萌え断の極み!「フルーツサンド」

2019年03月20日

メディアやSNSで目にする話題の料理のレシピを、その第一人者に教わるスペシャル連載。最終回は、老若男女に愛され続ける「フルーツサンド」が登場!

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人気パーラー直伝! 見目麗しいフルーツサンド作りを学ぶ

食パンと食パンの間に顔を覗かせるのは、甘酸っぱいフルーツとリッチな生クリーム。日本発祥のレトロなサンドイッチ「フルーツサンド」が、ここ数年にわたって注目を浴びています(ちなみに、いつ、どこで生まれたかは諸説あり)。萌え断ブームもあいまって、人気のフルーツサンドを提供するフルーツパーラーやレストランには、女性を中心に連日ファンが押し寄せています。

でも、食べたいときにいつでも足を運べる人はほんの一握り。ならば、おいしいフルーツサンドを自分でも作れるようになりたい。それも名店の味を…!という贅沢なお願いを快く引き受け、レシピを公開してくれたのは、東京・赤坂と梅ヶ丘に2店舗を構える「ホットケーキパーラー Fru-Full(フルフル)」。東京・神田の老舗フルーツパーラーで20年以上働いていた2人の職人がはじめたお店で、その味を継承し、昔からの常連や新しくファンになった女子、甘党の男性など、老若男女に愛されています。今回は梅ヶ丘店店長の其田秀一さんが、自慢のフルーツサンドの作り方を教えてくれました。

要所要所でポイントを押さえて、プロの味に!


シンプルなレシピだけに、素材選びが肝心。フルーツはなるべく質のいいものを選びましょう。「甘味が詰まっていることは大切ですが、熟しすぎてやわらかいものはフルーツサンドには向きません。たとえばバナナなら、斑点が出る直前くらいのものが甘さと硬さがちょうどいいです」。また食パンは、スーパーなどで手軽に買える種類がベストとか。「流行りのバターやミルクの含有量が多いタイプの食パンは、フルーツの味とケンカしてしまう。また、もちもちしすぎない普通の食パンの方が歯切れがよく、フルーツサンドにはおすすめです」

何度も試作を重ね、美しい切り口にするために考案された並べ方がこちら。また、使用する4つのフルーツも、さまざまなフルーツサンドを作り続けた経験によって生み出した黄金の組み合わせ。お店でもこの組み合わせは変えていないそうです。「パパイヤのオレンジといちごの赤が利いていますね。パパイヤはハワイ産、キウイはニュージーランド産と国産の旬のもの、バナナはエクアドル産、いちごは国産のそのときの旬の品種を使っています」

フルーツと共に主役級の働きをする生クリーム。フルフル流は甘さ控えめのものをふんだんに絞ります。「クリームには生乳から作られる動物性の生クリームと、植物性脂肪を使ったホイップクリームがあります。動物性の生クリームは乳脂肪の味と香りがよく、植物性のホイップクリームはふわっと軽くてあっさりした味わい。お店では、乳脂肪分47%のコクのある純正生クリームと植物性クリームを混ぜて使っていますが、ご自宅ではお好みのものを選んで作ってください」

フルーツとクリームをのせた食パンにもう1枚の食パンをかぶせたら、形が崩れないように注意しながら上下を返します。「上に絞ったクリームを下の位置に変えて切ると、カットするときに包丁についたクリームをフルーツがぬぐい取ってくれます」

肝心の美しい断面を作るためには、よく切れる包丁を使うのもポイント。包丁は温めておいてからカットすると、きれいな切り口に。

とてもシンプルですが、丁寧に作ることで極上の味に。このレシピで、フルーツサンドのおいしさに目覚めること間違いなし! 通年入手できるフルーツを使っているので、家族や友人へ振る舞ったり、自分へのご褒美として好きなだけ味わったり、さまざまなシーンでお楽しみください。

フレッシュフルーツと生クリームをたっぷり挟んだフルーツサンド。カットしたときの断面を意識した、フルーツの並べ方がポイント。ショートケーキよりもずっと手軽に作れる、うれしいデザートサンドイッチです。

2019年03月20日

レシピ作成
「ホットケーキパーラー Fru-Full」其田秀一シェフ
調理時間
30分 ※内準備時間0分

材料2人分

サンドイッチ用食パン(10枚切り)
4枚
パパイヤ(皮をむき、8等分のくし形切り)
2個(パパイヤ1/4個分)
キウイ(皮をむき、8等分のくし形切り)
2個(キウイ1/4個分)
バナナ(皮をむき、6等分のくし切り)
2本(バナナ1/6本分)
いちご(ヘタを取り、縦半分に切る)
8個(いちご4個分)
生クリーム
200ml
砂糖
20g

手順

  1. 1

    ボウルに生クリームを入れて8分立てにし、砂糖を加えて混ぜたら、ラップをして冷蔵庫で冷やしておく。

  2. 2

    食パン2枚にフルーツを並べる。パパイヤを中央に置き、その両脇にキウイとバナナを並べ、いちごは食パンの四つの角に尖った部分を外側に向けて置く。

  3. 3

    冷やした生クリームを角が立つまで泡立てて絞り袋に入れ、2のフルーツの上にまんべんなくたっぷり絞る。

  4. 4

    3の上に食パンを1枚ずつのせ、上から手で軽く押さえたら上下を返す。温めた包丁で耳を切り落とし、対角線で4等分にカットする。

撮影/大木慎太郎  取材・文/江原裕子

シェフ紹介
其田秀一(ソノダ ヒデイチ)さん
20歳でケーキ屋に入店し、スイーツの世界へ。数店のケーキ屋で修行を重ねた後、東京・神田の老舗フルーツパーラーに28年間勤務。2013年の東京・赤坂「ホットケーキパーラー Fru-Full(フルフル)」の立ち上げに参加。2015年秋、梅ヶ丘店オープンと共に店長に就任。

SHOP INFORMATION
「ホットケーキパーラー Fru-Full 梅ヶ丘店」
住所: 東京都世田谷区松原6-1-11
URL: https://www.frufull.jp/
電話番号: 03-6379-2628
営業時間: 11:00~19:00(L.O.18:30)、土日祝10:30~18:30(L.O.18:00)
定休日:水曜日、不定休あり