料理のプロフェッショナルにレシピの極意を教わる連載。料理教室を主宰する「料理の先生」による、リクエスト率ナンバーワンの人気レシピを紹介します。おいしさはもちろん、生徒たちに愛される理由が満載のメニューに隠れた秘密を探ります。
元気を養う日本のごはん
数ある料理教室のレッスンの中でも、不動の人気を誇る家庭料理。今回レシピを紹介してくれる料理家の矢島亜希子さんも、家庭料理とおもてなし料理を中心とした料理教室「A’s Kitchen+++」を主宰し、県外からも生徒が通う人気教室のひとつになっています。
料理の基本を身につけたい、レパートリーを増やしたい、いつものメニューをランクアップさせたいなど、家庭料理を習う理由は人それぞれですが、矢島さんの料理教室では、誰にでも愛される“ほめられレシピ”を学ぶことができるのが特長。親しみやすいのに料理上手と思わせる、センスのいい料理が得意で、料理で周りの人を幸せにしたいと思う女性たちが集まっています。
そんな矢島さんが教えてくれた、教室で人気の料理が「空豆と新生姜とセロリのかき揚げ」。日本の食卓ではおなじみのかき揚げを、季節の食材同士の意外な組み合わせで、上品かつ奥行きある味わいに仕上げた一品です。
「そら豆のほっくりした口当たり、新しょうがとセロリの風味豊かな香り、それをまとめるかき揚げのカリッとした食感。おいしさを引き立て合う食材の組み合わせが斬新で、後を引く味わいだと好評でした。このレシピをきっかけにかき揚げ作りにはまり、ご自身でいろいろな食材を組み合わせて、楽しまれるようになったという声もよく聞きましたね」
このレシピが生徒から支持されたもうひとつの理由が、かき揚げを失敗なくプロの味に仕上げるテクニック。かき揚げがおいしいことは知っているけれど、お店のように上手に揚げるのが難しくて気が進まなかったり、作るのが面倒だったりという生徒の苦手意識を払しょくさせたそのコツとは?
「まずは、母から受け継いだ黄金比で作る衣。多くの家庭に常備されている粉を混ぜて使えば、天ぷら粉がなくてもサクふわな衣になり、思い立ったらすぐに作れます。もうひとつのポイントが、揚げるときにオーブンペーパーを使うこと。これでバラバラになりがちなかき揚げを、形よくきれいに揚げることができます。想像していたよりも手軽に作れると、レッスン後は食卓にかき揚げの登場回数が増え、揚げたてのおいしさを満喫されているという生徒さんのお話を聞くたび、私もうれしくなる幸せなレシピです」