ギョハン(魚飯)

料理教室を主宰する人気料理家の「とっておきの一皿」をご紹介する連載。教室でも生徒さんから大好評だったオリジナルレシピや、自身にとっても思い入れの深い一品をお届けします。毎日の食卓からおもてなしにまで活躍する、季節感やトレンドを感じられる自慢の味をぜひ試してみてください。

魚の骨からとった出汁がほっとする味わいの家庭料理。

子供向けの料理教室「こびとの台所」を主宰するうえだのりこさんが教えてくれたのは、思い出の味「ギョハン(魚飯)」。魚の骨からとった出汁で魚の身や野菜を一緒に煮た汁物で、うえださんにとっては懐かしの味わいなんだそう。

「生まれは愛媛県の八幡浜市というところで、海の幸にも山の幸にも恵まれた立地でした。魚は市場で買ったり、おすそ分けでいただいたりと肉より魚が中心の食卓でした。我が家では、夏は冷汁、冬はギョハンというくらい、定番の味。自宅以外では食べたことがなかったから、郷土料理というわけではなく、我が家の味ですね。詳しい由来はわかりませんが、冷蔵庫が普及していなかった時代に食べきれない魚を、あれこれ料理して食べていたときの名残だと思います」

美味しく作るポイントはありますか?
「口当たりがよくなるように、魚の身には骨が残らないよう、丁寧に取ることくらいでしょうか。魚を丸ごと焼いて、身をはずし、取り除いた骨と頭を昆布出汁で煮出したしょうゆ味の魚の澄まし汁、という簡単な家庭の味で、おもてなしの料理ではありませんが、しみじみした味わいです。魚の骨からとった出汁がやさしい味わいで、そのままおかずとして食べることもあれば、ぶっかけ飯にして食べることもあります。魚は白身魚なら何でも相性がよく、天ぷらや練り物のじゃこ天(地魚のすり身を揚げた愛媛の名産品)を加えても美味しいです。野菜もほうれん草やきくらげなどお好みで入れてかまいませんが、ごぼうからはいい味が出るのでぜひ入れてほしいですね」

魚を丸ごと買ったらぜひ試してほしい、滋味深い味わいの魚の汁物です。栄養バランスもよく、寒い季節には体の芯からぽかぽかと温まります。

2021年01月5日

レシピ作成
うえだのりこさん
調理時間
60分 ※内準備時間30分

材料4人分

カマス(ほうぼう、鯛などの白身の魚で代用可)
1匹
ごぼう
1本
里芋
2個
春菊
1/2束
細ねぎ(小口切り)
5本
豆腐(あれば木綿豆腐)
1/2丁
500mℓ
昆布
10cm角1枚
大さじ2
しょうゆ
大さじ2
みりん
大さじ1/2

手順

下準備

  1. 1

    昆布水を作る。水に昆布を入れて20〜30分おく。

作り方

  1. 1

    カマスは内臓を取って魚焼きグリルで焼き、身と骨を分ける。

  2. 2

    鍋に、1の骨と昆布水、酒を入れて中火にかける。沸騰して2〜3分経ったらアクを取り、ざるで濾して出汁をとる。

  3. 3

    ごぼうは皮をこそげてささがきにする。里芋は皮をむき、5mm厚さに切る。春菊は3cm長さに切る。

  4. 4

    2の出汁と3のごぼうと里芋を鍋に入れて火にかけ、中まで火が通ったら、1の魚の身、細ねぎを入れる。ひと煮立ちしたら豆腐を手で崩しながら加える。

  5. 5

    しょうゆとみりんを入れ、春菊を加えてひと煮する。

撮影/佐藤朗 スタイリング/綱渕礼子 取材・文/岡井美絹子

PROFILE
うえだのりこさん

東京都世田谷区で、子供向けの料理教室「こびとの台所」を主宰。3歳から中学生までの子供が一人で参加できるクラスや親子で学べるクラスなどを開講し、素材の観察、味見の大切さ、包丁の使い方など基本的なところを実習形式で学べます。著書『こびとの台所 子どもがつくるうちのごはん』(星の環会)が好評発売中。入会金なし、単発レッスンの受講も可能。こびとの台所クラスは1回3500円など。オンラインレッスンも開始。1回3500円。申し込みは、kobitonodaidokoro@gmail.comから。

https://kobitonodaidoko.wordpress.com