
出版、メディア出演、料理教室、海外研修、店…。複数の柱が支え合う
現在は、年に2~3カ国、長いときは数カ月にわたる海外研修に出かけ、日本にいるときは料理教室と出版、そしてメディア出演をこなすSHIORIさん。さらに2017年には、100%ヴィーガンのファラフェルの店「Ballon」をオープンさせました。
「すべてが相乗効果を生み出していると思います。レシピ本を出版しても、他のレシピとどう違うのかはなかなか伝えきれませんが、料理教室というリアルな場があることで、実際に生徒さんに食べて納得してもらえます。一方、料理教室だけではお伝えできる人の数は限られてしまうので、そんな時に出版やメディアの力は絶大な効果があります。しかし、一気にさまざまなお仕事が動くので、自分が出て発信する機会も大切ですが、メディアでの露出は自分ですべてをコントロールするのは難しいもの。浮き沈みもあるし、想像外に悪い出方をしてしまうと悪影響もあるので、メディアだけに頼ってしまうのではなくいくつかの柱を常に持っておくことが大切だと思います」。
ファラフェルの店も、SHIORIさんにとっては新しい軸になっていると言います。
「海外研修先のフランスで、人々がとてもナチュラルに、おしゃれでおいしいヴィーガンフードを食べていることに感動し、このライフスタイルを日本にも定着させたいと思ったんです。振り返れば、それまで10年間“彼ごはん”で男子の胃袋を研究してきた自分だからこそ、男子受けするヴィーガン料理を作れれば日本でも浸透するはず!と一念発起し、挑戦を決めました。結果、小さなショップを地道に始めたここでの活動がもうひとつの軸となり、企業のメニュー開発でヴィーガン料理を依頼されることがとても増えました。こう考えると、複数の軸を持つことで救われてきた部分は多いと思いますが、最初から狙ってやったことは一度もないんです。逆に、狙ってやっていたとしたら、“ダメだ。全然成功しない”と思って早々に諦めていたかもしれません。大事なのは、どうしてもこれを伝えたいという情熱だと思います。時間・お金・労力、すべてを犠牲にする覚悟で伝えたいものは何なのか、それこそがその人の使命であり、それをいかにきちんと伝えるかを考えることが、結果的にセルフプロデュースにつながるのではないでしょうか」。