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初めてのイベント開催 成功法

スキルアップ
2018年09月11日
フリーで働いている人にとって、自分の存在や仕事内容を世に知らしめるには、様々な手法があります。中でも昨今では、イベントやワークショップのように、参加者も主催者も楽しんで参加できるスタイルの催事を、PR活動として役立てるのが人気。特に料理やお菓子などの教室を主宰している人にとっては、雑誌やテレビなどのメディアでは伝えることのできない「味わい」や「雰囲気」を、たくさんの人々に伝えることができるので効果的です。初心者でもイベント開催に成功するポイントについて考えてみましょう。  

イベント開催初心者が見落としがちなポイントとは

ふだん、料理教室を主宰している人であれば「イベントなんて、レッスンを別の場所で、ちょっと多めの人数を相手に行うくらいのことでしょう?」と考えることもあるかもしれませんが、イベントと日常の料理教室は似て非なるもの。参加者が初対面の人々だと、見知った生徒達であれば笑って許してくれるような小さなミスもクレームの対象になったりします。自分が表現したいこと、伝えたいことを考えるのがイベント企画を立てる初期段階であるなら、参加を募る前の中期~イベント直前は、徹底的に参加者目線で会の運営をシミュレートしていきましょう。
イベント開催の初心者が見落としがちで、なおかつ参加者からのクレーム対象になりやすいのは、下記のような部分です。

  • 応募に関して) イベントのテーマが分かりにくい、開催場所の情報がないor分かりにくい、駐車場はあるか、開始時間はあるのに終了時間が分からない、年齢制限があるのか、子ども連れの参加はOKか、必須持参物の指示がない、会場で靴を脱ぐのか土足のままでOKか、参加費の支払い方法が難しいor分かりにくい、問い合わせの方法が分からない、など。
  • イベント中) 道に迷って会場に電話したらつながらない、グループで参加したのに席を離された、食材アレルギーがあるのに配慮がない、主催者が話す声が聴こえない、周りがうるさい、内容が難しすぎるor簡単すぎる、渡されたレシピや資料が間違い&誤植だらけ、写真を撮るタイミングがない、試食できる量が少ない、など。
  • イベント後) 勝手に当日の画像を主催者のSNSで公開されていた、忘れ物の問い合わせをしたらたらい回しにされた、内容を考えると参加費が高かった、など。


さらに、主催者の立場でも、会場のオーナーとの連携がうまくいかず必要な調理道具や器が揃っていない、悪天候でドタキャンする人が多数出た、下準備しておいた食材を会場に持参するのを忘れた、時間が延びて予想外の会場延長料金がかかった、調理家電の使い方が難しく立ち往生する参加者が続出、音響設備の調子が悪くBGMなしで進める羽目に、ゴミは持ち帰りがルールと言われ大量の生ごみと共にタクシー利用することに、など、あらゆるトラブルの可能性があります。
こういったことを完璧に未然に防ぐ方法というのは残念ながらありません。しかし、何度もイベントを開催している手練れの料理家であれば、初めての場所には事前に何度か下見に行ってすべての食器や道具を検分しておいたり、一人で出来そうな気配であっても念のために2名ほどアシスタントを手配しておいたりと、何か起こっても逃げられる手をいくつも考えておくのが常套手段。「迷ったら余分に材料を準備する」「迷ったら手間が少ないレシピを選ぶ」など、なるべく無理のないように進めていくことで、リスクヘッジは可能です。

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写真/Getty Images