まとめ
今回は、料理家稼業に就く人の「趣味と仕事の境界線」について考えてみました。ベースにあるのが「料理、大好き」という情熱であるだけに、ついつい見失いそうになることも多いのがこの境界線。しかし、一歩上をいく料理家になろうと思ったら、このラインを自分で見極めていくことは、まさに必要不可欠な関門なのです。
時には自分の料理愛が、プロであることを邪魔するようなこともあります。一度納品したレシピにさらに推敲を加えたくなったり、支払われるギャランティーをすべて、不安なあまり試作に費やしてしまったり……。最初のうちはそのようなことがあっても仕方がないし、そんな自分のことを「趣味を逸脱してプロに近づく途中段階にいるのだ」と理解し、むやみに自己嫌悪に陥ったりしないようにしてください。
どんなプロフェッショナルも、最初は初心者で駆け出しの新米だったのです。会社員と異なり、自分の名前を看板に歩いていくしかない、料理家という仕事。目の前の課題を一つ一つ無理しすぎず真面目にこなしていけば、いつしか「料理が趣味」だった時以上に料理という仕事を楽しいと思えるようになります。