人気店のシェフに3つのレシピを教えてもらう連載企画。旬の食材を使ったレシピ、思い出のレシピ、お店で人気のまかないレシピの3品をご紹介していきます。3月は、渋谷にある“捏ねる”がテーマの隠れ家イタリアン『Konel(コーネル)』の菊池隆樹シェフ。今回は、思い出のレシピから、「中華料理店で修行していた時代の水餃子」を教えていただきました。
お店のスペシャリテである香り豊かな「ポルチーニ入りの水餃子」の原点ともいえるのが、今回ご紹介する「中華料理店で修行していた時代の水餃子」です。
「ポルチーニ入りの水餃子に切り干し大根が入っているのは、この水餃子がヒントになっています。オーソドックスな味わいの水餃子ですが、皮にはラードを入れて風味をつけ、熱湯でねることでもっちりとした食感を出すのに一役買っています。ラードの風味が重くならないよう、餡には野菜をたっぷり使ってバランスをとっているのもこだわりです」
美味しく作るコツを教えてください。
「餡の混ぜ方が最大のポイントです。最初にひき肉と調味料だけで、クリーミーになるようしっかり練り混ぜてから、野菜を加えます。逆に野菜を加えたら、全体をざっくり混ぜる程度でかまいません。ここで練り混ぜてしまうと、野菜から水分が出て台無しになってしまいます。水餃子の皮は、中央を厚めに、周囲は薄く仕上げることを意識すると、どこを食べてもちょうどいいもっちり食感の皮になります。片方の手で皮をくるくると回しながら、めん棒で伸ばしていくと上手にできます」
休ませた生地を打ち粉した台に取り出し、転がしながら細長く伸ばし、ひとつ10gくらいに切り分ける。切り口を上にして生地を置き、手のひらで上から潰して平たくする。
右手で生地を持ち、生地の下側にめん棒を転がして、薄く伸びたら皮を少しずつ回転させながら、同様にめん棒を転がす。生地の端から中心に向かって、同じ力加減で伸ばしながら、直径10cmくらいにする。
中心部を厚く、周囲は薄くするのがコツ。「あとで重ね合わせて閉じる周囲は、薄くするように伸ばすのがいいですね」
皮に餡をのせ、半分に折りたたんで端と端を軽く合わせる。親指と人差し指でつまむようにしてひだを寄せ、ギュッと押さえて口を閉じる。これを繰り返し、6〜7カ所ひだを寄せて全体を閉じる。
最後に、ひだの厚みを指で潰して均一にしたら、弧を描くように形を整える。包んだものは、打ち粉をした皿に並べておくとくっつきにくい。野菜から水分が出てくるので、包んだらなるべく早めに茹でる。
湯を沸かし、水餃子を入れて茹でる。水面に浮き上がってきたらできあがり。
菊池さんがこの日使った道具。生地作りに大活躍、SELECT100 ボウル 25cm、生地がくっつきにくい表面エンボス加工のスクレッパー(ホワイト)、均等にのばせるリング付きめん棒。