白菜鍋(ピェンロー鍋)

さまざまなジャンルの人気レストランのシェフや料理家たちに、旬の食材を使ったレシピやお店自慢のメニューを教えていただく連載企画。今月は、年末年始の食べ疲れをやさしく癒してくれる、おうちで作れるヘルシー中華を学びます。

干ししいたけのだしで炊く、中国の白菜鍋

2019年の最初にご登場いただくのは、東京・恵比寿の中国料理店「マサズキッチン」の鯰江真仁シェフ。中国料理の伝統に、和や洋のエッセンスを巧みに取り入れたモダン中華が注目を浴びていますが、鯰江シェフは日本でいち早くヌーベルシノワを実践してきた先駆け的存在です。日本人がこよなく愛する中国料理の中から、冬のおもてなしにもなる料理を3品教えていただきました。

第1回目のお料理は、底冷えするこの季節にうれしい「白菜鍋(ピェンロー鍋)」です。ピェンローとは中国語で鍋料理のこと。旬の白菜をたっぷり使い、干ししいたけのだし、塩、ごま油だけで仕上げます。シンプルながら奥深い味わいで、飽きのこない冬の定番鍋としてお楽しみください。

今回は、青臭みが少なくシャキッとした歯ごたえが特徴のオレンジクイン(オレンジ白菜)を使用しましたが、普通の白菜でも十分おいしくいただけます。外側から1枚ずつはがし、根元に土がついていたらよく洗い流し、葉と芯に分けてざく切りに。

最初に白菜の芯、豚肉、しいたけを入れ、水としいたけの戻し汁を加えて煮込んでいきます。「このお鍋は炊き方がポイント。沸騰させずに、97~98℃で具材を20分ほど煮ると、スープが濁りません」

白菜の芯がしんなりしてきたら葉を入れ、さらに煮ます。火加減は弱火を保ち、沸騰するかしないかの温度をキープ。

最後に春雨と塩を加え、上からごま油をたっぷりかけます。干ししいたけのだしとごま油が、味の決め手。

白菜や豚肉などの分量は、お好みで調整しましょう。また、豚肉を鶏肉に変えてもおいしく作れるそうです。食卓に出すときには一味唐辛子を添えて、お好みの量を振ってお召し上がりください。

甘みと栄養分が増した旬の白菜をたっぷり使い、豚肉、しいたけ、春雨を加えた鍋料理。干ししいたけのだし汁の中で具材をゆっくり煮込むことで、素材のうま味がスープにしみ渡り、シンプルながら奥深さを感じる味わいです。

2019年01月7日

レシピ作成
「マサズキッチン」鯰江真仁シェフ
調理時間
40分 ※内準備時間0分

材料4人分

干ししいたけ
6個
白菜(あればオレンジ白菜)
1/4~1/3個(500~600g程度)
豚バラ肉(薄切り)
200~300g
春雨
50g
水+干ししいたけの戻し汁(水:戻し汁=3:1を目安に)
1~1.2L
ごま油 
大さじ6~7
塩 
2つまみ
一味唐辛子 
適量

手順

下準備

  1. 1

    干ししいたけは半日~一晩水に浸けて、戻す。戻し汁は取っておく。

作り方

  1. 1

    白菜は芯と葉を分けてざく切りにし、水を張ったボウルにしばらく浸ける。戻した干ししいたけは、軸を切って取り除く。

  2. 2

    豚バラ肉は食べやすい大きさに切り、湯を沸かした鍋で5秒ほどサッとゆで、脂を落とす。

  3. 3

    春雨は熱湯に数分浸して戻し、長さ1/3程度に切る。

  4. 4

    鍋に水としいたけの戻し汁、白菜の芯、豚肉、しいたけを入れて火にかける。沸騰直前になったら火を弱め、96~98℃で沸騰させずに煮る。

  5. 5

    白菜の芯がしんなりしてきたら葉を入れる。少し煮たら、春雨、塩、ごま油を加え、合計20分ほど煮る。

撮影/平松唯加子  取材・文/江原裕子

愛用道具
季節の移ろいを味わい、より多彩に楽しむための包丁ブランド「旬」の「旬Shun Classic ベジタブルナイフ 165mm」(貝印)。まな板で野菜を切るほかに、手持ちで作業する大根の桂むき、根菜・イモ類などの面取りにも適しています。また、刃が薄く、押し切りが手早く行えます。

シェフ紹介
鯰江真仁(ナマズエ マサヒト)さん
1967年、岐阜県出身。高校在学中から中国料理店で働き始め、卒業と同時に本格的に料理の世界へ。岐阜「賓宴楼」、名古屋の中国料理店を経て、1996年に東京・神泉「文琳」に入店。2005年からは料理長を務める。2008年に独立し、「MASA’S KITCHEN (マサズキッチン)47」をオープン。中国料理の伝統を守りながら洋のエッセンスを取り入れた料理の美しさと、素材の持ち味を丁寧に引き出す洗練された味わいで、多くのファンを魅了する。

SHOP INFORMATION
店名: MASA’S KITCHEN(マサズキッチン)
住所: 東京都渋谷区恵比寿1-21-13 BPRレジデンス恵比寿 B1F
URL: http://www.masas-kitchen.com/
Tel: 03-3473-0729
営業時間: ランチ11:30~15:00(L.O.14:00)、ディナー18:00~23:00(L.O.21:30)
定休日: 月曜日
エリア: 東京・恵比寿