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受注につながる料理家のウェブサイト

スキルアップ
2019年03月14日
教室やイベントを開催する上では集客の窓口に、出版や企業とのコラボを目指すならポートフォリオとしての役割も果たす個人ウェブサイト。今や、料理家にとって欠かせない武器でもあります。しかし、なかなか着手に踏み切る勇気が持てず、ずっとSNS頼みだったり、最小限のウェブサイトを立ち上げたままほったらかし状態になったりしていませんか? 今回は多くの企業のサイト制作に携わり信頼を得ている、TRACKのアートディレクター、圓島努さんに、最近のウェブサイトの動向について話を伺いました。

制作会社にウェブサイト制作を依頼するメリットは?

先述したセルフ制作ツールを使うのではなく、もっとこだわって自分のサイトを作りたいという人や、逆にセルフ制作ツールにさえも尻込みしてしまうというデジタル弱者もいるかもしれません。そんな人には、従来式の制作会社に依頼する方法ももちろんあります。圓島さんが作っているのもそんな人たちのためのウェブサイト。
「制作会社によってスタンスは異なると思いますが、弊社の場合でいうと、自分で作るウェブサイトはセルフプロデュースであり、一方制作会社に依頼して作るものは、ブランディング構築も含めた発注という意味合いがあると考えています。その企業や人が何を伝えたいのか、どんなゴールを目指しているのかを伺いながら、客観的な視点やユーザー目線で興味を持ちたくなるストーリーへと組み直します。そのために僕たちは、その業界で何が重要なのか、業界内でその人やブランドがどういう位置付けなのか、なども含めて人やブランドを理解した上で、スタートからゴールまでのストーリーを組み立てていきます」。
つまり、ウェブサイト制作を依頼するというのは、格好いいデザインを作れるとか、難しいコンピュータの操作を任せられるということのみならず、ブランディングのパートナーをもつということでもあるのです。自分の見せ方に迷っている人ならぜひ、そんな味方をつけたいところ。

制作会社選びは、口コミ+相性を見極めて


ところで、そうなると次に気になるのが「誰に頼めばいいのか」「いくらかかるのか」という問題。
「制作会社によって強いジャンルや得意なテイストが違いますし、相性もあるでしょう。当社の場合も紹介の仕事が多いのですが、知人で素敵なサイトを作っている人がいれば制作会社を紹介してもらい、相談に行ってみるのがいいのではないでしょうか。その時に価格感も聞くといいでしょう」と圓島さん。
その際、自分を伝えるものを十分用意することが大事と教えてくれました。
「見せたい自分を伝えるための視覚的な要素、料理の写真や料理教室の様子、雑誌に掲載された時の記事など、自分を伝えられるものをたくさん用意していってください。それだけあなたに対する理解が深まると思います」

圓島さんおすすめのサイト事例

圓島さんが手がけたサイトやおすすめのサイトと、そのデザインのポイントをいくつかご紹介しましょう。
【TRACK制作サイト事例】
・サーモス日和(https://www.club-thermos.jp/thermosbiyori/
「このページは人選も含め企画制作全体を請け負っていますが、食にまつわる各地の人々を訪ね、サーモス製品と人が出会うことで起きる化学変化を人の持つストーリーと製品の持つ世界観とを組み合わせながら表現することで、製品の“新しい顔“を見せていくサイトです。写真のシズル感も大切にしています」

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撮影/yOU 取材・文/吉野ユリ子

話を聞いた人
圓島努さん
TRACK アートディレクター/Webディレクター
武蔵野美術大学油学科卒。大学ではコンテンポラリーアートを学ぶ。幅広い企業や商品、サービスの広告・プロモーションを担う企業「TRACK」にて、Webサイトやアプリなどのデザインを中心に、お客様のビジネスやサービス・商品を、エンドユーザーが楽しく・分かりやすく体験できるような「使えるデザイン」を常に心がけている。https://www.track.co.jp