時間にゆとりのある週末などに買い物と調理を済ませ、作り置きする「常備菜」。時間や食材を有効活用できる常備菜の作り方と、毎日食べても飽きないアレンジの方法を、身近な食材を使った家庭料理が得意な料理家の飛田和緒さんに教えてもらいました。
秋はもちろん一年中楽しみたいきのこ
雑誌やテレビなどで定期的に特集が組まれ、書店の料理本コーナーにもたくさんのレシピ本が並ぶ作り置き。毎日の食事作りは大変だけど、手作りのものを食べたい・食べさせたいという忙しくて健康志向の現代人のニーズにマッチした作り置きは、一時的なブームではなく私たちの食生活にすっかり定着しました。
そんな作り置きブームの火付け役になったのが、2014年に「料理レシピ本大賞」の料理部門初代大賞に輝いた料理家、飛田和緒さんの『常備菜』(主婦と生活社)です。日本には昔からある作り置きおかず「常備菜」ですが、飛田さんの作る常備菜は、材料と調味料が手に入れやすくてシンプル、手順も難しくなく、毎日食べたくなるやさしい味付けなのが特長。どのレシピもごはんが進み、アレンジの幅が広いといいこと尽くめで、毎日の食事作りに悩む人の救世主になっています。
そんな飛田さんに教えていただいたのが、特製「きのこペースト」。きのこは秋が旬のイメージがありますが、飛田さんがお付き合いのあるきのこ農家によると、生産技術が発達した現代では、きのこのおいしさは年間を通じて変わらないそうです。今回使うきのこもスーパーなどで通年手軽に購入できるものばかりなので、ぜひ季節を問わず好きなだけ作って楽しんでください。
刻んで炒めるだけの2ステップレシピ
工程でもっとも重要な作業が、食材を「切る」こと。包丁を使ってきのこをできるだけ細かく切ることで、なめらかな口当たりのペーストに。なお、フードプロセッサーを使うと風味も食感も変わってしまうため、少々手間がかかっても手で切るのがおすすめです。また、きのこはたっぷりあるように見えても炒めると嵩が減るため、がんばってたくさん刻みましょう。
食材を切ったらあとは炒めるだけ。みじん切りにしたにんにくをオリーブオイルと合せてフライパンで熱し、香りを出してからきのこを入れて炒めていきます。「もしもにんにくをみじん切りにするのが大変なら、潰したりすりおろしたりしてもOKです。すりおろしの場合は焦げてしまうので、後から入れましょう」
途中で塩、アンチョビ、しょうゆで味付けをしながら、ねっとりしてペースト状になるまで炒めたら完成です。「お好みでケイパーやオリーブ、香草を入れてもおいしいですよ。日持ちは冷蔵庫で1週間程度です」
きのこペーストの活用法
できたきのこペーストは、アイデア次第で和にも洋にも展開できます。この日は、水切りヨーグルトやハーブと一緒にバゲットにのせて、手軽においしく楽しめるアイデアをご紹介いただきました。その他の飛田さん流・きのこペーストの楽しみ方はこちら!
●サンドイッチ・ピザトーストの具材に。 ●パスタの具材に。 ●炊き込みご飯に。 ●肉や魚、野菜ソテーのソースに。 ●だしでのばしてスープに。 ●じゃがいもや長芋などと合せて野菜グラタンに。
和にも洋にもアレンジでき、汁物にも活用できるきのこペースト。時間があるときに作って冷蔵庫に入れておけば、ご飯のおかずはもちろんお弁当作りにも必ず役に立つ一品になるでしょう。