美食文化が生んだシャルキュトリを学ぶ【Kai House Clubイベントルポ~『FCC』編】

料理教室を主宰する料理家たちが所属する「Kai House Club」。会員になると、料理家にとって役立つ楽しい特典があります。さらに、フード関連のメディアや企業との共同プロジェクトもあり、そのなかのひとつがフードマガジン『ELLEグルメ』(ハースト婦人画報社)とのコラボレートによって運営されているクラブ内組織「エル・グルメ フードクリエイター部(FCC)」。現在約100名の料理教室主宰者たちが活躍する“部活動”で、「Kai House Club」に所属し、なおかつ『ELLEグルメ』でのメディア活動も行う精力的な料理家たちが、セミナーやイベントなど、さまざまな企画に参画し、見聞を広めています。今回は、東京・赤坂の「The ARTISAN TABLE・DEAN & DELUCA」で開催された、ヨーロッパ産食用加工肉食「シャルキュトリセミナー」をレポートします。

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2019年05月20日

どんな料理もリッチな一皿に変える、ヨーロッパが生んだ魔法の食材

プロの料理人はもちろん、料理家や料理教室主宰者など、食を志す人にとって新たな食材との出合いは、最もワクワクする瞬間のひとつではないでしょうか。年々、生産者たちのたゆまぬ努力によってさまざまな農畜産物が誕生し、また流通技術の発達で世界各地のバラエティ豊かな食材が入手できるようになっています。

会員である料理家たちを対象に、食にまつわる実用的なセミナーを定期的に行っている「Kai House Club」では、ヨーロッパ産食肉加工品『シャルキュトリ』に着目。生ハムやベーコン、ソーセージ、サラミ、パテ、テリーヌ、リエットなど、本国のみならず日本でもおなじみとなりつつあるシャルキュトリですが、熟成された旨味を楽しむためにそのまま食すことが多いのも事実。そこで今回は、シャルキュトリを料理の食材と捉え、2018年の『カカオの新たな使い方を学ぶ』セミナーに引き続き東京・赤坂の「The ARTISAN TABLE・DEAN & DELUCA(アーティザンテーブル・ディーン&デルーカ)」を舞台に、エリア統括シェフの秋山直宏さん協力のもと、シャルキュトリの新たな楽しみ方を教えてもらいました。

秋山シェフが腕を振るう「The ARTISAN TABLE・DEAN & DELUCA(アーティザンテーブル・ディーン&デルーカ)」は、食のセレクトショップDEAN & DELUCAが手掛ける一軒家レストラン。“ARTISAN(アーティザン)”とは食の作り手を指し、生産者と料理人という2つのアーティザンがつながる場所として、旬の食材を中心に素材の魅力を最大限に引き出しながら、そのときにしか味わうことのできない上質な料理を提供しています。都会の一等地にありながら青々とした木々に囲まれ、店内にも明るい陽射しがたっぷりと降り注ぎ、マイナスイオンの癒しを感じられる心地良い空間。参加した「Kai House Club」会員で『ELLEグルメ』公認料理家「エル・グルメ フードクリエイター部(以下FCC)」の部員20名は、リラックスした表情を浮かべながらも、真剣なまなざしで講義に聞き入っていました。

当日は、パリから「フランスシャルキュトリ・ケータリング・食肉加工工業連盟(FICT)」のクレール・ジェルデさんが来日し、その歴史から製法、品質規定、各シャルキュトリの特色などをレクチャー。日常的にシャルキュトリを楽しむフランス人としての想いを、作り手の想いと共に語ってくれました。大自然の中でのびのびと育った豚肉を中心とした肉類を、古代からの伝統的製法による加熱調理、塩蔵、乾燥、燻製で丁寧に造り上げたシャルキュトリは、世界のトップシェフから支持される銘品揃い。ひと口に食用加工肉といっても、その土地や風土に合った技法が築き上げられ、テロワールが息づく食材であることに、FCC部員たちも興味津々でした。

基本を学んだ後は、実践編。秋山シェフが、数あるシャルキュトリのなかから「生ハム」「サラミ」「パテドカンパーニュ」を使った料理3品を振る舞いながら、センスあふれる素材の組み合わせや調理法について解説してくれました。

「シャルキュトリというすでに完成された素材をメインにした料理なので、あまり難しいことはせず、シンプルに味わいを楽しんでもらうレシピにしました。その分、食感でメリハリをつけている。たとえば、『そら豆のスプレッドとパテドカンパーニュのタルティーヌ』では、バゲットを焦げ目がつくくらいにカリッと焼き上げる。また、パテはレバーが利いて旨味がしっかりしているので、さまざまな味わいを加えて、お酒が進む味に仕上げました」

存在感の強いシャルキュトリをどのように素材として活かすかは料理家としての腕の見せ所ですが、それらを「旨味のある発酵食品」と捉えて料理に使うとアレンジがしやすいと話す秋山シェフ。パテドカンパーニュと、そら豆・フムスなどの豆類、さらに「クレイジーピー(えんどう豆の幼葉)」といった表情の異なる食材による新鮮な組み合わせのタルティーヌは、パテの旨味を豆の優しいコクで包み込むような滋味深い味わい。食材選びや組み合わせの妙で料理の可能性は広がり、季節感を表現できるといいます。

IGP(保護地理的表示)の認証を受けたフレンチバスクの中心都市・バイヨンヌ産生ハムを使った『生ハムと菜の花のフリッタータ』も、口にしたときの食感を重視。生ハムはオーブンで1時間かけて乾燥させ、ミディトマトもセミドライに、菜の花は茹でずにグリルにしたりと、秋山シェフのきめ細やかな仕事ぶりが際立つ、手の込んだ一品です。

「食材ひとつひとつの水分量を考えて、下ごしらえをしています。確かにひと手間かかりますが、こうすることで味わいが格段に変わるんです」

そして、FCC部員たちからすぐにでも真似したいという声が続出したのが、ポルトガルの米料理『サラミと鹿児島シャポンのアロース』。サラミや鶏もも肉のコンフィ、日向夏などをお米と一緒に炊き込み、さらにサラミを散らして日向夏を搾ったご馳走ごはんで、サラミや鶏の旨味が染み渡るお米に柑橘が爽やかに香り、何杯でもおかわりしたくなるおいしさでした。

試食の時間を通じて、秋山シェフに料理について熱心に質問をしたり、他の参加者との交流を楽しんだりと、貴重なセミナーの場を自分の糧にしようと行動するFCC部員たち。活気あふれるセミナーは、こうして大盛況のうちに幕を閉じました。料理を真摯に、そして生き生きと学ぶFCC部員たちの姿を見たクレールさんたちFICTのスタッフは、シャルキュトリの魅力を立体的に伝えられたことを実感した様子。この日味わったシャルキュトリをさっそく食卓やレッスンに取り入れたいと心に決めた参加者も多く、料理の引き出しがまた増えたFCC部員なのでした。

写真/柳詰有香  取材・文/江原裕子

講師紹介
秋山 直宏(アキヤマ ナオヒロ)さん(左)
「THE ARTISAN TABLE・DEAN & DELUCA」エグゼクティブシェフ。1973年、東京都生まれ。食に携わる両親の影響で、フランス料理の世界へ。19歳でエコールキュリネール国立を卒業し、都内のフレンチレストランを中心に複数の店舗で経験を積む。2012年に「DEAN & DELUCA」に入店。2017年、「THE ARTISAN TABLE DEAN & DELUCA」のオープンに伴い料理長に就任。現在、エリアを統括するシェフとして活躍。

 

クレール・ジェルデさん(右)
FICT(フランスシャルキュトリ・ケータリング・食肉加工工業連盟)の輸出促進担当。FICTに加盟している生産者や企業製品の海外輸出を促進し、間口を広げるための輸出サポート部門のプロジェクトマネージャーとして尽力。日本をはじめとする各国に足を運んでいる。


「FICT(フランスシャルキュトリ・ケータリング・食肉加工工業連盟)」
URL: www.charcuterie-japan.com

「THE ARTISAN TABLE DEAN & DELUCA」
東京都港区赤坂一丁目8番1号 赤坂インターシティAIR 1階
tel. 03-4578-5882
URL: https://www.artisantable.jp/

Information

「Kai House Club(カイハウスクラブ)」

 

正式名称は「Kai House Culinary Artist Club(カイハウス・カリナリーアーティスト・クラブ)」。貝印が運営する“料理家のコンシェルジュ”をコンセプトとしたメンバーズクラブ。さまざまな特典があり、今回ご紹介の「Kai House Club」主催のイベントやセミナーへの参加など、料理家に役立つ情報や経験が満載。入会資格は「現在、定期的に料理教室を主宰していること」。

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