豚ひき肉のスパイシーハーブ和えサラダ

人気店のシェフに、プロならではの素材や調味料の選び方、食材の組み合わせ、テクニックなどを教えてもらう連載企画。タイ人シェフによる、タイ東北地方の料理を提供することで大人気の「ソムタムダー」。プチプチした米の粉の食感がやみつきになるひき肉のサラダ、「ラープムー」の作り方を聞きました。

レモンの酸味が心地よい旨味たっぷりのサラダ

バンコク、ニューヨーク、ホーチミンに店を持つ、タイ東北のイサーン地方料理を提供する「ソムタムダー」。ニューヨークではミシュランの星も獲得。2017年にオープンしたこちらは、厳選した食材を使い、地元の料理を忠実に再現したスパイシーな味わいに、クセになる人が続出しているとか。

今回、「ソムタムダー」のユットシェフに教えてもらうのは、日本人にも人気の高いサラダ「ラープムー」。ひき肉と混ぜ合わせたプチプチとした米の粉が小気味よく、酸味、旨味、辛味のバランスが絶妙です。

「ソムタムダー」では野菜や肉、魚などは新鮮なものを日本国内で入手しています。パクチーファランはパクチーよりも香りの強い、ギザギザの葉をもつ「ノコギリコリアンダー」とも呼ばれるハーブ。入手するのが難しいようでしたらパクチーで代用してください。豚ひき肉は市販の細挽きのひき肉よりも、粗挽きが好ましいので、ない場合は豚バラ肉を手切りで細かくすると食感がよくなります。

タイ米を炒って、カオクア(炒り米粉)を作ります。日本米でも構いませんが、香りが異なるので、タイ米を使う方が現地感がでます。

米が茶色になるまで弱火で10〜15分ほどじっくり炒めます。店では大量の米を3時間も炒めるのだとか!

タイの石臼クロックヒンやすり鉢で炒り米を潰し、細かくします。フードプロセッサーで細かくする場合は粒の大きさに気をつけてください。

粒が残るぐらいに挽きます。フードプロセッサーだとすぐ粉になってしまうので、ちゃんと粒が残るように調整してください。

鍋を熱し、油を引かずに豚ひき肉を加え、軽く炒めます。

水大さじ1を加えて、豚ひき肉となじませ、炒めます。

豚ひき肉から脂が出てくるので、炒め煮の状態になります。豚ひき肉に火が通ったら、火を止めます。

豚ひき肉のみ取り出します。豚ひき肉から出てきた脂は使用しません。

ナンプラーとレモン汁をボウルに入れ混ぜ合わせます。

豚ひき肉をボウルに加えてよく混ぜ、最初に作ったカオクア(米炒り粉)を加えます。次に、プリックポン(粉唐辛子)を加えて全体をよく混ぜ合わせます。

ホムデン、万能ネギ、パクチー、パクチーファランを加え、軽く混ぜ合わせます。

器に盛り、ミントの葉と揚げた唐辛子を飾ります。唐辛子を揚げるのは香りを出すため。面倒であれば唐辛子はなくても構いません。

ラープムーのお供に、タイの黒餅米を蒸したものを添えていますが、タイ米でも生のキャベツの葉でも構いません。3gのプリックポン(粉唐辛子)は日本人にとってちょっと辛めですが、タイ人の好む辛さは5gほど。お好みで減らしたり、増やしてみてください。

2019年08月19日

レシピ作成
「ソムタムダー」ユットシェフ
調理時間
30分 ※内準備時間20分

材料2人分

豚ひき肉
100g
万能ネギ(小口切り)
10g
パクチー(小口切り)
10g
パクチーファラン(小口切り/なければパクチーで可)
15g
ミントの葉
適量
ホムデン(または紫玉ねぎ/薄切り)
20g
プリックポン(粉唐辛子)
3g
タイ米
15g
揚げ唐辛子(なくても可)
2本
レモン汁
大さじ1
ナンプラー
大匙3/4

手順

  1. 1

    万能ネギ、パクチー、パクチーファランは小口切りに、ホムデンは薄く切る。カオクア(米炒り粉)を作る。フライパンにタイ米を入れ、きつね色になるまで乾煎りする。粗熱を取ったらタイの石臼クロックヒンやすり鉢、フードプロセッサーで粒が残るぐらいの粉状にする。

  2. 2

    小鍋に豚ひき肉と水大さじ1を入れ、中火で炒め煮し、豚肉に火が通ったら火を止める。

  3. 3

    ナンプラー、レモン汁をボウルで混ぜ合わせ、2を加えて混ぜ、プリックポン、1を入れ、味がなじむように混ぜ合わせる。

  4. 4

    3にホムデン、万能ネギ、パクチー、パクチーファランを加え、軽く混ぜる。

  5. 5

    皿に盛り、ミント、揚げ唐辛子を飾る。

撮影/大木慎太郎 取材・文/高山裕美子

「ソムタムダー」ではスパイシーな料理に合わせるのにカクテルも人気。右はパクチーの香りがパンチのある、「パクチーモヒート」(¥850)。左はノンアルコールのローゼルジュース(¥550)。甘酸っぱく、タイの若者にポピュラーなドリンクだ。

シェフ紹介
トライトット・チュティパックティマーポンさん
(ニックネームはユット)
タイのイサーン地方、ノーンカイ出身。20歳でタイ料理の世界に入り、タイ国内の有名店で経験を積んだ後、インドのチェンナイへ。現地のホテル内にあるタイ料理店で6年間にわたり活躍。その後、故郷イサーンの味を世界の人々にもっと知ってもらいたい、との思いから「ソムタムダー」に入社。2019年より東京店のシェフを務める。

SHOP INFORMATION
店名:ソムタムダー
住所:東京都渋谷区代々木1-58-10 松井ビル1F
Tel:03-3379-5379
営業時間:11:30〜15:00、17:00〜23:00
定休日:無休
エリア:東京・代々木
http://somtumdertokyo.com