日本初バインミー専門店の秘伝レシピ

まだまだ続くサンドイッチ人気。なかでも、2018年のトレンドサンドイッチとして注目されているのが、ベトナムのソウルフード「バインミー」。今月は、独特の食感が魅力の本格バインミーの作り方をお伝えします。

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あの人気店がレシピを特別公開! 厚切りポークのバインミー

ここ数年で、専門店が続々登場しているベトナム生まれの「バインミー」。ソフトタイプのフランスパンに、ハムやパテ、なます、パクチーなどを挟んだボリューミーなサンドイッチで、2016年のアメリカ大手旅行ガイド「フォーダーズ・トラベル」の「世界でトライすべきストリートフード20」に選ばれるなど、今やその人気はワールドワイドです。今月は、バインミーブームの火付け役で、日本初のバインミー専門店としてファンのお腹を満たし続ける「バインミー☆サンドイッチ」に、豚肉のバインミーの作り方を教えてもらいました。

レシピを公開してくれたのは、「バインミー☆サンドイッチ」のシーズナルメニューの開発も手掛けるベトナム人シェフのナムさん。現地で観光ガイドとして働きながら、休日は趣味の料理に没頭していたナムさんは、お客さんを案内する地元レストランのシェフに人気メニューのレシピをこっそり教えてもらい、それを再現しながら自分の味を追求していたといいます。4年前の来日をきっかけに高田馬場の1号店に入店し、本格的に料理の道へ。日本で働きながらたびたびベトナムで料理修業を行い、この夏オープンした水道橋の2号店の立ち上げにも参加しました。本格的かつ日本人の口に合う絶妙なレシピがこちら。

そのまま食べてもおいしい具材を手作り


手作りの良さは、食感や味を好みのものにアレンジできること。「なますの大根とにんじんは半量ずつにすると色がきれいですが、にんじんが苦手な人は大根だけにしたり、逆ににんじんが好物なら分量を増やして比率を変えたりしてもおいしいです。太さも細くして食べやすくしたり、太めにして食感を楽しんだり、自由にアレンジしてくださいね」

細千切りにした大根とにんじんは、砂糖をまぶしてよく揉みます。野菜の面がなくなって甘酢が浸透しやすくなり、仕上がりの食感もサクサクに。野菜の水分を絞って出てきた水分とともに捨て、甘酢と合わせて10~15分置いてなじませます。できたなますは、冷蔵庫で1週間程度保存が可能。

豚肉は1~8時間ほど置いて下味をつけます。時間がないときは、漬けダレに入れる前に肉の表面にフォークで穴を開けておきましょう。また8時間以上漬けると肉の風味が損なわれてしまうので要注意。また、焼く際には弱火~中火で火を通すと、ふっくらジューシーに。「同じ漬けダレで牛肉に変えてもおいしいですよ。ベトナムではこうやって調理した肉を、ごはんのおかずとしても食べています」

調味料として使ったシーズニングソースは、「ソープーカオ」とも呼ばれるタイの液体調味料。タイの醤油「シーユーカオ」をベースにした甘みとコクのある万能調味料で、炒め物やスープのダシにも使えます。五香粉は、花椒、クローブ、シナモンなどを混ぜた中国を代表するミックススパイス。どちらも輸入食材店で入手できます。

もっちりやわらか食感のフランスパンに、ジューシーな豚ロース肉、シャキシャキのなます、パクチーを挟んだベトナム流サンドイッチ。さっぱりとしていてほんのりエスニックな風味がクセになります。

2018年10月26日

レシピ作成
「バインミー☆サンドイッチ」ナムさん
調理時間
90分 ※内準備時間60分

材料4人分

ソフトバゲット
4本
豚ロース肉
100g×4枚
マヨネーズ
適量
バター
適量
シーズニングソース
適量
パクチー
適量

なます

大根
100g
にんじん
100g
100g
砂糖
80g
2g

漬けダレ

赤玉ねぎ(みじん切り)
30g
にんにく(みじん切り)
20g
シーズニングソース
50g
ニョクマム
25g
オイスターソース
20g
はちみつ
60g
ごま油
10g
五香味
3g
こしょう
3g

手順

下準備

  1. 1

    肉に下味をつける。ボウルに漬けダレの材料を入れてよく混ぜ、豚肉を加えてからめ、1時間~最長8時間ほど置く。

作り方

  1. 1

    なますを作る。大根とにんじんはそれぞれ皮をむき、包丁やスライサーなどで千切りにする。

  2. 2

    1をボウルに入れて砂糖70gをまぶし、手で全体をよくもむ。野菜の水分が出てきたら手で絞り、水分は捨てる。酢、塩、砂糖10gを加えてよく混ぜ、10~15分ほど置く。

  3. 3

    フライパンに油を入れて火にかけ、弱火~中火で豚肉を焼く。焼き色がついたら裏返し、両面をそれぞれ2~3分ずつ焼く。

  4. 4

    パンは厚みの半分に切れ目を入れて開き、上になる部分の内側にマヨネーズを、下になる部分の内側にバターを塗る。バターを塗った面に食べやすい大きさにカットした3、汁気を切った2、パクチーを順にのせ、シーズニングソースをかけたらパンで挟む。

撮影/井上美野 取材・文/江原裕子

愛用道具
刃物メーカーが総力を結集して開発した「SELECT100 T型ピーラー」(貝印)。切れ味のいい刃を斜めに設置したことで、表面が硬い野菜にもスッと刃が入ってスムーズに皮むきができます。料理のプロたちも愛用するロングセラー。

料理家紹介
グェン・バン・ナムさん

1989年生まれ、ベトナム・ホーチミン出身。現地で旅行ガイドをしているときに訪れたレストランで出合った料理のレシピをシェフから教わり、名店の料理を自宅で再現しながら独自のレシピを確立。2014年に来日し、「バインミー☆サンドイッチ」に入店。ベトナムでの料理修業を経て、マンスリーメニューの開発を担当。現在は、「バインミー☆サンドイッチ 水道橋店」のスタッフとして腕をふるう。

SHOP INFORMATION
「バインミー☆サンドイッチ 水道橋東口店」
高田馬場で人気の「バインミー☆サンドイッチ」の2号店。具材やサイズが選べる看板メニューのバインミーのほか、フォーや生春巻きなどのベトナムフードが楽しめる。イートイン8席。
住所:東京都千代田区神田三崎町1-4-9 1F
URL: https://www.ballontokyo.com/
電話番号: 03-6876-8545
営業時間: 11:00~20:00
定休日: 日・月