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ビジネスで成功する名刺の作り方

スキルアップ
2018年05月8日
企業や団体に属している人と違い、フリーで仕事をする場合は名刺のスタイルは一切が本人の自由。それだけに、社会経験が乏しかったり何年も現場とのブランクが空いていたりする人だと、「どんな名刺を作れば良いか」と迷うことも多いかもしれません。好感度をアップし、仕事につながる可能性を上げる名刺とは、どんなものなのでしょうか。現代事情も考慮し、ひも解いてみましょう。

かつては、就職活動をする学生でも「履歴書に携帯電話の番号を書くなんてNG」と言われていましたが、今では名刺に固定電話の番号ではなく携帯電話の番号を記載しても、それがマナー違反と言われることはありません。
それどころか、住所も電話番号も記載がなく、メールアドレスのみの記載でもそれが咎められることなどありません。企業や個人から仕事の発注があり、ギャランティーを受け取るような場合は、発注元に振り込みをしてもらうために住所を伝える必要が生じますが、そうなった場合のみ伝えればいい話。名刺に記載していなくても、それで社会的な信用を失うようなことはありません。

好まれる名刺、信頼される名刺とは?

名刺にもトレンドがあり、時代によって求められる情報、見せるべき情報は変わってゆくということをお伝えしました。では、フリーで働く人は今、どんな名刺を作れば良いのでしょうか。
ここでは料理家を例にとって考察しますが、大前提として一つ、言えることがあります。それは、「成功する名刺とは、自分ではなく相手目線で作られた名刺である」ということ。個性を表現したい、自分という人間を名刺でもアピールしたいと思うあまりに、様々な工夫やプレゼンテーションを施したくなるものですが、何かしらの意匠を加える際は必ず「これが相手に伝わるか、相手に信頼感を持ってもらえるか」を考えるようにすると良いでしょう。
私という人間を紙切れ1枚で相手に伝えるのですから、そこに「わかる人はわかる」というような楽しさやポイントは不要です。老若男女、どんな人にもすとんと受け入れられるよう、それでいて好印象を抱いてもらうための工夫を、記載する情報や文字デザイン、紙の色や全体のデザインすべてに凝らします。その結果、どうなるか。ズバリ、シンプルなものが最も失敗しない成功名刺です。

成功名刺の作り方1 肩書き

料理家、料理研究家、料理教室主宰者、フードコーディネーター、フードスタイリスト……と、料理を生業(なりわい)にしている人でも、いざ肩書きを記載するときに迷った記憶はありませんか。
料理関係の資格保有者なら、さらに悩むところかもしれません。「料理研究家・ワインエキスパート・唎酒師・管理栄養士・ベジタブルマイスター・シュバリエ・カラーコーディネーター」……と、ずらりと肩書きや資格を並べた名刺をお持ちの人も多いことでしょう。
これらは決して間違いではありません。フリー稼業にとって名刺は自由ですから、何を書こうが本人次第。努力して取った資格であれば、名刺に書き添えるのももちろん強い理由です。
ここではあえて、「仕事を受注しやすくするため」を目的に考えてみましょう。最もおすすめは「自分が一番力を注ぐべきジャンルは何か」を意識した肩書きに絞ること。名刺を見た相手が「この中で何がメインか?」と尋ね直さなくてもいいように、一言で自分のメイン稼業が伝わる肩書きを記載するのが無難です。

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写真/Unsplash