
メインの肉料理は、ほろほろになった牛肉と濃厚なスープがたっぷり! このスープでもう1品、野菜スープが作れるのも合理的で、2児の母でもある忙しい北島さんならではの知恵が生きています。
厚手の鍋で3時間半煮込む必要があるので、時間はかかりますが、これにも理由があるそう。「時間短縮のために圧力鍋を使ったんですけど、どうしても肉がパサついてしまうんです。鍋でじっくり煮込んだときのしっとりと柔らかい仕上がりにはかないません。忙しいときにパパッと作る料理ではありませんが、週末時間のあるときに火にかけておけばいいので、実は手間はかかりません。たっぷり作っておけば、次の日はカレーにしたりと、アレンジもききますよ」と、メイン料理を盛り付けたあと、北島さんはパパッとカレールーを溶いて、カレーもふるまってくれました。
料理が完成したら、テーブルセッティングへ。華やかな盛り付け方や食器の組み合わせ方など、生徒さんたちは写真を収めようとしばしの撮影タイムです。
「メニューのたびに食器を買うのも大変なので、基本はお料理が映える白いプレートが基本です。これに、ナプキンやお花、テーブルクロスで印象を変える工夫をしています」と北島さん。
写真右上から時計周りに、「野菜と豆のスープ」、「ワンポット♪トマトソースのパスタ」、「牛肉の白ワイン煮込み」、「アーモンドとケールの美肌サラダ」、「アーモンドのキャラメリゼ」、「パンツァネッタ(パンのサラダ)」。試食した生徒さんからは、「レストランみたい!」、「絶対作りたい!」と喜びの声が上がっていました。
先生はどんな人?
もともと料理は好きだったという北島さん。人を自宅に招いて手料理を振る舞うことも多く、その腕前がママ友や友人の間で評判になり、2014年に自宅で料理教室を開くことになったそうです。
「いつか将来的に、料理教室をやりたいなとは思っていました。自宅を建てたときに、広々としたオープンキッチンにしたのもそのためだったんです。どこかの料理学校に通って、きちんと体系的に料理を学んでからと思っていたんですが、子どもが産まれて忙しくなり、それどころじゃなくなってしまったんです。でもそれが逆に強みになるかも?とも思ったんですね。当時の料理教室は、本格的なイタリアンや手の込んだフレンチが多く、忙しい主婦が家庭でパッと作れるものを教えてくれる教室はなかったように思います。私自身も、おしゃれで手間ヒマがかかるフレンチやイタリアンの教室に通ったことがありましたが、そこで食べて美味しかったなと満足してしまって、家で復習することはありませんでした。だから、私がやるとしたら、家事や育児で忙しいママたちのための教室を開きたいと思ったんです。時短でできて美味しい、カジュアルな料理を教える、主婦目線に立った教室にしようと思い立ちました」
その狙いが見事忙しい女性にヒットし、クチコミでどんどん生徒さんが増えていったそう。常連さんでレッスン枠が早々に埋まってしまうため、現在は新規の生徒さんがなかなか入れないという人気ぶりです。
「生徒さんの多くは常連さんが多いので、同じメニューは一度も出したことがありません。なので、毎回メニュー作りには頭を悩ませています。あっと思ってもらえるような新しい発見があるレシピや、また通いたくなるような工夫を、手を変え品を変え盛り込んでいますが、生徒さんから「家で作りましたよ」とご報告をいただけるととても嬉しいですね。レッスンでは大体8品くらい作りますが、これだけたくさん作っても時間内に作れるというのを見せたいし、食材を使い回しして無駄なく使い切って作れるレシピというのも、家計を預かる主婦としては大切なところです。
最近は、コロナ禍の影響もあって、ご家族の在宅時間が増えている方も多いと思います。お子さんたちの昼ごはんを作るのが負担にならないよう、今日のフライパンひとつで作れるパスタはお役に立てるレシピだと思いますし、外食もままならない今、自宅でレストランのようなコース仕立てのメニューをご家族にふるまうのも、喜ばれるのではないかと思います。いつもこんな感じで、時代の流れや流行り物なども取り入れつつ、自宅で再現したくなるようなレシピを目指しています」