スパムとチーズのふんわりチヂミ

人気のシェフに、プロならではの素材や調味料の選び方、食材の組み合わせ、テクニックなどを教えてもらう連載企画。日本の厳選食材を生かした、洗練された韓国料理に定評のある「和韓・石鍋 若狭」の人気メニューは、すぐに作りたくなるおいしさです。

スパムとチーズが入った、ふっくら厚みのあるチヂミ

ここ「和韓・石鍋 若狭」では国産の食材と韓国料理の技術を合わせた、ほかにはない韓国料理を提供しています。たとえば、タッカンマリには出汁のよくでる比内鶏を、参鶏湯には身の柔らかい「みちのく清流若どり」を使用するなど、料理によって使う鶏の品種を変えるというこだわり! 味噌やキムチ類、焼肉のたれもお店で作っており、ひとつひとつ丁寧に作られた洗練された韓国料理のコースが堪能できます。

今回はお店のメニューから吉本宏光シェフに「スパムとチーズのふんわりチヂミ」の作り方を教えてもらいました。「若狭」のオリジナルで、スパムやチーズを使うなどB級感たっぷりですが、実はリピーターの多い隠れ人気メニュー。

この料理の材料は身近なものばかりです。玉ねぎ、ピーマンは太めの千切り、スパムは食べやすく一口サイズに切っておきます。

生地を作ります。小麦粉は薄力粉を使いますが、米粉や全粒粉でもおいしくできます。

片栗粉を入れるのは、チヂミの表面をパリッと香ばしくするため、とろろは中をふわっと仕上げます。出汁入りの味噌を使用していますが、なければ普通の味噌で構いません。粉っぽさがなくなり、粘りがでるまで、ホイッパーなどでしっかりと混ぜ合わせます。

よく熱した鉄のフライパンにごま油をたっぷり注ぎます。油から薄く煙が出てきたら、生地の半分を流し入れます。ごま油が熱くなる前に生地を流し入れてしまうと、生地が油を吸ってしまって、びちゃびちゃになるので、しっかり熱しましょう。

家庭のガスコンロなら中弱火のままで。生地の端に焼き色がついてきたら、最初にミックスチーズをのせます。

そのあとに玉ねぎ、ピーマン、スパムの順に生地に重ねていきます。

すべてをのせたら、残りの生地を流し入れます。

表面が焼けたらひっくり返します。ごま油を足すことで、表面の焦げ色がきれいにつきます。

もう片面も表面が焼けたらひっくり返し、ヘラで空気穴を1〜2箇所、各面に開けます。これは中の火の通りをよくするため。中弱火で加熱しているので、焦げないように何度かひっくり返しながら焼いていきます。

焼いている間にたれを作ります。「若狭」では自家製の焼肉だれを使用していますが、レシピにはそれに近い味わいになる簡略バージョンを教えてもらいました。

市販の焼肉だれを使用しても構いません。チーズを使用しているので、ピザ感覚でタバスコをアクセントとして加えます。

出来上がったチヂミは表面はカリッと中はモチモチ。チーズがトロ〜リ流れ出て、甘めのたれとの相性も抜群。冷めてもおいしいので、ホームパーティでも活躍しそうです。

「若狭」では、この料理を提供するときは丸くできあがったチヂミの両端を織り込んで四角くするのだとか。韓国式にハサミで切って食べるのですが、見た目が普通のチヂミとは違うのが新鮮。キリリと冷えた冷酒と合わせると、その相性の良さに驚きます。

2019年07月22日

レシピ作成
「和韓・石鍋 若狭」 吉本宏光シェフ
調理時間
25分 ※内準備時間10分

材料1人分(直径25cm)

生地

小麦粉
120g
片栗粉
30g
とろろ
90g
だし入り味噌(普通の味噌でも可)
15g
だし(白だし20g、みりん30g、水160g)
180g(作った分量の内)

具材

スパム
60g
ミックスチーズ
60g
玉ねぎ
30g
ピーマン
20g
ごま油(焼き用)
適量

たれ

焼き肉のたれ(しょうゆ50g、水飴40g、酒15g、おろしにんにく4g、三温糖20g。市販品でも可)
50g(作った分量の内)
15g
ごま油
2g
ごま
3g
粉唐辛子
適量
タバスコ
適量

手順

  1. 1

    だしを作る。白だし、みりん、水を鍋に入れ、一度沸騰させて冷ます。

  2. 2

    ピーマン、玉ねぎを太めの千切りに、スパムは食べやすく一口サイズに切る。

  3. 3

    生地の材料に1を180g加えて混ぜる。

  4. 4

    フライパンにごま油を入れ、煙が少し出るくらいまで強火で加熱する。

  5. 5

    中火にして、生地を半分入れ、ミックスチーズ、玉ねぎ、ピーマン、スパムの順に並べ残りの生地をかける。まわりが少し固まってきたら、ひっくり返して中弱火にする。表面に空気穴を開け8分ほどひっくり返しながら焦がさずに焼く。

  6. 6

    焼肉だれを作る。材料を鍋に入れ、一度沸騰させて冷ます。そのほかの材料を加えて混ぜる。唐辛子、タバスコの量はお好みで。

撮影/大木慎太郎 取材・文/高山裕美子

「日本酒は韓国料理にとっても合うんです」とオーナーの若狭岳男さん。若狭さんと吉本シェフも日本酒が大好きで、料理に合う日本各地の日本酒を揃えている。写真は一押しの夏の冷酒。右は三重県鈴鹿の酒蔵、清水清三郎商店の「作 穂乃智」の無濾過原酒、左は新潟の酒蔵、麒麟山酒造の四季酒。各グラス¥1,400。

シェフ紹介
吉本 宏光(ヨシモトヒロミツ)さん
静岡県出身。代官山のモダンコリアンレストラン「李南河」にオープンから14年勤務。2013年6月に新装開店した「和韓・石鍋 若狭」の料理長として活躍。韓国料理の経験は20年以上。

SHOP INFORMATION
店名:和韓・石鍋 若狭
住所:東京都目黒区東山2-3−6
Tel:03-6452-2460
営業時間:17:00〜22:30L.O.
定休日:日曜(月曜祝日の場合は営業)
エリア:東京・中目黒
ディナーコース¥7,500〜
http://wakasa-ishinabe.com/