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失敗しない電話のかけ方、対応&応対

スキルアップ
2018年04月10日
企業勤務経験がなくても、ビジネスに不慣れでも、フリーで仕事をする以上、避けては通れない「必要最低限のビジネスマナー」というものがあります。ビジネスメールの書き方や名刺の渡し方、時には自分という“商品”を売り込んだり、見知らぬ相手に電話をかけてアポイントを取ったり……。「改まったコミュニケーションは苦手だから」と敬遠している間にライバルに差を開けられそう? いえ、それどころではありません。情熱を注げる仕事があるにもかかわらず、ビジネスマナーに疎いというだけで、無意識のうちに大失敗をしている可能性もあります。今回のテーマは「電話のかけ方」。ビジネスルールにのっとって考えると、電話の応対にもマナーがあるんです。

スマホ携帯内蔵のカレンダー機能を使っている場合、スケジュールはすべてスマホに記録している人も多いかもしれません。スケジュールの都合を聞かれ「いったん電話を切ればスケジュールが確認できるのですが……」などと正直に言わないこと。相手の都合をまずは聞いてメモし、「調整できるかどうか、一度確認して折り返して良いですか」と伝えれば十分です。

電話応対で大切なのは、タイミングの読み方

メールであれば、相手都合で開封してもらえるので、送るタイミングについてそれほど頭を悩ませる必要はありませんが、電話となると「今、相手はどういう状況か」を、最大限考慮しなくてはなりません。昨今では、ビジネスで使う電話もスマホ、という人が増え、相手がどんなシチュエーションで通話しているかがまったく分からないことも多いのです。著名なインターネット界の某実業家などは「いきなり電話をかけてくるのは失礼だ」という持論をSNSに投稿し、物議を醸したこともありました。注目したいのは、この意見を否定する人もいる一方、賛同するコメントをつけた人も大変多かったという事実。よって、現代ではビジネス用件で会社に電話をかける際でも、まずは相手の状況について様子をうかがう配慮が求められます。
電話をすべき案件があれば、まずは本当に電話で伝えるべきかどうかを考え、次に、早すぎず遅すぎない時間帯(相手の職業や状況によって変わります)であることを確認し、手元にはメモ帳と筆記具を置いて電話をかけます。電話がつながったらそこでカジュアルに「もしもし?」などとは言わず、落ち着いたゆったりした口調で「お忙しいところを恐れ入ります。@@@@@(肩書きや企業名、教室名)の○○と申します。△△さんと少々お話しさせていただきたいのですが、今よろしいでしょうか」と切り出しましょう。
相手がOKと言ってくれたら、そこからいきなり細かい内容を話し出す……のではなく、まずは簡潔に結論となる用件を伝えるようにしましょう。「○日のイベントの件、時間変更のお願いです」「私が主催する料理教室について一度取材をお願いしたいと思っています」「御社に大変興味があり、一度お会いして話を伺えたらと思っています」……など、話の骨子は最初に伝える方がよいでしょう。そして、もし話が長くなる、あるいは相手に検討してもらうべき用件が含まれるという場合なら、話の冒頭で「詳細は後ほどメールでお伝えさせていただきますが、まずはご挨拶と概要のみお伝えします」と申し添えるのもスマートです。お金やスケジュールが絡む仕事の案件であれば、間違いを防ぎ、後から確認もできるメールでのやり取りにする方が安全ともいえます。

電話の受け方にもマナーがある

電話をかけるってなんて難しい!と思われますか? が、実は電話の受け方にもマナーがあります。相手にとっても、あなたが今何をしているかというのは分からないことですから、料理レッスンの真っ最中に重要な電話がかかってくることだってあります。待ちわびた会社や仕事先からの電話である可能性もありますが、肝心なのは「落ち着いて話ができない状況であれば、いっそ取らない方がベター」ということ。イメージするなら電車の中のシチュエーションです。満員電車の中、電話がかかってきて思わず出てしまい「今電車の中なので後からかけ直します」と、周りににらまれながら焦って答えているのは、おそらく企業経験の少ない人です。というのも、留守番電話に設定して音量をオフにしておけば、電話ができる状況になってからかけ直した方が相手に気遣いさせずに済むことを忙しいビジネスマンであれば了解しているからです。

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