
初めてレンズを買うときのおすすめ
さらにもしレンズを1本買うなら何がオススメか聞いてみました。「レンズを1本買うなら、F値(絞り値)の小さい(明るい)ものがオススメです。とは言えF値が小さいほど高いので、予算とのバランスも必要ですね。通常入門者向けのセットで売っているものはF4やF5.6といったものが中心ですが、これだと思ったほどボケ味を楽しむことができません。F2、F2.8程度のものを購入しておけば一眼レフの醍醐味を楽しめるでしょう。50mm程度のマクロレンズなら、自分の目と対象との距離感をあまり作らずに、自然な視点のまま撮影できると思います」。これからレンズを買う予定の人はこれを参考に!
構図より、まず料理をよく見ること
「写真の初心者向けの入門書などには、まず構図を考えよ、といったことが書かれているかもしれませんが、僕の考えでは構図は後でついてくるものと思っています。まず料理をよく見て、その料理のどこが魅力か、何を伝えたいかを考えましょう。食材の新鮮さなのか、彩の美しさなのか、季節感なのか、食材の組み合わせなのか、盛り付けの面白さなのか。盛り付けの面白さの場合も、高さを出した盛り付けや、ソースで描いたアートが面白い場合もあるでしょう。素早く“何を伝えたいか”を見つけ出すことが何より“構図”を作る重要なポイントだと思います。あまり構図ばかり考えていると大切な料理が冷めたり、冷たい料理が溶けたりしてしまいますから。撮影は時間との勝負です」と福田さん。
撮影の構図に正解はない!
構図には「日の丸構図」「トンネル構図」「三分割構図」などさまざまな公式がありますが、それらを学んだりこだわったりする必要は一切なし、と言います。「写真に正解はありません。料理写真にしても、お皿が全部入っていても、見切れていても、料理のてっぺんが切れていても、それぞれに面白さがあり、美しさがあります。形式にこだわらずにいろいろ試して、自分らしい写真を探して見てください」
お気に入りの料理本の写真を真似てみる
とは言え、何をどう撮ればいいのか途方に暮れてしまう…という人に福田さんがすすめするのは、好きな料理写真を真似ること。「スマホカメラの回でもお話ししましたが、好きな料理雑誌、海外の料理本などで素敵だなと思うものを真似して撮影してみてください。好き、の理由が、光かもしれないし、スタイリングかもしれないし、寄り加減かもしれないし、構図かもしれない。好きな写真をたくさん集めて、たくさん真似しているうちに、その理由が見えてくると思います」。学ぶことは真似ること。料理の世界でもそう習った人もいるかもしれませんが、写真の世界でもそんな法則があるようです。