料理教室を主宰する人気料理家の「とっておきの一皿」をご紹介する連載。教室でも生徒さんから大好評だったオリジナルレシピや、自身にとっても思い入れの深い一品をお届けします。毎日の食卓からおもてなしにまで活躍する、季節感やトレンドを感じられる自慢の味をぜひ試してみてください。
旨味たっぷりの肉汁がジュワッと広がる、本場仕込みの焼売
子どもから大人まで大人気の「焼売」を教えてくれるのは、中華料理教室「Sakie’s Kitchen」を主宰する鬼丸さきえさん。ご主人の香港駐在をきっかけに中華料理を学び、現地で料理教室を運営していた鬼丸さんのレシピは、本格的な味を家庭でも再現できるように工夫がされています。
「11月というと、椎茸が旬を迎える時期。身が厚い、“どんこ”と呼ばれる椎茸がおすすめです。焼売には、香港では干し椎茸を使うことが多いのですが、せっかくの旬なので、美味しくて風味もいい、生椎茸を使いました。たねには、エビの割合が多いので、肉のジューシーさとエビのプリプリ感、両方味わえます。我が家ですと、倍量作ってもすぐになくなってしまう人気メニューです」
美味しく作るコツを教えてください。
「焼売など、肉と野菜を混ぜる料理は、肉だけ先に調味料を加えて、しっかり粘りが出るまで混ぜ合わせることが重要です。塩とタンパク質が結着することで、粘りが出てひとつにまとまり、旨味も閉じ込められます。そのあとで野菜を加えると、野菜から余分な水分が出てくることもなく、肉と野菜がバラバラになることがありません。焼売には、香港人も大好きなスープを付け合わせにどうぞ。冬は大根やにんじんなど、根菜を使ったスープと一緒にいただくと体も温まります。焼売は点心のなかでも気軽に作れるので、ぜひトライしてみてくださいね」
材料24個分
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豚ひき肉
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150g
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むきエビ
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300g
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生椎茸
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8個
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長ネギ
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1/4本
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焼売の皮
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24枚
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(好みで)辛子、醤油
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各適量
B
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片栗粉
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大さじ1
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酒
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大さじ1
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塩
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小さじ1/4
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砂糖
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小さじ1
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オイスターソース
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大さじ1
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しょうがの絞り汁
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小さじ1/2
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醤油
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小さじ2
手順
作り方
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1
むきエビは背ワタがあれば取り除き、Aをもみこんでから流水で洗い、しっかりと水気をふく。トッピングに12尾とっておき、残りは包丁の腹でつぶし、軽く叩いて粗めのペーストにしておく。
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2
椎茸は石づきをとり、3個はトッピング用に4等分に切り、残りはみじん切りにする。長ネギはみじん切りにする。
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3
ボウルに豚ひき肉とB、ペーストにしたむきエビを入れ、粘り気が出るまで混ぜたら、みじん切りにした生椎茸と長ネギを加えてさらに混ぜる。
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4
③を24等分にし、焼売の皮で包む。半分はむきエビを、残りは椎茸をトッピングする。蒸し器の底にクッキングペーパーなどを敷き、並べる。
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5
蒸し器の湯を沸かし、蒸気が上がったら④を入れ、強めの中火で約7〜8分蒸す。器に盛り、好みで辛子醤油を添える。
撮影/佐藤朗 スタイリング/綱渕礼子 取材・文/岡井美絹子
PROFILE
鬼丸さきえさん
料理研究家。中華料理教室「Sakie’s Kitchen」主宰。栄養士、フードコーディネーター、
食育アドバイザーの資格を持つ二児の母でもあります。夫の香港駐在をきっかけに、中華料理を学び、現地で日本人向けの中華料理教室を開催。“難しすぎないけど本場の味を再現できる、家庭で簡単に作れるレシピ”がモットーです。入会金なし。単発レッスン可能。主菜や副菜、デザートなど4品3500〜4000円。中国茶付き。レッスンはブログから申し込み。
ブログ:https://ameblo.jp/onigirisakie/