
女性がときめく、おもてなし料理を学ぶ
今回お邪魔したのは、次世代料理男子として活躍するkeiさんが、男性が女性に手作りの料理を提案するオリジナリティあふれる料理教室「ラブストーリー食堂。」です。
東京都・新宿区のマンションの一室で行われる「ラブストーリー食堂。」に参加できるのは、20代後半~40代半ばまでの独身男女。そして、keiさんの料理レッスンを受けられるのは、そのうちの男性に限られます。彼らは一足先に会場入りし、keiさんの手ほどきを受けながら1人1品ずつを調理。そして、この日初めて顔を合わせる女性たちにその手料理でもてなすという、婚活パーティーを兼ねたレッスンなのです。
1月半ばに行われた第14回目の「ラブストーリー食堂。」では、男性3名が17時に集合。keiさんのあいさつや互いの自己紹介を一通り終えた後、さっそく料理教室がスタートしました。
メニューは前菜の「ぶりとアボカドのサラダ」、メインの「豚肩の低温ロースト」、デザートの「焼きリンゴとバニラアイス」の3品。生徒たちは、女性が好きな食材やメニューを知ることができるほか、料理で喜ばせられる盛り付けなどのプレゼンテーションも学んでいきます。
このレッスンで学べる「女性をときめかせるレシピ」の最大の特長は、“簡単に作れる” “見栄えがいい” “おいしい”の三拍子が揃っていること。普段料理をしない男性でも作れるように、「切る」「混ぜる」「焼く」「煮る」といった調理実習で覚えたテクニックのみを使い、その工数も可能な限り減らして簡略化。そして、食材の味の特徴、使う調味料の役割、素材の切り方のコツなど、そのレシピで使う材料や作り方を選んだ理由を、きちんと解説しながらレッスンは進みます。
keiさんの説明は、とにかく簡潔でわかりやすく論理的。ポイントだけをついた言葉選びによって、生徒たちはすんなり理解できるうえ、習ったことが記憶にも残りやすくなっていると実感しました。
また、会話が生まれる食材選びも、keiさんの狙いのひとつ。うま味がたっぷりで独特のぬめりが特徴の「新潟のさといも」、ねっとりとして濃厚な甘味の「鹿児島の安納いも」、太くて甘い「下仁田ねぎ」、まろやかで深い味わいの「与那国の塩」など、おすすめの産地や特徴とともに紹介。知ったら誰かに話したくなるトリビアを散りばめ、男性がもてなしながら一緒に料理を味わう初対面の男女の、会話が弾む工夫がなされています。
簡単、おいしい、会話が弾む。いいこと尽くめのメニューとは?
調理をスタートしてから約1時間半後に、女性たちが到着。男性は、自分が作った料理をkeiさん直伝のSNS映えする盛り付けをして、一皿ずつサーブ。
前菜は、アボカドの皮を器に見立てた「ぶりとアボカドのサラダ」。食材を大きめにカットして切る工程を減らすことで、ぶりのうま味とアボカドの食感を楽しめるだけでなく、見た目も華やかに。すぐにでも真似したい、一石三鳥のレシピ。
メインの「豚肩の低温ロースト」は、低温調理器を使ったメニュー。時間がおいしくしてくれるから手間いらずで、お肉はしっとりジューシーに。食べる時間を逆算して早めに調理をスタートさえすれば、料理初心者でもこんなに華やかなごちそうが作れます。
デザートの「焼きリンゴとバニラアイス」には、女性が大好きな食材がたっぷり。旬のりんごを、ワインの中に国産有機レモンとシナモンと一緒に入れ、コトコト煮たあとオーブンで焼き上げ、バニラアイスをトッピング。フルーツとスパイスの香りが移ったワインは、ホットワインとして振る舞われました。
おいしい料理を通じて、自然に笑顔と会話が生まれるこのレッスン。一緒に料理をすることで男性同士がすぐに打ち解け合い、女性が入場する頃には会場全体が明るく和やかな空気に。男女ともに気後れすることなく、終始その場を心から楽しんでいたのが印象的でした。料理が人を幸せにする方法は、アイデア次第でいろいろあることを、あらためて学んだ一日でした。