
「味見がとっても大切ですよ」と、レッスン中は生徒さんたちに積極的に塩気や旨みを確認してもらって、舌で覚えることを徹底しています。「食材も個性がありますから、例えばじゃがいもであれば、新じゃがなら食材に水分が多いからもうちょっと塩を足した方がいいかな、とか判断できるようになってほしいんです」と深田さん。レシピにとらわれない味付けのコツを体感していくのが、料理上手の秘訣です。
プリモのパスタは、驚くほど小さな鍋を使って茹でていることに注目!
「たっぷりの水を沸かして茹でるのがセオリーですが、少ない湯でも美味しく茹でられるんですよ。茹でるというよりも、炊くイメージですね。」と深田さん。パスタの種類によって異なる美味しく茹でるための塩分濃度、塩を加えるタイミングなど、目からウロコのテクニックが満載でした。
写真中央、スクエアのプレートから時計回りに「シチリア風夏のサラダ」、「ブルスケッタ チェチ(ひよこ豆)のペースト〜プレーン&バジル」、「塩麹の揚げないチキンカツレット〜バルサミコ酢トマトソース」、写真左上段から「トマトとツナの混ぜるだけパスタ」、「トマトピュレの蜂蜜ゼリー」、おまけでパスタの茹で汁を使ったオレガノ風味のスープ。ブルスケッタには、深田さん手作りのドイツパン「ヴァイツェン ミッシュブロード」を使用しています。夏に旬を迎えるトマトをたっぷり使った、簡単&ヘルシーなイタリアンメニューです。
先生はどんな人?
大学時代に発酵や麹について研究し、卒業後はキリンビール医薬開発研究所でバイオテクノロジーの研究員として勤務。出産を機に退社後、発酵の面白さに開眼し、料理家の道を進んだ深田さん。
「最初はパンを自分で作ってみたいと思ったのがきっかけでした。プロのセミナーに行って勉強し、それを自分流に家庭でも作りやすいようにアレンジしていくうちに、私のパンが美味しいと評判になって教えるように。パンも発酵食品ですが、世の中、発酵で美味しくなる料理はたくさんありますよね。どんどん発酵の魅力にハマっていって、今では和と麹を取り入れた発酵イタリアンを発信しています。若い人も気軽に取り入れられる、ヘルシーでおしゃれ、キレイになれる料理を提案していきたいですね」
「根っからの料理好きなんです」と言う深田さんの言葉を裏付けるのが、このレシピノートです。「子どもの頃から何でも手作りするのが好きで、気に入ったレシピをずっと書きとめてきました。娘たちに私の味を伝えたいと思って、このノートは今も大切にしています」と深田さん。レッスンでは生徒さんからリクエストがくることも多いそうですが、あらゆる料理に精通し、ストックしているレシピも山ほどあるという深田さんは、いつでも自信を持ってレシピを紹介しているそうです。