人気店のシェフに2つのレシピを教えてもらう連載企画。旬の食材を使ったレシピと、プロの技のレシピをご紹介していきます。7月は、横浜にある『SALONE2007』のシェフ・弓削啓太さん。今回は、プロの技のレシピ「スパゲッティ インテグラーレ インサルサ」を教えていただきました。
プロの技のレシピとして弓削シェフが教えてくれたのは、「スパゲッティ インテグラーレ インサルサ」。なんとこちらのパスタは、世界最大級の食品会社バリラ主催の〈パスタ・ワールド・チャンピオンシップ 2019〉で世界チャンピオンに輝いた弓削シェフが、2回戦で作ったパスタになります。
「“インサルサ”とは、イタリアのヴェネト州でよく食べられている玉ねぎとアンチョビのソースのことです。全粒粉を使ったビーゴリという伝統的な手打ちパスタを合わせるのが定番なのですが、“スパゲッティ インテグラーレ”という全粒粉のロングパスタを使い、一部は揚げた後に茹でています。こうすることで、ビーゴリ特有のザラついた食感を再現することができました。高温の揚げ油で香ばしく揚げることがコツです」
ソースの主な材料は、玉ねぎとアンチョビというかなりシンプルな組み合わせです。
「玉ねぎの甘さとアンチョビの塩気が絶妙なバランスのソースは、きちんと塩味が効いていた方がおいしいですよ。あれこれ材料を加えるのではなく、甘みと塩気で勝負する引き算のパスタです。噛んだときにより旨味が際立つように、ソースの仕上げに角切りにしたアンチョビを加えました」
世界14カ国から集まった実力派のシェフやイタリア人の度肝を抜いた絶品パスタ、ぜひお試しください。
塩とオリーブオイルを入れ、玉ねぎを焦がさないように炒める。塩を加えると玉ねぎの水分が出てくるので、焦げにくくなる。
玉ねぎがあめ色になるまでじっくり炒める。弱火で約2時間炒めると、こっくりとしたあめ色に。
「撮影で使用したバリラは、アルデンテの時間が長いので、揚げたパスタと乾燥パスタを同時にゆで始めて問題ありませんが、メーカーによって状態は異なるので調整を。他のパスタメーカーのものを使う場合は、揚げたパスタをゆで始めて1分後くらいに乾燥パスタを投入するといいでしょう」
パスタは袋の表示時間よりやや短めにゆで、フライパンの中でソースを吸わせながら仕上げる。「o.e.c. マイティー・スパチュラ(赤)」で混ぜながら、パスタとソースをしっかり絡ませる。