
現地の温和な空気をまとった、イタリア人直伝の郷土料理のレッスン
イタリア料理を専門とする料理家で、カルパッチョやトルタ・サラータ(イタリア式の塩味のタルト)をテーマにしたレシピ本などの実績を持つ山内千夏さん。海からほど近く、自然豊かな神奈川県の湘南エリアにある自宅で、レッスンを行っています。
イタリア料理の教室は数多くありますが、山内さんが教えるのは、イタリア人直伝の家庭料理や郷土料理。レシピを軸に、イタリア文化や歴史に関する話を織り交ぜながら、イタリア料理の魅力を総合的に伝えるレッスンが好評です。取材でお邪魔した当日は、パンの講師や同業のイタリア料理の講師も参加していて、本やインターネットでは得ることが難しい興味深い現地のお話や、日本で作りやすいように絶妙にアレンジされた郷土料理のレシピに、歓声が上がることもしばしば。レッスン中は、山内さんが一方的に話すのではなく、生徒たちも熱心に質問を投げかけていて、積極的に手を動かしながらも会話が弾むような、和やかな空気に包まれていました。
求められて続けてきた料理教室
山内さんは現在、自身のホームページは持たず、またSNSによる積極的な告知活動も行っていないため、生徒のほとんどは口コミで訪れています。料理教室をはじめたのも、イタリア留学後に料理教室の立ち上げの仕事をしていたときに、自宅レッスンを頼まれたのがきっかけで、料理教室のシステムがしっかり整わないまま何年も続けてきてしまったと笑う山内さん。レッスンは月替わりで、3~4名のグループ単位で受講するのが特徴。長期のカリキュラムではないものの、レッスンを継続する場合は同じグループで受けることになるため、生徒同士が仲良くなってプライベートでの付き合いに発展するケースは珍しくないのだとか。風光明媚な湘南という立地と、気心の知れた仲間と一緒に受けるアットホームなレッスンで、生徒にとっては料理への探求心を満たしつつ癒しも感じられる、特別な時間になっているようです。