ホワイトアスパラのオランデーズソース

料理を職業にしているプロフェッショナルは、どんなところに気を配って日々のレシピを完成させているのでしょう。話題店や人気レストランのシェフに、その秘密を教えてもらう連載。華やかな完成形だけでなく、材料選びや作り方のそこかしこに、プロならではの技が光っています。

プロならではのホワイトアスパラガスのゆで方を学ぶ

プロのシェフたちがその知識や技を惜しげもなく披露してくれる贅沢な連載。東京・日本橋「イレール人形町」のオーナーシェフ、島田哲也さんが教える第2回目の料理は、「ホワイトアスパラガスのオランデーズソース」です。フランスでは春の到来を感じさせる野菜として親しまれるホワイトアスパラガスは、えぐみのない新鮮なうちに調理するのがポイント。プロならではの下処理とゆで方を覚えて、今までとは各段に違うホワイトアスパラガスの風味や食感を体験しましょう。手を掛けて調味したホワイトアスパラガスに合わせるのは、卵黄とバターで作るオランデーズソース。フレンチの定番ソースに春の酸味を加え、ヘルシーなアレンジでご紹介します。なお、ホワイトアスパラガスは産地によっても風味が変わるため、できればフランス産を選ぶのがおすすめです。

シャッキリした食感を残しながら、牛乳でまろやかに仕上げたホワイトアスパラガスは堂々の存在感! オランデーズソースはバターを使っているのに口当たりは軽く、後味もさわやか。ほかの野菜にもぜひ合わせてみてください。
プロならではのホワイトアスパラガスのゆで方を学ぶ。ホワイトアスパラガスは皮に香りがあるため、厚めにむいたら捨てずにゆで汁に加えて香りを移します
ホワイトアスパラガスは皮に香りがあるため、厚めにむいたら捨てずにゆで汁に加えて香りを移します。また、皮をむくときは、裏返したバットなどを台にするとアスパラガスが安定して、むきやすくなります。
プロならではのホワイトアスパラガスのゆで方を学ぶ。ゆで汁に牛乳を加えることで、ホワイトアスパラガスが、より白く仕上がり、味もクリーミーに。
ゆで汁に牛乳を加えることで、ホワイトアスパラガスが、より白く仕上がり、味もクリーミーに。また、沸騰した牛乳が膜を作ってアクを吸ってくれるので、変色した膜部分を取り除けば、簡単にアク引きができます。

フレンチでは定番のオランデーズソースを、春の酸味を加えながら、古典的ではなくヘルシーなアレンジでご紹介。また、プロならではのホワイトアスパラガスのゆで方とそのポイントも指南。

2018年04月16日

レシピ作成
イレール人形町 島田哲也シェフ
調理時間
30分 ※内準備時間0分

材料2人分

ホワイトアスパラガス
6本
バター
250g
卵黄
2個
40g
ディル(刻む)
適量
レモン汁
適量
適量
カイエンペッパー
適量

A

1L
牛乳
200g
15g

手順

  1. 1

    先端を2cm程度残してホワイトアスパラガスの皮を厚めにむく。太いアスパラガスの場合は2回むくこと。

  2. 2

    鍋にAを入れ、ホワイトアスパラガスの皮を加えて火にかける。沸騰したら、ホワイトアスパラガスを入れ、弱火で10~15分程度ゆでる。牛乳の膜ができ、アクを吸って茶色くなった部分はすくい取る。ゆで上がったら火を止めてそのまま冷まし、粗熱がとれたらゆで汁ごと冷蔵庫で保存する。

  3. 3

    オランデーズソース用のブール・クラリフィエ(澄ましバター)を作る。バターを湯せんで溶かし、10分程度放置する。分離したら上澄み部分だけをすくい取り、キッチンペーパーで濾す。できたクラリフィエは冷やさないようにして、長く置く場合は湯せんで温めるとよい。

  4. 4

    ボウルに卵黄、水を加え、湯せんにかける。ボウルを鍋から出したり入れたりして卵にゆっくり火を入れながら、ホイッパーを8の字に動かしてもったりするまで泡立てる。60℃くらいになったら、ダマにならないようにボウル側面をこそげ取るようなイメージでかき混ぜていく。65℃になったら火を止め、湯せんの鍋に少量の水を加えて温度を下げる。

  5. 5

    ホイッパーを絶えず動かしながら3のクラリフィエ150g分を少しずつ加え、乳化させる。クラリフィエをすべて加えたら、ハンドミキサーに変えて低速で仕上げる。ディル、レモン汁、塩、カイエンペッパーを加えたらオランデーズソースの完成。

  6. 6

    2のホワイトアスパラガスを皿に盛り、オランデーズソースをかける。お好みでディル(分量外)をのせる。

愛用道具紹介
使いやすさを追求した「SELECT100 T型ピーラー」(貝印)。刃物メーカーが総力を結集して開発したステンレスピーラーは、切れ味のいい刃を斜めに設置したことで、表面が硬い野菜にもスッと刃が入ってスムーズに皮をむくことができます。手にしっくりなじむフォルムはもちろん、どんなキッチンにも溶け込むシンプルかつ飽きのこないデザインも魅力。

島田哲也(シマダ テツヤ) さん
埼玉県生まれ。東京・人形町のフレンチビストロ『イレール人形町』オーナーシェフ。23歳で渡仏し、数々の星付きレストランで研鑽を重ねる。パリの3つ星「アルページュ」ではシェフのアラン・パッサール氏に師事し、野菜へのこだわり、食材の調理法を学んだのち、帰国。日本の四季折々の素材を活かした身体にやさしい料理が人気で、自身のお店を持ちながら、テレビや雑誌にて家庭で手軽に作れるフレンチを紹介するなど各メディアでも活躍している。

SHOP INFORMATION
店名:イレール 人形町
住所:東京都 中央区 日本橋人形町2-22-2
URL: http://www.irreel.jp/
Tel.: 03-3662-0775
営業時間: 17:30~23:30(22:00 L.O.)、バータイム21:00~
定休日: 日曜、第3月曜
エリア: 人形町・東京都