おつまみにもおかずにもなる万能レシピ
新感覚フレンチをカジュアルに楽しめる東京・神楽坂の人気のビストロ「BOLT(ボルト)」のオーナーシェフ、仲田高広さんに教わるモダンおつまみ。最終回は、「ごぼうと鶏のから揚げの温きんぴら ハーブサラダ添え」を学びます。
こちらもお店の人気メニューの再現レシピで、牛や豚、子羊などの肉を炒め煮にしたフランス料理の「フリカッセ」をアレンジしたもの。フランスの伝統を守りながらも、よりおいしさを引き出すために和の技法も取り入れる、仲田シェフならではのアイデア料理です。
「今回フレンチを参考に調味した『ごぼう』は万能です。お店では、ロニョン(子牛の腎臓)を合わせていますが、豚とも牛とも相性がいい。細かく刻んで炊き込みごはんに入れるのもおすすめですし、リゾットにしてもおいしいですよ」
ごぼうは、素材そのままの太さを活かして斜め切り。時間をかけて炒め煮にすることで適度にやわらかくなり、ちょうどよい歯ごたえが生まれます。ちょっぴりお酢の効いた甘じょっぱい味わいは、老若男女に好まれる、まさに万能レシピ。おつまみはもちろん、ごはんのおかずにも活躍してくれるでしょう。
また、「ごぼうと鶏のからあげの温きんぴら」だけでも十分おいしいですが、「ハーブサラダ」と合わせるとひと味もふた味も違うので、お時間がある限りはぜひ一緒に作ってみてください。
気づきがいっぱいの調理テクニック
ゆでたごぼうを炒め煮にしていきます。「最初に砂糖でキャラメリゼすると、下味がつきやすくなります」と仲田シェフ。その後、赤ワインでフランベするなどして、完璧な食感と味わいに仕上げていきます。
下味に使うラスエル・ハヌートは、チュニジアのミックススパイス。コリアンダー、キャラウェイ、クローブ、ローズバッド、シナモン、こしょう、ガーリックの7種類のスパイスを調合した複雑な風味が特徴です。他の調味料と合わせて中までしっかり味が浸透するように、よく揉み込みましょう。
最後に、調味したあと一晩置いて味をしみ込ませたごぼうと、ザクッとジューシーなから揚げを、フランパンの中で混ぜ合わせます。ごぼうのタレをから揚げの衣に吸わせるように、絡めていきましょう。
おすすめのペアリングは?
赤ワインを使って作った「ごぼうと鶏のから揚げの温きんぴら」には、あえてどっしりとした赤ワインではなくオレンジワインを。「ごぼうのえぐみを、赤ワインの作り方をした白ワイン、つまりオレンジワインの渋みや酸が受け止めてくれます。また、この料理にはから揚げが入っていますが、ワインの製造工程でブドウと一緒に漬けた種や皮を搾った風味が、揚げ物とよく合います。ごぼうの汁を吸って少ししっとりとしたから揚げの食感や、ハーブサラダの爽やかさとの相性など、総合的に考えてオレンジワインがベストですね」