テーブルの印象は「色」と「質感」で決まる
「料理教室はテーブルスタイリングも含めてひとつの世界を作り上げているものだと思います。雑誌の撮影現場では、料理を作る人や編集者、フォトグラファーと、私たちのようなスタイリストが共同してそれらの作業を行うのですが、料理教室の場合は、テーブルスタイリングも含めて自分の“食に対する世界観”を料理家が個人の力で作り上げる必要がありますね」
少々ハードルが上がってしまいそうなコメントから始まった岩﨑さんによるスタイリングレクチャー。けれど、いくつかのポイントさえ押さえれば、それほど難しいことはないと言います。
「かつては、食卓にブルー系の色を使うと食欲を減退させてしまうのでご法度だとか、和食器と洋食器を混在させて使うのはダメとか、いろいろ言われましたが、今ではそんなルールはないように思います。私自身、ブルーグレーやパープルといった色は頻繁に使いますし、壁に飾るパネルをトレイ代わりに使ったりと、自由な方向に。また、和食器の作家さんが洋食器のような雰囲気の器を作っていたり、世界的にもボーダーレスになってきていると思います」
そのなかでも料理家として意識すべきは、「色」と「質感」だと言います。
「色で言えば、鮮やかな色かくすんだ色かとか、質感なら、硬質なのか温かみがあるのか。布なら、パリッとした光沢のある素材か麻のようなざらっとした質感か、という違いは細かく見極めた方が良い結果につながると思います」。
自分の好きなものがしっかりと分かっていて、そういうものを軸にテーブル周りのアイテムを買い集めていれば、どのように組み合わせてもそんなに大外れはしないのでは、とも言います。