ピータン豆腐

人気店のシェフや料理家に、自慢のレシピを教わる連載企画。プロならではの素材や調味料の選び方、組み合わせ、活かし方には、学ぶべきポイントが満載です。

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切って混ぜるだけの、病みつきおかず

「医食同源」をベースにした中国料理の伝統に、食材の持ち味を引き出す和や洋のエッセンスを加えたモダン中華。そんな、見た目も味もより洗練された新しいスタイルの中国料理を提供する、東京・恵比寿の「マサズキッチン」の鯰江真仁シェフに学ぶヘルシー中華。最終回は、「ピータン豆腐」の作り方を教わりましょう。

中国の伝統食材のひとつ「ピータン」は、アヒルの卵をアルカリ性の強い環境で熟成させた加工食品。独特の香りとその見た目に、食べる前から苦手意識を覚える人も少なくないようですが、正しい方法で提供されるピータンはクセになるおいしさ。まだ食べたことのない方は、ぜひ試して欲しい食材です。

今回習う「ピータン豆腐」は、単に豆腐にピータンをのせるのではなく、白和えのようにして食べるのがポイント。このひと手間で、豆腐がピータンの風味をやさしく包み込み、その他の食材と一体化した一品料理にランクアップしてくれます。ピータンが初めての人でも食べやすいレシピです。

豆腐はしっかり水切りをします。水気を切った豆腐はまな板にのせ、包丁を使って刃先で切る・刃体で押すという作業を繰り返し、ざっくりとつぶします。

ピータンは臭みを消すために、殻をむいたら1~2時間置いておきましょう。時間があるときは、一晩置くとさらに臭みがなくなります。豆腐に混ぜる具材は、ピータンは小さめのざく切りに、それ以外はみじん~粗みじんに切り、食感の違いを楽しみます。

具材と豆腐を和えるときは、ピータンのみ後から加えます。つぶした豆腐にザーサイ、干し海老、ねぎ、そして調味料を入れ、均一になるように混ぜていきます。このとき、豆腐はつぶしすぎず、少し食感を残すように。

最後にピータンを加え、ざっくりと混ぜたらでき上がり。「お好みできゅうりを入れたり、山芋を入れたりしてもおいしいですよ」

ザーサイ、干し海老、長ねぎがアクセントになったピータンの白和え風。子どもはご飯のおかずに、大人はパクチーやラー油で味を添えてお酒のあてにと、家族みんなで楽しめる一品です。

2019年01月21日

レシピ作成
「マサズキッチン」鯰江真仁シェフ
調理時間
40分 ※内準備時間0分

材料4人分

豆腐(木綿)
1/2丁
ピータン
2個
ザーサイ(粗みじん切り)
大さじ2
干し海老(水で戻し、粗みじん切り)
大さじ2
長ねぎ(みじん切り)
大さじ2
ひとつまみ
ごま油 
大さじ1
ラー油
適量
パクチー
適量

手順

下準備

  1. 1

    ピータンは殻をむき、臭みを消すために1~2時間置いておく。(一晩置くと、さらに臭みが消える)

作り方

  1. 1

    豆腐はキッチンペーパーもしくは清潔なふきんで包み、重しをして30分ほど置き、新しいキッチンペーパーで水気を取る。

  2. 2

    1を包丁で端から2~3cm切り、切り落とした豆腐に寝かせた包丁の刃体を当て、上から押す。これを最後まで繰り返して、豆腐をざっくりとつぶす。

  3. 3

    ピータンは小さめのざく切りにする。

  4. 4

    ボウルに豆腐、ザーサイ、干し海老、ねぎを入れ、塩、ごま油を加えて混ぜ合わせる。豆腐はつぶしすぎないように注意。最後にピータンを加えてざっくり混ぜる。お好みでパクチーをのせ、ラー油をかける。

撮影/平松唯加子  取材・文/江原裕子

愛用道具
泡立てる・和える・混ぜるなど作業に最適な、カーブと深さに設計された。「SELECT100 ボウル 13cm」(貝印)。持ち上げやすい形状のふち巻きもポイントです。

シェフ紹介
鯰江真仁(ナマズエ マサヒト)さん
1967年、岐阜県出身。高校在学中から中国料理店で働き始め、卒業と同時に本格的に料理の世界へ。岐阜「賓宴楼」、名古屋の中国料理店を経て、1996年に東京・神泉「文琳」に入店。2005年からは料理長を務める。2008年に独立し、「MASA’S KITCHEN (マサズキッチン)47」をオープン。中国料理の伝統を守りながら洋のエッセンスを取り入れた料理の美しさと、素材の持ち味を丁寧に引き出す洗練された味わいで、独自のスタイルを確立。

SHOP INFORMATION
店名: MASA’S KITCHEN(マサズキッチン)
住所: 東京都渋谷区恵比寿1-21-13 BPRレジデンス恵比寿 B1F
URL: http://www.masas-kitchen.com/
Tel: 03-3473-0729
営業時間: ランチ11:30~15:00(L.O.14:00)、ディナー18:00~23:00(L.O.21:30)
定休日: 月曜日
エリア: 東京・恵比寿