基本の肉じゃが

料理教室を主宰する人気料理家の「とっておきの一皿」をご紹介する連載。教室でも生徒さんから大好評だったオリジナルレシピや、自身にとっても思い入れの深い一品をお届けします。毎日の食卓からおもてなしにまで活躍する、季節感やトレンドを感じられる自慢の味をぜひ試してみてください。

料理の基本が学べる、肉じゃがをマスター!

家庭料理の基本が学べる、初心者向けの料理教室「misa-kitchen」を主宰している岩木みさきさんに教えていただいたのは、日本人なら誰もが食べたことがあるおふくろの味、「肉じゃが」です。

「お教室の料理クラスで、最初にご紹介している定番メニューです。彼のために和食を作りたいという女性もいらっしゃって、なかでも肉じゃがは根強い人気なんです。でも、料理ビギナーの方からすると、“自分で作るとマズくなるから作りたくない”というお声も多いんですね。旨味が足りなかったり、水っぽすぎるからなど、原因はさまざまなんですが、きちんと料理のいろはを理解すれば難しくはありません。そして肉じゃがには、料理の“なぜ?”を説明する要素が詰まっていて、理由を理解できれば料理が上達するので、初心者の方にはぴったりのおかずなんです。野菜の切り方、調味料の加え方、火加減など、押さえておくべき基本的な要素が、効率的に学べます」

どんなことに気をつければよいでしょうか?
「肉に下味をつけることで、臭みが軽減されて風味がアップします。ただ煮るのではなく、油で具材を炒めることでコクが出ます。また落とし蓋をすることで、水が材料にかぶってなくてもちゃんと火が入り、味も染み込みます。初心者向けなので、ハードルを下げるために出汁は市販品のものを使っています。レッスンでは、調味料を入れたばかりの味と、煮込んだ後の味を比べてみて、味の変化を実感してもらうことも大切しています。自己流で作っていらっしゃった方も、ポイントを押さえることで、ぐんと美味しさがアップしますよ」

何度食べても飽きることのない、しみじみ美味しい肉じゃがです。ほっくり煮えたじゃがいも、にんじんのやさしい甘さなど、素材そのものの風味が活きた滋味深い味わいです。

2022年03月8日

レシピ作成
岩木みさきさん
調理時間
20分 ※内準備時間0分

材料4人分

豚こま切れ肉
320g
ごま油
大さじ1/2
酒、濃口醤油
各大さじ1
じゃがいも(男爵)
4個(400g)
玉ねぎ
1個(200g)
にんじん
2/3本(100g)
しらたき
180g
絹さや
8枚

A

和風顆粒だし
小さじ1/2
300ml
きび砂糖
大さじ2
大さじ2

B

濃口醤油
大さじ2と1/2
みりん
大さじ2

手順

作り方

  1. 1

    ボウルに豚肉を入れ、酒と濃口醤油をまぶして下味をつける。

  2. 2

    じゃがいもは皮をむいて芽をとり、4〜6等分にして水に5分ほどさらす。玉ねぎは1cm幅のくし形切り、にんじんは5mm幅の半月切りにする。絹さやは筋をとり、さっと茹でる。しらたきは、熱湯で3分ゆでてざるに上げ、水気をきってざく切りにする。

  3. 3

    鍋に油を熱して、じゃがいも、玉ねぎ、にんじんを入れ、弱火〜中火で5分ほど炒める。

  4. 4

    豚肉を加え、火が通ったらしらたきとAを加え、落とし蓋をして5分煮る。

  5. 5

    Bを加え、蓋をして7〜8分加熱したら火を止め、絹さやを散らす。

撮影/佐藤朗 スタイリング/綱渕礼子 取材・文/岡井美絹子

PROFILE
岩木みさきさん

実践型料理教室「misa-kitchen」主宰。レッスン中は、どんなに時間がかかっても、生徒さん自らで作業に取り組んでもらうことを大切に考えています。「自分で作れた!」という成功体験が、料理への気持ちを前向きにし、食べることの楽しさに繋がるからです。また、調味料の味見も行い、好みを見つけられるようにサポート。初心者の方も、レッスンのたびに料理の腕が上がると評判です。料理クラスのほか、パンやお菓子のクラスもあります。レッスンは6回コースと単発クラスあり。入会金なし。料理クラス6回42000円、単発クラス4品6000円など。

HP:https://www.misa-kitchen.jp