白子ソテー 春菊ソース

人気店のシェフに2つのレシピを教えてもらう連載企画。旬の食材を使ったレシピと、プロの技のレシピをご紹介していきます。11月は、神楽坂にある中華『ENGINE(エンジン)』の料理人・松下和昌さん。今回は、旬の食材を使ったレシピ「タラの白子ソテー 春菊ソース」を教えていただきました。

冬に旬を迎える白子と春菊を使ったメニューは、お店のコース料理でも人気の逸品です。
「白子と春菊は相性がいい組み合わせですが、中華らしくも新鮮な味でアプローチができればと思って作ったのがこの料理です。カリカリに焼き上げた白子が美味しさのポイントなので、下ごしらえは丁寧に行ってください。香ばしく仕上げるためには、フライパンに入れたら動かさないことがコツです」

春菊ソースの隠し味となるのが、豆腐に麹をつけて塩水で発酵させた“腐乳”。
「中華でよく使う材料で、うちではミキサーにかけてペースト状にしています。チャーハンの卵に混ぜたり、茶碗蒸しに入れたり、おかゆに加えてもおいしいですよ。輸入食品店のカルディで売っているものを使っています」

白子は筋を取り除き、一口大に切る。「舌触りをよくするためにも欠かせないプロセスです」

白子はボウルに入れ、紹興酒を入れて手で全体を混ぜる。「身をつぶさないようにやさしく混ぜながら、紹興酒で白子の臭みをとります」

白子は沸騰した湯に入れると溶けてしまうので、80℃程度の湯でゆっくり茹でる。

茹でた白子の水気をよく拭き取り、薄力粉をつけて余分な粉は落とす。

白子の表面をカリッと香ばしく焼き上げる。動かさず、弱火で焼き色がつくまでじっくり加熱するのがポイント。

表面はカリッと、中はとろりとクリーミーな白子のソテーに、まったり濃厚な春菊のソースが美味。アクセントに加えた腐乳が奥行きのある味を演出してくれます。

2020年11月10日

レシピ作成
松下和昌さん
調理時間
20分 ※内準備時間0分

材料1人分

タラの白子
100g
春菊
1/3束
紹興酒(または酒)
適量
薄力粉
適量
大さじ4
鶏ガラスープ
100ml
大さじ1
腐乳(ペーストにしたもの)
大さじ1
水溶き片栗粉
適量

手順

  1. 1

    白子は筋を取り除き、一口大に切る。ボウルに入れ、紹興酒を入れて手でやさしく混ぜながら洗う。鍋に80℃の湯を用意し、白子を加えてごく弱火にし、10分ほど茹でる。

  2. 2

    茹でた1を氷水にとって冷やし、ペーパータオルで水気を拭き取る。薄力粉をつけて余分な粉は落とす。

  3. 3

    フライパンに油大さじ3を熱し、2を入れて弱火でソテーする。両面に焼き目をつける。

  4. 4

    春菊は洗って5cm長さに切る。別のフライパンに油大さじ1を熱し、強火で炒める。全体に油がまわったら、ガラスープ、酒、腐乳を加えて一煮立ちさせ、水溶き片栗粉を加えてとろみをつける。

  5. 5

    4を器に敷き、2を盛りつける。

撮影/田尻陽子 取材・文/岡井美絹子

松下和昌さん
1978年、大分県生まれ。高校時代に「小さな飲食店をやりたい」と将来をイメージし、調理師専門学校へ。卒業後は数々の有名店で修行し、独自のセンスと技術を磨く。赤坂の中華の名店「うずまき」の立ち上げ時には、30歳の若さで料理長に抜擢。約7年間厨房に立ち続けた後、2015年2月に独立し、「ENGINE」をオープン。店名は、人と人との“縁”を大切にしながら、人類の進化の過程である“猿人”のように料理も進化し続けたいとの思いを込めて名付けられた。

 

SHOP INFORMATION
店名:ENGINE(エンジン)
住所:東京都新宿区神楽坂5-43-2 roji神楽坂1F
Tel:03-6265-0336
営業時間:11:30〜13:30LO、18:00〜22:00LO(火、木は夜のみ)
定休日:日、祝、第3月