斉藤かすみさん主宰「サロン ピルゥファス」【人気料理家のレッスン拝見】

個性豊かな料理家たちが所属する「Kai House Club」。全員が料理教室を主宰する「料理の先生」であり、各々のこだわりが光るレッスンを展開しています。魅力的な内容で多くの生徒が集う教室にお邪魔し、その人気の秘密をレポート。料理教室を探している人も、料理教室を主宰する先生たちにとっても、ヒントになる情報が満載です。

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2019年06月3日

先生の人柄と居心地よさで、長く支持されるレッスン

かつての花街のなごりで古き良き風情が残る、東京・神楽坂。東京メトロ東西線の神楽坂駅で下車して神楽坂通りを進み、細い路地へ入ると見えてくる黄色いビルの一室に、「サロン ピルゥファス」はあります。一歩足を踏み入れると、料理教室を主宰して30年以上になる斉藤かすみさんが穏やかな笑顔で出迎えてくれ、居心地のいい空間が広がっています。取材日はデザートの色に合わせ、グリーンとホワイトを基調としたカラーでコーディネートされたテーブルが目にも爽やか。「料理だけでなく教室で過ごす時間が毎月の楽しみ」という生徒の声にもうなずけます。斉藤さんのレッスンでは、フレンチイタリアンのレシピを家に持ち帰って作れるよう、さまざまな配慮がなされています。手に入りにくい材料を身近なものでどう代用するか教えてくれるのはもちろん、家庭で作る時のイメージが湧きやすいよう、細かいポイントを理論的に説明してくれます。丁寧なレッスンが多くの心を掴み、生徒の中には20年以上通っているという人も。今回は、長年に渡り支持されるレッスンの魅力に迫ります。

家庭での料理が楽しくなるポイント満載

斉藤さんのレッスンはデモンストレーション形式で、前菜、メイン、デザートという3品を学びます。取材日のメニューは、前菜に「冷製のコンソメとカリフラワーのクリーム」、メインに「ポークコートのグリル モカクリームソース」、デザートに「グリーンピースのアイスクリームとマカロンの一皿」。どれも材料はバターの代わりに水あめを使うなど、ヘルシーで素材の味を生かしたオリジナルレシピが学べます。レッスンは3品の調理を並行して進めていき、最後に先生が料理をサーブ、生徒は着席して3品をフルポーションで味わうという流れ。3品それぞれの調理に取り掛かる際、まずは「どうしてこの材料を使うのか」「材料が手に入りにくければ身近なもので代用するにはどうしたらいいか」を解説してくれます。また、ポイントとなる工程では、生徒一人一人に調理途中のボウルやお皿を回して状態を確認する場面も。デザートのマカロンなら焼く前の生地に触れて、どれだけ柔らかいかを確かめていました。理論的な説明だけでなく実際に触れて感覚を掴むことが、家でレシピを再現するときに役立つようです。前菜の「冷製のコンソメとカリフラワーのクリーム」では、コンソメの材料であるチキンブイヨンを市販のチキンコンソメで代用する方法や、表面に浮いた油はラップで取ると便利といった豆知識を紹介。さらに、コンソメスープの食材からは一番だけでなく二番までスープを取ることができ、二番を取った後の出柄はキーマカレーやミートソースに利用できるということも教えてくれました。食材を余すことなく家庭でおいしくいただくコツに、生徒たちも興味津々。「家でやってみよう」と、それぞれが熱心にメモを取っていたのが印象的でした。前菜の「冷製のコンソメとカリフラワーのクリーム」は、透き通るコンソメスープがポイント。「コショウは香りを付けるためのもので、コンソメスープには直接入れません。シノワに敷いた布へ砕いた粒コショウを入れ、そこへコンソメスープを濾していきます。こうすると、見た目が透き通り美しく仕上がります」。メインの「ポークコートのグリル モカソース」では、骨付き豚ロースの火の入れ方を解説。肉をオーブンで10分焼き、取り出して7分休ませるという工程を4回繰り返していきます。オーブンの外で休ませている間に、余熱で中まで火が通っていくそう。じっくりと低温で焼き上げられた骨付き豚ロースは、とても柔らかく仕上がります。デザートの「グリーンピースのアイスクリームとマカロンの一皿」では、手に入りやすい冷凍のグリーンピースを使用したアイスクリームと、ミントのマカロンを作ります。「アイスクリームは、グリーンピースの風味が残るように粗目のザルで濾すのがおすすめです」と、使う調理器具についても詳しく教えてくれました。料理が出来上がったら、いただく前に撮影タイムを設けてくれます。斉藤さんはカメラマンとコラボして料理の写真教室も開催しているそうで、料理を美しく撮影するための背景ボードがいくつも用意されています。それぞれの料理が映えるベストな背景ボードを、自然光の入る窓際にセッティングし、しばし撮影タイム。生徒たちは「おいしそう」「素敵」と言いながらスマートフォンを手に、この日のメニューを撮影していました。さらに、料理はもちろんのこと、フランスの文化を発信したいというのも斉藤さんの想い。試食時にはレッスンで作ったメニューに加え、季節のチーズも提供してくれます。取材日は、フランスの農家が夏季限定で製造する放牧チーズ「サレールA.O.P」が登場。チーズの特徴を説明しながらサーブしてくれます。フランスのライフスタイルや、食のトレンドに触れることができるのも魅力的です。

先生はどんな人?

主宰の斉藤さんは、無類のフランス好きが高じてフランス料理研究家に。年に数回は必ずフランスを訪れ、料理やライフスタイルの知識をアップデートしています。その中で、バターやクリームを控えめにするという現在のヘルシーなレシピに行きついたそう。バターの代わりにオリーブオイルや水あめを使ったり、野菜のピュレで味に濃度を付けたりと、編み出されたオリジナルレシピは生徒から人気となっています。また、手に入りにくい材料は代替商品の提案をするなど、レシピを家で再現できるような解説を徹底されているとのこと。生徒から「分かりやすい」と支持されているのも納得です。

生徒の声

  • 「レッスンの中でどうしてこの工程を取るのかということを、質問しなくても理論的に説明してくれるので、とても分かりやすいです。一度レッスンを受けたら楽しくて、一年くらい通っています。他の生徒さんも素敵な方ばかりなので、毎月の楽しみになっています」
  • 「各手順について細かく説明をしてくれるので、家で作るときにどんなところに注意すればいいかイメージしやすいです。実際に家で作るときに斉藤先生の解説を思い出すと、『こうすればいいんだ』と、レッスン内容が繋がるような感覚があります。もちろん習ったレシピを作ると、家族がとても喜んでくれるのもうれしいです」
  • 「習ったレシピを全て再現しなくても、例えばソースだけ作って普段の料理と組み合わせたりしています。そんなふうに一部であっても、斉藤先生から教わったテクニックやポイントを家庭料理に取り入れると、新しい味わいに出合えるので新鮮です」
  • 「本格的なフレンチイタリアンを、身近に手に入る材料でできるということを教えてくれるのが助かります。今日のレシピなら、コンソメスープのチキンブイヨンを市販のチキンコンソメで代用する方法を教えてくれたので、家でも作りやすいです」
  • 「料理の手順を学ぶのはもちろんですが、ここへ来てお料理をいただくのが毎月の楽しみになっています。フランスの文化やライフスタイルを知ることができるのも、素敵だなと思っています」
  • 「先生の人柄が魅力的で、20年以上通っています。オシャレで特別感のあるレシピの数々は、家族の記念日に作るととても喜んでくれます。今日のレッスンでは、コンソメスープを取った後の出柄をキーマカレーにできるというポイントや、スープの表面に浮いた油はラップで取るといいなど、役立つ情報をたくさん知ることができたので、さっそく生かしたいと思います」

撮影/井上美野 取材・文/松尾友喜

教室主宰者紹介
斉藤かすみさん
フランス料理研究家。1987年からフレンチイタリアンの料理教室を主宰し、2007年に神楽坂で「サロン ピルゥファス」を立ち上げる。野菜を多用し、ソースのリエゾンなどに工夫をこらした“体に優しい”レシピが人気。料理コンサルタントとして、プロ向けのビデオや書籍の編集にも携わっている。


SCHOOL INFORMATION
名称:サロン ピルゥファス
エリア:東京都新宿区(神楽坂)
特徴:前菜、メインディッシュ、デザートの3品をデモンストレーション形式で学べる「レギュラークラス」は、理論的な説明が「分かりやすい」と、20年以上通っている生徒も。毎月1回、日曜または火曜の11:00~開催。定員6名。そのほか、「デザートクラス」、「中華クラス」、「神楽坂男の料理教室」といったレッスンや、cookpadとコラボした料理教室も。受講希望はホームページからお問い合わせを。
URL:https://sites.google.com/site/salonpileouface/home


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