ラム肉のオーブン焼き

失敗知らずの骨付きラム肉の焼き方を学ぶ

肉料理の聖地とも呼ばれる東京・銀座のフレンチビストロ「マルディ グラ」の和知徹シェフに学ぶ料理。第2回目は、日本の食卓でもすっかりおなじみとなった羊肉の調理法を教えてもらいました。

今回使用するラム肉は、一般的に生後1年未満の仔羊の肉を指し、肉質がやわらかくて独特の臭みも少なく、羊肉になじみがない人でも食べやすいのが特徴です。「フレンチラック」「ラムラック」と呼ばれる骨付き部位は背中部分のロース肉で、骨ごとに1ピースずつ切り離されたものは「ラムチョップ」と呼ばれています。

フライパンとオーブンでやわらかく仕上げる


ラム肉を家庭で調理するときに難しいのが焼き加減。和知さんは「ラム肉は、牛肉と同様、レア気味でも大丈夫。あまり火を通しすぎると固くなるので、中火より少し強めで表面をしっかりと焼き、中がピンク(ロゼ)色になったら火から下ろして、最後は余熱で火を通すようにするといいでしょう」とアドバイス。

そんな和知シェフが教えてくれたのが、フライパンとオーブンを併用する調理法です。脂身、肉、骨ぎわの3面をそれぞれフライパンで焼いてから、オーブンのやわらかい火でゆっくり熱を通して、しっとりと仕上げます。

付け合わせにはミニトマトのオーブン焼きを。風味付けのにんにくとローズマリーと合わせて、ラム肉と一緒に調理します。効率的な調理で洗い物も少なく、ごちそうが作れるのもプロの技。お祝いの日やおもてなしの一品として、覚えておきたいですね。

特別な日のメインディッシュにぴったりのラムラックのグリル。かたまりのまま焼いてうま味を閉じ込め、食べるときに切り分けます。プロならではの塩加減、火入れの方程式を覚えましょう。

2018年07月9日

レシピ作成
「マルディ グラ」和知徹シェフ
調理時間
60分 ※内準備時間0分

材料4人分

ラム肉(骨付きかたまり肉、ラムラック)
約900g
にんにく(皮つき)
4片
ローズマリー 
8枝
ミニトマト
約20個
オリーブオイル
大さじ2
塩・こしょう 
9g

手順

  1. 1

    ラム肉の脂身に細かく格子状に隠し包丁を入れ、全体にまんべんなく塩こしょうをする。

  2. 2

    オーブンに入る大きさの鍋にオリーブオイルをひき、中火にかける。オリーブオイルが香ってきたら、1を脂身を下にして入れる。

  3. 3

    脂身、肉、骨ぎわの3面を、順番に2分ずつ焼く。返すとき以外は肉を触らないこと。

  4. 4

    弱火にし、余分な油をキッチンペーパーなどでふき取る。にんにく、ローズマリー、ミニトマトを肉と鍋のすき間に並べる。

  5. 5

    火を止め、再びラム肉の脂身の面を下して寝かせ、230℃に予熱したオーブンに鍋ごと入れて20分焼く。焼き上がったらオーブンから取り出し、肉汁が落ち着くまで10分ほど寝かせる。

撮影/川上輝明 取材・文/江原裕子

愛用道具
耐食性、耐摩耗性、高靭性、耐久性を兼ね備え、プロユースとしても評価が高い「関孫六15000ST 牛刀210mm」と「同・ペティナイフ150mm」(貝印)。ハンドルは手にフィットする逆三角形で、2種の異なる母材が接合された刃体の芯材には高級ステンレスを使用。するどい切れ味が持続します。肉の小さな筋を取るときはペティナイフが便利です。

シェフ紹介
和知 徹(ワチ トオル) さん
1967年、兵庫県淡路島生まれ。高校卒業後に辻調理師専門学校に入学。翌年、同校のフランス校で研修し、ブルゴーニュの一つ星レストラン「ランパール」で就業。帰国後、「レストランひらまつ」に入社し、在職中にパリ「ヴィヴァロワ」で研修したのち、ひらまつ系列の飯倉片町「アポリネール」の料理長に就任。2001年に独立し、東京・銀座に「マルディ グラ」をオープン。

SHOP INFORMATION
店名:マルディ グラ
住所:東京都 中央区 銀座8-6-19 野田屋ビルB1F
Tel:03-5568-0222
営業時間:18:00~24:00
定休日: 日
エリア: 銀座・新橋