鴨ロースト赤ワインソース

料理教室を主宰する人気料理家の「とっておきの一皿」をご紹介する連載。教室でも生徒さんから大好評だったオリジナルレシピや、自身にとっても思い入れの深い一品をお届けします。毎日の食卓からおもてなしにまで活躍する、季節感やトレンドを感じられる自慢の味をぜひ試してみてください。

ごちそう感が手軽に演出できる、絶品鴨ロースト。

季節ごとのおもてなし料理と洗練されたテーブルコーディネートが得意な高嶋美真子さんが教えてくれるのは、「鴨ロースト 赤ワインソース」。レストランで出てくるような贅沢な一皿は、教室でも大人気のレシピです。

「冬になると嬉しいジビエ。なかでも鴨は手軽に購入できて、焼き方ひとつでとってもジューシーに仕上がります。鴨好きな我が家では、1年中季節に合わせた組み合わせで楽しみますが、クリスマスシーズンには、ちょっとリッチな赤ワインソースを添えてみては?レストラン級の味わいになって、特別な日のディナーにも最適です」

鴨を上手に焼くコツを教えてください。
「冷たいフライパンに鴨を入れ、だんだん熱を加えていくのがポイントです。一気に加熱すると固くなってしまうので、焦らずゆっくり加熱して、皮目の脂をじっくり引き出すことが大切です。鴨から脂が出るので、焼くときに油は必要ありません。フライパンで焼き目をつけてからオーブンに入れて中まで加熱すれば、しっとり仕上げることができますし、初心者でも失敗することがありません。グリルした鴨は使い道が広がるので、ぜひマスターしてください。めんつゆにつけておけば、年越し蕎麦に鴨そばとして美味しくいただけて、忙しい年末年始にも大活躍しますよ」

テーブルを華やかに彩ってくれるレストラン級の一皿は、クリスマスや特別な日のおもてなし料理として覚えておくと、とても喜ばれる贅沢な味わいです。フルボディの赤ワインと一緒に、堪能してください。

2020年12月1日

レシピ作成
高嶋美真子さん
調理時間
60分 ※内準備時間0分

材料2人分

調理時間

60分 *鴨を解凍する時間と、付け合わせを作る時間は除く。

材料

鴨胸肉(冷凍を24時間かけて解凍したもの)
1枚(300g弱)
小さじ1

赤ワインソース

赤ワイン(濃厚なもの、フルボディがよい)
250ml
フォンドボー(市販)
100ml
バルサミコビネガー(赤)
大さじ1
みりん
大さじ1
はちみつ
少々
塩、胡椒
各少々
バター
小さじ2

<マッシュポテト>

じゃがいも
2個
牛乳
適量
バター
20g
塩、胡椒、ナツメグ
各少々

<ごぼうの素揚げ>

ごぼう
適量
揚げ油
適量
少々

<赤キャベツのマリネ>

赤キャベツ
1/4個
オリーブオイル
大さじ1
りんご(いちょう切り)
1/6個分
ドライプルーン(粗みじん切り)
4個分
赤ワイン
大さじ2
バルサミコビネガー(赤)
大さじ2
ブラウンシュガー
大さじ1
少々

<さやいんげんのソテー>

さやいんげん
適量
バター
適量
少々

手順

下準備

  1. 1

    冷凍の鴨は、冷蔵庫(チルド氷温がおすすめ)で24時間かけて解凍しておく。時間がない時は、1時間くらい氷水につけて解凍する。

作り方

  1. 1

    赤ワインソースを作る。鍋に、赤ワイン、フォンドボー、バルサミコビネガーを入れ、中火にかける。半量くらいになりとろみが少しついたら、みりん、はちみつ、塩、胡椒を加えて味を整える。

  2. 2

    鴨の準備をする。鴨肉の脂が多い時は、皮は残したまま、余分な脂を取り除く。皮に、縦に5mm間隔くらいで切り込みを入れ(焼いた時に、脂がよく抜ける。肉まで切ってしまうと、肉汁が出てきてしまうので注意)、皮目に小さじ3/4、身の方に小さじ1/4の塩をすりつけ、15分くらい置く。

  3. 3

    鴨を焼く。水気を拭き取った2の鴨は、皮目を下にしてフライパンにおき、火をつけ弱火〜中火で、じっくりと焼く。脂が出てきたらスプーンで身の方(分厚い方を多めに)にかけながら8分ほど焼き、皮目がしっかり焼けたらひっくり返し、身の方も2分ほどまんべんなく焼く。

  4. 4

    3の鴨は、皮目を上にして網の上に置き、120℃に熱したオーブンで15分焼く(焼き時間は100gあたり5分で計算する)。焼けたら取り出してアルミホイルに包み、肉汁がおさまるまで温かいところで10分ほど保温する。

  5. 5

    赤ワインソースを仕上げる。4の鴨から出てきたドリップを、1のソースに少しずつ加えて混ぜる。全部入れると生臭くなってしまう恐れもあるので、加減しながら加えること。最後にバターを加えてとろみと風味を出す。とろみが足りない時は、水溶き片栗粉(分量外)少々を加えて調節する。

  6. 6

    器に、マッシュポテト(下記1参照)を乗せ、スライスした鴨を乗せて、上にごぼうの素揚げ(下記2参照)を散らし、赤キャベツのマリネ(下記3参照)、さやいんげんのソテー(下記4参照)を添え、周りに5のソースを回しかける。

付け合わせを用意する

  1. 1

    マッシュポテトを作る。じゃがいもは皮をむいて水にさらす。鍋に、かぶるくらいの牛乳とともに入れ、吹きこぼれないよう気をつけながら加熱する。じゃがいもが柔らかくなったら牛乳を容器に取り出し、じゃがいもをマッシュする。バターを入れてよく混ぜ合わせ、好みの柔らかさになるよう容器に取り出した牛乳を加えて調節し、塩、胡椒、ナツメグで味を整える。

  2. 2

    ごぼうの素揚げを作る。ごぼうはよく洗い、スライサーで4cmほどの長さに細くスライスして水にさらし、水気をよく拭き取る。揚げ油を160℃くらいの低温にし、ごぼうをじっくりと揚げ、最後に高温にしてカリッとさせる。網に取り出し、塩を振る。

  3. 3

    赤キャベツのマリネを作る。赤キャベツはせん切りし、オリーブオイルで軽く炒めてしんなりしたら、りんご、ドライプルーン、赤ワイン、バルサミコビネガー、ブラウンシュガーを加え、キャベツがやわらかくなるまで5分ほど煮て、塩で味を整える。

  4. 4

    さやいんげんのソテーを作る。さやいんげんは、筋をとって軽く茹で、バターで炒めて塩をする。

撮影/佐藤朗 スタイリング/綱渕礼子 取材・文/岡井美絹子

PROFILE
高嶋美真子さん

東京都大田区の自宅で料理教室「エルプラセール」を主宰。季節ごとのおもてなし料理とテーブルコーディネートが学べます。料理が得意でおもてなし好きな母親の影響で、自然と料理に興味を持つように。身近な人を対象に料理教室を始めたところ、センスの良さとその美味しさが人気となり、本格的に教室をスタート。レッスンは、デモンストレーション中心で月ごとにフレンチやイタリアンなどテーマを変更。入会金なし、6〜8種類学べて1レッスン6500円。2500円のオンラインレッスン(和食のみ)も開始。初回申し込みは、LINE( ID :@onx7890b で検索)か、メール(salon.elplacer@gmail.com)から。
https://www.el-placer.com