともこなせるようになったり進路変更しても、過去の決意が道を阻む可能性もあるということを意識しなければなりません。

成功名刺の作り方2 絶対必要な記載情報とは?

前述したように、名刺に記載が必要な情報は、相手の都合を考えればおのずと判明します。雑誌やテレビで紹介されるような可能性だけを考えるなら、肩書きと名前があればよし。マネージャーを使わず自分が相手とやりとりするならメールアドレスや電話番号も必要です。最近であればLINEのIDを記載するのも特にビジネスマナー違反にはなりません。プライベートを大切にしたいなら、いつどこからかかってくるかもしれない電話番号を記載するよりは得策ということも。
また、自身のウェブサイトを持っているなら絶対にそれはURLを記載すべきでしょう。FacebookやInstagramなど、SNSのアカウントを記載するのも、フリーの人には良い方法です。日常から主宰する料理教室の様子や自身の料理やスタイリングセンスを投稿しているなら、そういった情報を「作品」として先方に見てもらえます。
しかしこの場合、facebookやInstagramで個人的な投稿はしていないことがマスト。プライベートの楽しみに使っているSNSは、仕事相手には見せないのがマナーです。

成功名刺の作り方3 好感度の高い名刺デザイン

最後に、名刺のデザインについてお伝えしましょう。まずはサイズ。一般的な名刺入れに収まることは、最低限の条件。一見するとおしゃれでも、とても小さい、横に細く長すぎる、二つ折りデザインといったものは、相手にとって扱いづらいこともあります。

そして名刺の柄や紙の色。女性らしさを演出したいがため、ついつい華やかな柄、色、書体などを選んでしまいたくなるのですが、その必要はありません。名刺はプレゼンテーションツールの一つではありますが、これで伝えるべき最も大切なことは「私は信頼できる人間です」という証明。年齢に相応した落ち着きのある仕上がりを選んで間違いはありません。

料理家の場合、少々費用はかかりますが、文字情報を入れるのを表面のみにし、裏面には自信作の料理写真を入れるという手もあります。季節の食材や方向性を変えて、何種類かのとっておきの料理写真を印刷した名刺を作っておけば、名刺交換をする相手の好みに合わせて、料理写真入りの名刺を渡すという手があります。自分の手料理(作品)を生徒以外の人たちにふるまう機会はそう多くはありませんので、料理写真入りの名刺は意外に相手に自分を知ってもらうのに役立ちます。

 

まとめ

いかがでしたか。たかが名刺、されど名刺。デジタル全盛時代となって、今や名刺がなくてもさまざまな方法で世界に自分をアピールすることができるようになりましたが、それでも名刺の力は侮れません。「初対面の相手に、自分の情報を自身で手渡しするという最高のプレゼンテーション」ゆえに、たった1枚の紙切れなどとは思わず、記載する情報の一つ一つにもう少し気を使ってみると、新たなビジネスチャンスが訪れることも。新しい名刺を作ろうと思っている人も、もう何年も深い考えなく名刺を使い続けている人も、ぜひ一度「成功する可能性を上げる名刺」について考えてみることをおすすめします。

写真/Unsplash

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