太陽と時間がおいしくしてくれる、干し野菜の炒め物
野菜を主役にした料理で人気の和食店「七草」店主、前沢リカさんが教える野菜料理の第2弾。干し野菜の魅力に目覚める「干しきゅうりと豚肉、バジル炒め」を作りましょう。太陽の光をじっくり浴びた干し野菜は、うまみがギュッと凝縮されて甘みもグーンとアップし、いつもの野菜が別物に感じられるほど。また、干した野菜は保存期間が長くなり、味も入りやすくなるといいこと尽くめ。今回使ったきゅうりは、長めの乱切りにして干すと水分が早く抜け、炒めても歯ごたえよく仕上がり、お肉と一緒に炒めたときに収まりよく盛り付けられます。同じ野菜でも違う切り方にすると味も食感も変わるので、好みやレシピに合った切り方を探ってみましょう。
また、今回のレシピでは甘酒を調味料として使用。飲む点滴といわれる甘酒にも、干し野菜とは違った甘みとうまみがあります。季節やメーカーによって麹の粒の量や大小が異なりますが、一度濾してから使うと粒が消え、仕上がりがきれいになります。
和にエスニックが見え隠れする「干しきゅうりと豚肉、バジル炒め」。一見おなじみの炒め物のようで、ひと口食べるとその上質な風味に感動! ごはんのおかずというよりも、食材をひとつひとつじっくり味わいたい一品料理です。
野菜はざるに並べて日当たりと風通しのいい場所に置き、夏なら2~3時間、秋から春は4~5時間ほど太陽に当てて、きゅうりの水分をゆっくり抜いていきます。干しきゅうりは甘みもうま味もアップし、そのままボリボリと食べ尽くしたくなるおいしさ。
甘酒を、みりんのような役割で調味料として使っているという前沢さん。そのまま料理に使うと麹の粒が残って見た目にも影響するため、計量したら麹の粒を網の上でヘラなどを使ってつぶしながら濾して使うのがおすすめです。