和風ミネストローネ

料理教室を主宰する人気料理家の「とっておきの一皿」をご紹介する連載。教室でも生徒さんから大好評だったオリジナルレシピや、自身にとっても思い入れの深い一品をお届けします。毎日の食卓からおもてなしにまで活躍する、季節感やトレンドを感じられる自慢の味をぜひ試してみてください。

煮干し出汁で作る、新感覚の和風ミネストローネ

女性のための食育教室「いちゆり食育教室」を主宰する市川ゆりさんに、体が芯から温まる、寒い季節にうれしい「和風ミネストローネ」を教えてもらいました。

「お教室では和出汁レッスンの時にご紹介しました。生徒さんから“煮干し出汁で作ったとは思えない”と人気だった、具だくさんのスープです。庶民的なイメージの煮干し出汁ですが、鰹節や昆布でとる出汁とはまた違って、単体でもしっかり味が出て、力強い旨味や香りが魅力的。そのため、トマトなど風味の強い味にも合うんです。しかもリーズナブルな食材ばかりなので、日常使いにも最適。レシピでは煮干しの出汁がらは取り出していますが、そのまま具としていただいても大丈夫。タンパク質やビタミンも摂れるのでいいですよ」

煮干し出汁に使う煮干しは、どんなものがおすすめですか?

「背の部分がシルバーのような、白口煮干しにこだわっています。臭みがなく、甘くてまろやかな風味の出汁がとれます。もしない場合は、青口煮干しでもかまいません。その場合は、頭と内臓をとってから、同じようにして出汁をとれば問題ありません。和風ミネストローネは、たっぷり野菜が食べられるのも嬉しいポイント。お好みの野菜でアレンジしていただけますが、旨味が出るえのきだけと、味に深みが出る玉ねぎはマストで入れていただきたいです」

見た目はおなじみのミネストローネですが、一口飲むとどこか懐かしさを感じさせる和風のミネストローネ。深いコクのある煮干し出汁とトマトが意外にも相性がよく、白ごはんのお供にぴったりの味わいです。

2022年01月6日

レシピ作成
市川ゆりさん
調理時間
30分 ※内準備時間0分

材料4人分

白口煮干し
12〜14尾
850ml
にんじん、大根、じゃがいも、玉ねぎ
各100g
しめじ、えのきだけ
各100g
にんにく
大1/2個
オリーブオイル
大さじ2
トマト缶(ホール)
250g
みりん
小さじ2
小さじ1/2
(好みで)粉チーズ
大さじ1
(好みで)パセリ
少々

手順

下準備

  1. 1

    煮干し出汁をとる。鍋に水と煮干し(頭も内臓もそのままでよい)を入れ、中火にかける。煮立ったら、アクをとって弱火で5分煮る。こし器でこす。

作り方

  1. 1

    にんじん、大根、じゃがいも、玉ねぎは皮をむき、それぞれ1cmの角切りにする。しめじとえのきだけは、1cm長さに切る。にんにくはみじん切りにする。

  2. 2

    鍋にオリーブオイルとにんにくを入れ、弱火で5分ほど、焦げないように炒める。きのこ類と塩を入れ、しんなりするまで弱火でじっくり炒める。

  3. 3

    野菜類を加え、中火でさっと炒める。トマト缶を加え、木べらででつぶしながら炒める。みりんを加え、さっと炒める。

  4. 4

    煮干しだし800mlを加え、沸騰したらアクをとる。野菜が柔らかくなるまで火にかけ、味が薄い場合は塩適量(分量外)で味を整える。火を止め、10分ほど味をなじませたら完成。

  5. 5

    器に盛り、好みで粉チーズ、パセリをトッピングする。

撮影/佐藤朗 スタイリング/綱渕礼子 取材・文/岡井美絹子

PROFILE

市川ゆりさん

料理家。「いちゆり食育教室」主宰。“本物のヘルシー”を伝えることをモットーに、季節の野菜そのものの味わいや、栄養を逃さず調理することを大切にした家庭料理を教えてくれます。味噌汁クリエーターとして、無添加でおいしい味噌汁の作り方や、味噌汁のレシピも開発。入会金なし。単発レッスンOK。対面レッスンは、4品で5000〜6000円前後、オンラインレッスンは、3000〜4000円。
HP:https://www.ichiyuri-syokuiku.com
インスタグラム:ichigohan0203