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「正しい自己紹介」の仕方を身につける

スキルアップ
2018年06月12日
オンでもオフでも、初めて出会う人との間で欠かせない通過儀礼といえば、自己紹介です。カジュアルな雰囲気の中でなら誰とでもすぐに打ち解けられるという人も、ビジネスシーンで、初対面の仕事相手とのオフィシャルな自己紹介となると、途端にひるんでしまうこともあるのでは? そんなことにならないためにも、「ここだけは外せない」というビジネスの場で効果を発揮する「大人の自己紹介の仕方」について考えてみましょう。

「正しい自己紹介」の方法を身につける〜ビジネスマナー講座④

正しい自己紹介は大人のビジネスマナー

どんな人でも、社会と関わりを持って暮らしている限り、さまざまな人との出会いがあります。そんな時、あなたはどんな「自己紹介」「挨拶」を心がけていますか。「自然体でいることが基本」「名刺交換をしたら、あとは時間や仕事の実績が相手との距離を縮めてくれる」、そんなふうに思っているとしたら、もしかしたら知らない間にビジネスチャンスを逃しているかもしれません。
プライベートでのカジュアルな場での自己紹介であれば、話は別です。友人宅で得意料理を持ち寄るホームパーティーや、旅行参加時、同じグループになった人との挨拶などは、場も盛り上がっているだろうし、気負うことなく最初から仲良くなれることでしょう。
料理教室やワインレッスンなどで一緒になった人との場合は、趣味が同じということで難なく打ち解けられるのも不思議なことではありません。
「私は誰とでも仲良くなれる。コミュニケーションは大の得意」と思っている人もいるのではないでしょうか。

ビジネスシーンでの自己紹介はオフの場合と何が違う?

今回お伝えするのは「ビジネスシーンでの自己紹介」です。会社勤めをしている人であれば、名刺を交換して名乗り合って、ということでそれほど悩まずに済むかもしれません。なぜなら、背後には「企業名」「所属部署名」というものがあり、それらのワードからその人の役割や印象というのは相手の記憶に残りやすいからです。
しかし、フリーで仕事をしている料理家やコーディネーター、スタイリストといった職種の場合、よほどメディアで活躍している人でない限り、名刺交換をして相手に渡せる情報は名前と肩書きだけ。どんな仕事をしているか、どんなことが得意なのかをきちんと伝えられたら仕事につながる確率も高まりますが、自己紹介の場でそれを効果的に行うのは難しいものです。

“好印象”を持たれることの意味

フリーでも会社員でも、ビジネスの場の自己紹介で相手に好印象を持ってもらうことは大切です。良い印象を持ってもらえなかったとしても、名前と肩書きの情報さえ相手に伝わっていれば、とりあえず目の前にある仕事には着手できるかもしれませんが、これからの時代、「どんな仕事をしていても営業能力が求められている」といっても過言ではありません。
最初の自己紹介の時に「感じがいい、話しやすい人だな」と思ってもらえたら、その印象は無意識の記憶となって相手の脳裏に残ります。今回の仕事が終了した後もその記憶は相手の心の奥にずっと留まっていて、数カ月後のある日、急遽発生した仕事を誰に依頼するかという話になった時、その記憶は不意に相手の頭によみがえります。「あの人にお願いしてみよう!」「あの人ならなんとかしてくれるかもしれない」といった具合に……。
ビジネスシーンにおける「印象の良い自己紹介」が役に立つのは、こういう理由からです。必ずしも、相手にすり寄るためとか好きになってもらうためだけではなく、「未来の可能性に向かって営業しておく」ことが自己紹介の意味だと考えると、今の自分のやり方が正しいかどうか、考える基準になるのではないでしょうか。

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写真/Unsplash