人気店のシェフにプロならではの素材や調味料の選び方、食材の組み合わせ、テクニックなどを教えてもらう連載企画。今回は身近な食材がプロの技でいつもとはひと味違う料理に。それも驚くほど簡単に作れるレシピをご紹介します。
ジューシーな鶏胸肉と絶品ソース!
NYの三つ星レストラン「Jean-Georges」で副料理長を務め、東京・六本木「KENZO ESTATEWINERY」、「ジャン・ジョルジュ東京」を経て、現在は青山にある「The Burn」で活躍中の米澤文雄シェフ。「The Burn」は国産牛の熟成肉やオーガニック野菜などを強火の炭火でシンプルに焼き上げて提供する、NYスタイルのレストランです。
米澤シェフが今回提案してくれたのは、鶏胸肉を使った料理。「鶏胸肉は高たんぱく質で低カロリー、代謝を促すビタミンB6も多く含まれているのでおすすめですよ」
気をつけたいのは火入れです。火を通しすぎるとパサパサになってしまうので、火が均一に入るように、1枚の胸肉を半分に切り、それを左右均一の厚さになるように切り込みを入れて開きます。
さらに半分に切った鶏胸肉にグラニュー糖、塩の順にひとつまみずつ振りかけます。最初に砂糖を振るのは、塩の後だと砂糖が浸透しないから。この作業をすることで、鶏肉がしっとり焼き上がります。
火入れは弱中火でゆっくり加熱します。トングで鶏肉を何度か裏返しながら焼きます。指の腹で肉を触ってみて、プリッとした弾力があれば火が通った証拠です。
添えるピーナッツソースも簡単に作れます。ピーナッツがなければ、既製品の無糖のピーナッツバターでも代用ができます。ピーナッツソースは、そのほかの肉、魚、野菜のグリルにも合うので、ストックしておくと便利です。
また、仕上げに使うのは中近東のナッツスパイス、デュカ。スパイスのエキゾチックな香りを加え、砕いたアーモンドで食感も楽しくなります。たくさん作ったらサラダにふりかけたり、オリーブオイルと合わせてパンのディップにも活用できるお役立ち調味料です。
付け合わせのにんじんサラダのにんじんはピーラーを使って、にんじんをクルクル回しながら、リボンのように長くカットします。「僕、ピーラーオタク(笑)でいろんな種類のピーラーを試してみましたが、貝印のピーラーは使いやすく、どんな野菜でも角度がまちがいないんですよね。普段から愛用しています」と米澤シェフ。
塩でにんじんをしんなりさせ、ドレッシングを和えたらよく混ぜます。混ぜることで、にんじんの発色がよくなります。
ピーナッツバターマスタードはスプーンにとって、皿に1本の線を書くようにすると、プロっぽい盛りつけに。中央ににんじんのサラダを置き、その上に鶏肉のソテーをのせます。
しっとりジューシーな鶏胸肉とピーナッツバターマスタード、デュカの相性が抜群! 「鶏胸肉だけじゃなく、豚肉や白身魚のグリルでもおいしくできますよ」と米澤シェフ。簡単なのにプロの味わいになるので、ホームパーティなどでも喜ばれること間違いなしです。