
白馬の王子様は、姿を変えてやってくる
初めてレシピを提供した本が出版されてから、四半世紀が経った2018年秋。マンガ家の雲田はるこさんとの共著で、おやつを題材にしたコミック『R先生のおやつ』(文藝春秋)が発売に。ワクワクするような雲田さんのイラストとシズル感ある写真で紹介されたお菓子のレシピを、福田さんが担当したこの本は、見事クリーンヒット!
「雲田さんと組んだおかげで、達成できた数字。この歳になって、自分の名前が表紙にある本がマンガ本コーナーに置かれるなんて、感慨深いです。最初の本が文庫で、今になってみれば、むしろそれがラッキーだった。人と違う形で料理の世界に入ってよかったというのが、徐々にわかってきました。白馬の王子様と同じで、待っていてもチャンスは来ない。そして、王子様のように、思い描いていたような理想的な形でやってくるとは限りませんね」
現実主義なようでいてロマンチスト。少女のようなかわいらしさと大人の成熟さが同居する福田さん。このバランスを上手にとり続けることで、乙女心をくすぐる数々のお菓子や書籍が、生み出されてきたのだと感じました。