フリーランス必見! 人間関係に悩まない方法【ビジネスマナー塾】

料理やお菓子の教室主宰者、スタイリストやフォトグラファーなど、フリーで働いている個人事業主にとって仕事の要となるものが人間関係。気持ちよく仕事をしながら、自分の立場を自ら守らなければならないというのは、例え社交的な人であっても簡単なことではありません。さらに昨今は、SNSなどのソーシャルメディアの影響で、自分では気を付けていても人間関係の厄介ごとに巻き込まれてしまう危険性も。フリーで働く人が快適に他人と関わるノウハウをまとめました。

2018年08月14日

個人で仕事をするフリーランスでも人付き合いは必要

どんな世界でも、人間関係の悩みというのは尽きないものです。学生時代なら友人との関係で悩んだ人も多いでしょうし、現在進行中で職場の人間関係にほとほと手を焼いているという人も、たくさんいることでしょう。人付き合いに悩んだ時、「家族や友人、上司や同僚に聞いてもらえば解決できる」という何かしらの手段や逃げ道がある人は、まだ幸せです。今回、ここで考えてみたいのは、同業他者やクライアントとの間で一人悶々と悩み続けることが多い個人事業主、いわゆる「フリーで働く人」の場合。

個人で働いている分には、余計な人間関係のしがらみには振り回されずに済むと思われがちですが、実はそんなことはありません。フリーランスの人の方が、味方もいないところで自分だけの力で人付き合いをし、仕事もプライベートもうまく回るようにしなくてはならないことも多く、悩んでいる人も多いものです。こういう人々にとって理想的な人間関係とは、どのようなものでしょう。あるいはどうすれば築けるのでしょうか。

まず念頭に置かなければならないのは、「昔に比べ、現在では人間関係のあり方が大きく変わった」ということです。これにはまさしく、SNSなどのソーシャルメディアの発達が起因しています。

「エゴサーチ」で見えてくる自分情報

「人間関係の悩み」がこの世から消え失せることはまずあり得ません。インターネットやSNSの普及によって、今や誰もが、一度も会ったことのない人とでも関係が持てるようになり、結婚のような人生の伴侶を選ぶきっかけさえ、ネット上で得ることももはや珍しくありません。しかしその一方で、自分でも気づかないうちに悪意に満ちた情報をネットで流されていたとか、料理教室主宰者やカフェ経営者であれば、一回だけ参加や来店をした記憶にもない人が主観的な不満や意見を一方的にネットや個人のSNSで投稿し、その結果、止めようもないほどに情報が拡散されてしまうという恐ろしい事態がいつ起こっても不思議ではない世の中になりました。

デジタルの世界で使われる「エゴサーチ」という言葉をご存知でしょうか。「Google」や「Yahoo!」などの検索画面で、自分の名前や特定サイトで使用しているハンドルネーム、自身の店や料理教室名などを打ち込んで検索してみることで、思わぬ情報が目に飛び込んでくることがあります。個人で仕事をしているフリーの人であれば、多かれ少なかれ多数の情報が世の中に流れているものです。それらが正しい情報や他愛もない噂程度であればいいものの、中には予想もしないような間違った情報が出ていることもあり得る話です。

プライベートに関することや、自宅や家族に関する個人情報(自宅でレッスンをしている人などは要注意)、「レッスンに参加したけれど期待外れだった」「料理がおいしくなかった」などという中傷に近い書き込みなどを見つけてしまったらもう、落ち込むどころか、身の危険や仕事への不安を感じてしまうことも……。

もちろん、エゴサーチで得た情報をうのみにする必要などありません。知らなかった時は楽しく過ごせていたのなら、たまたまネット上で目にした情報などすべて不要なもの。書いた相手が分からない状態でやきもきしても、時間のむだです。

しかし、そうも言っていられない場合もあります。下記に挙げる事例は、実際にあった出来事です。料理研究家の話ですが、フリーで働く人であれば、誰にでも起こり得ることです。

人間関係を壊すSNSの例① コメント欄の書き込みには注意

フェイスブックやツイッター、インスタグラムなど、不特定多数の人と気軽にコメントや意見を交わせるのがSNSの良いところですが、逆に「誰が見ているかわからない」ということは、肝に銘じておかなければなりません。

東京で料理教室を営むSさんはある日、生徒の一人がフェイスブックでアップした投稿に目をとめました。「レッスンに参加して楽しかった!」といううれしい内容を料理写真と共にアップしたものでしたが、社交的で明るい生徒なので、多くの友人たちからコメントがついていました。その中に「おいしそう! でも、私が通っている料理教室の●●先生の方が、この手の料理だったら得意だよ。今度一緒に行かない?」というコメントが。

生徒にもコメントをつけた友だちにも、悪意はありません。しかし、これを見たSさんはとても悲しい気持ちになりました。しかも●●先生は偶然ながらSさんの知り合いでもあり、こちらとの仲まで複雑に。以来、どんなに仲良くなっても、生徒のフェイスブックは必要以上に見ないことを徹底しているといいます。

人間関係を壊すSNSの例② 悪意なく模倣された

カジュアルながらアイデアが楽しくて、誰でもすぐに作れる家庭料理を教えているフードスタイリストのNさんは、インスタグラムにも自身の料理を多数投稿してきました。徐々にフォロワー数も増えてきて、今ではインスタグラムのDM(ダイレクトメッセージ)を通じて、メーカーやメディアから仕事の依頼がくることも。そんなある日、友人から、最近発売になったばかりの料理本のことを知らされました。

著者は、料理家を対象にしたイベントで一度話したことのあるフードコーディネーターの女性。感性が似ていることで意気投合し、その後は互いのSNSにコメントをつけ合うなどして、楽しい関係を築いてきた仲です。

が、そんな彼女が出した新刊の料理本には、これまでNさんがしばしばインスタグラムで投稿してきたさまざまな料理のアイデアが満載。あっけにとられ、抗議したい気持ちにかられましたが、これまで散々コメント欄で「素敵! これ真似してもいいですか?」「どうぞどうぞ」というやりとりを繰り返してきただけに、まさかこんな形で真似されるとは思ってなかったとも言い出せず、以来、その友人だけでなくインスタグラムの投稿も止めてしまうことに。せっかく仕事が舞い込むようになっていたので残念でなりませんでしたが、以前と変わらないモチベーションを保って投稿することが難しく、苦渋の決断でした。

フリーで働くなら「SNSは人間関係を築く商売道具」と心得て

2つの例を挙げましたが、厄介なのは、いずれの件でも「誰も悪意を持っていなかった」ということです。若干マナー違反と思えることでも、法律違反というわけではなく、対応のしようがない例でした。が、人間関係にはヒビが入り、仕事の可能性まで失ってしまった人も。

「私も気を付けよう」と思うくらいでは、まだ意識が足りないかもしれません。今後、フリーの仕事が軌道にのって多方面で活躍するようになれば、ますます知らない人々に自分の存在が知られ、注目されることになります。そうなった時の対応策として今から考えておかなければならないこと、それが「SNSはオフィシャルなものである」と心得ること。あなたに代わって無給で働いてくれる広報宣伝部長であるといっても過言ではありません。スムースで快適な人間関係や仕事での人脈を作ってくれるような価値のあるSNSアカウントに育てるには、ここで“本当の自分”などさらけ出す必要はないのです。

料理教室を主宰するフードスタイリストを例にとるなら、ビジュアルセンスに自信があるならSNSの中でもインスタグラムを使うのがおすすめ。そしてそこに掲載する内容は、なるべく食に関することを挙げるのが、結局は正解なのです。

ショッピングの戦利品、家族の動向、憤っている社会現象、友人の活動など、一人放送局のような勢いで何でも公開するのではなく、「クライアントがこれを見たら、仕事したいと思ってくれるだろうか?」「この料理やスタイリングをアップしたら、新しい生徒さんが来てくれるだろうか?」、そんなことを考えて投稿内容を選ぶとよいかもしれません。それでも、心無い書き込みにハートを砕かれたり、模倣されて悲しくなったりする可能性はゼロにはなりません。しかし、「仕事の一環として、ビジネスライクでスムースな人間関係を作るためにSNSを続けているんだ」という自覚があれば、多少はそういった危険性も防げるでしょう。

賢く使えばSNSは有用な武器に

もちろん、世間では自らのプライベートを公表することで仕事をしているタレント料理家もたくさんいます。しかし彼らにとっては「それもひっくるめて仕事」なのだということに気付いている人は、実は少数です。仲睦まじい家族の食卓や旅行風景を投稿し続けた有名人が突然離婚したと知り、驚いたことはありませんか? 実は彼らはSNSを使って懸命に「素敵なライフスタイル」をPRしていたということなのです。

今から上を目指す、いわばチャレンジャーの立場である人にとっては、インスタグラムは商売道具であり、不特定多数に向けてプレゼンが出来る便利な場所。戦略をもって、快適な人間関係が築けるアカウント作りに勤しんでください。

フェイスブックやLINEでグループ内の人間関係を上手につなぐ

インスタグラムやツイッターが「発信するための個人メディア」であるならば、フェイスブックやLINEなどは「コミュニケーションをするためのメディア」という特徴を持っています。

もちろん、前述したように常に見られているという意識で投稿内容を選ぶことが大切なのは言わずもがなですが、「申請&許可」という行為のもとに関係が始まることが一般的なので、一応「知り合えている同士」という前提のもと、コミュニケーションがとれるのがメリットです。

料理教室主宰者がレッスン内容を告知したり、あるいはいくつかのクラスに分かれている時などは、フェイスブックやLINEのグループ機能を使うと、限定した人々の間で情報を交わすのに便利です。また、自身が発信するだけでなく、ここでの発言を見ているうちに生徒一人一人のキャラクターが何となくわかってきて、教室での人間関係構築に役立つことも多々あります。

注意したいのは、例え主宰者が自分であっても、必要以上に発言しすぎたりグループの共通認識から外れる話題にはここで触れないこと。「クールな八方美人」でいることが、実はスムースにグループを運営する良策です。

職場や同業者、リアルの人間関係がうまくいくコツ

今や人間関係構築の難しさを語る上で外せない、SNSやインターネットについてお伝えしました。読んでくださった人の中には「もう他人とつながりたくない」と思ってしまう人もいるかもしれません。しかし、ここからが今回の話題の最も大切なところです。

それは、「フリーの人が孤高の存在でいては、仕事はこない」という事実。SNSの怖さには敏感にならなければいけない一方で、いい人間関係を得ずに個人事業主として仕事をしていくのは、どんな業種であっても難しいということです。

テレビの料理人を追うドキュメント番組などでは、「寡黙に自身の世界を追い求める料理家」的な人物が紹介されることがよくあります。店で出すメニュー、あるいはレッスンで紹介するレシピの精度を上げるために深夜まで何度も試作を繰り返す孤独な背中……。もちろん、そのような努力が必要なのは確かです。しかし、そんな一面を持つ人も、実は他者とはとても上手に人間関係を築いていることがほとんどである、ということを忘れてはなりません。

なぜなら、企業が仕事の発注を思い立ったり、あるいは個人客が「この人の料理教室に通いたい」と思う時は、たいていの場合、相手が「朗らかでいい人」であることを無意識に希望していることが多く、「気難しく話が通じにくく、SNSは一切やらない」というような昔かたぎの人は、おのずと敬遠されてしまうからです。

無理せずソツなく、ゆるく続けられる人間関係が理想

ふだんから口数の少ない人が無理やり社交的にふるまう必要はありません。そして、誰とでも親友になるほど深い付き合いをする必要も皆無です。しかし、例え企業での就業経験や社会経験が少ない人の場合でも、「私のやり方は絶対にこうだから」と決めつけてしまわず、いろんな人々と、その場限りでも良いので“ソツなく楽しくコミュニケーションをとる”くらいのゆるいスタンスでいるのが、結局はいちばん仕事がしやすい人間関係につながるのではないでしょうか。また同時に、「他人に期待しすぎない」という意識を持つことも、人間関係に疲れないための有益な方法です。

どうしてもそういったことが苦手、という人であれば、いっそプロダクションや事務所に所属するというのも一つのやり方です。

もちろん、それだけでまったく人間関係の煩雑さから解放されるということはありません。が、スケジューリングや先方からの依頼のとりまとめ、ギャランティのやりとりなどが他人に任せられるだけでも、楽になる場合はあるでしょう。

まとめ

プライベートで知り合った人とでさえ仕事につながる可能性があるのが、フリーで働く人の醍醐味であり、面白さ。しかし、会社員のように、企業が自分の立場を代弁してくれることもないので、常に自分を「商品」として捉える客観性も必要なのが難しいところです。

メディアに出た途端にチヤホヤされたり、その逆の状況に陥ったりと、フリーの立場で快適な人間関係を築くのは至難の業。タフなハートの持ち主でないとやっていけません。

人間関係を良好に保つ最大のコツは、無理をしすぎず、程よくリアルな自分も見せつつ毎日を積み重ねること。ピンチに陥った時に話を聞いてくれる人が一人でもいれば心強いし、それがなければペットや美食といった趣味に癒やしを求めてもよいのです。

「自分のニュートラルなスタンスはどこにあるのか」を早くつかみ、そこからあまり逸脱することのないシンプルな人付き合いを心がけて、悩みのない日々を目指してください。

 

 

写真/Unsplash

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