料理教室を主宰する人気料理家の「とっておきの一皿」をご紹介する連載。Kai House Club会員でもある先生方が考案する、教室でも生徒さんから大好評だったオリジナルレシピや、自身にとっても思い入れの深い一品をお届けします。毎日の食卓からおもてなしにまで活躍する、季節感やトレンドを感じられる自慢の味をぜひ試してみてください。
サルデーニャ生まれのパスタ作りをマスター!
イタリアの郷土料理に詳しい角之倉真美さんが教えてくれたのは、「きのことあさりの手作りニョケッティ」。山の幸のきのこと、海の幸のあさりを組み合わせたソースが旨みたっぷりのパスタ料理です。南イタリアのサルデーニャ島で親しまれている手打ちパスタ、ニョケッティも手作りします。
手作りパスタというとハードルが高そうですが、ポイントはありますか?
「ニョケッティは、セモリナ粉さえあればできますし、模様をつけるのも特別な道具は要りません。子どもと一緒に作れるくらい簡単です。生地を寝かせる時間を除くと、30分もあれば成形までできますよ。模様は、チーズ削りやパンチボール、ざる、巻き簀、フォークなど、身の回りにあるもので上手にできます。たくさん作ったら、冷凍保存もできますよ。バットに間隔を開けてニョケッティを並べて冷凍庫に入れ、凍ったら保存袋に入れて冷凍するとくっつくこともありません。気を付けることは、セモリナ粉の種類によって加える水分量を調整してもらうことくらいです。もし、どうしても作るのが億劫なら、大きめのクスクスで代用しても美味しいです」
小さくてかわいいニョケッティはもちもちの食感で、きのことあさりの旨みが凝縮したソースによく絡みます。
「なんだかほっとする味ですよね。私もサルデーニャに行きましたが、イタリア本土とは違って空気ものんびり、人もやさしくて大好きな場所です。そんな空気感も一緒に感じてもらえたらなと思います」
材料4人分
ニョケッティ
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セモリナ粉
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200g
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塩
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ひとつまみ
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オリーブオイル
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少々
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水
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約100ml
ソース
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きのこ(しめじやマッシュルームなどお好みのものを数種混ぜる)
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200g
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ミニトマト
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10粒
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あさり
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250g
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白ワイン
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100ml
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にんにく
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1片
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赤唐辛子
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1本
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オリーブオイル
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適量
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塩
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適宜
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パセリ
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適量
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好みで、カラスミパウダー
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適量
手順
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1
ニョケッティを作る。ボウルにすべての材料を入れて混ぜ、こねていく。しばらくこねて、生地がまとまってなめらかになってきたらOK。そのまま乾かないようにビニール袋に入れ、室温で30分以上休ませる。
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2
生地を直径1cmほどの棒状に伸ばし、端から1cmくらいの長さに切る。ニョッキボードやフォークなどの上に生地をのせ、親指を滑らせるようにして模様をつけ、ニョケッティを作る。布の上にのせ、くっつかなくなるまで乾かす。
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3
ソースを作る。きのこは小房または薄くスライスする。ミニトマトは半分に切る。あさりは砂出ししてきれいに洗っておく。
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4
フライパンにオリーブオイル、赤唐辛子、にんにくを入れて弱火にかける。香りが出たら、赤唐辛子とにんにくを取り出しておく。
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5
4のフライパンにきのこを入れ、水分が飛んでややきつね色になるまで炒める。あさりと白ワインを加え、蓋をしてワイン蒸しにする。あさりは、殻が開いたものから取り出す。ミニトマトを加えて、煮崩れるまで加熱する。
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6
鍋に湯を沸かし、塩(分量外、1%の塩分濃度)を入れ、ニョケッティを好みの固さにゆで、ざるに上げる。表面に浮いてくれば、火が通っている目安。
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7
5に取り出したあさりを戻してひと混ぜし、6のニョケッティを加えて混ぜ合わせ、粗めのみじん切りにしたパセリ、オリーブオイルをかける。
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8
器に盛り、仕上げにお好みでカラスミパウダーをかける。
撮影/佐藤朗 スタイリング/綱渕礼子 取材・文/岡井美絹子
PROFILE
角之倉真美さん
千葉県の花園と、東京都台東区の根岸にあるイタリア料理教室「小さなお料理教室 ミンニョロミンミョラ」主宰。“レシピをもう一度見なくても作りたくなる料理”をモットーに、家庭で簡単に作れるイタリアの家庭料理を教えてくれます。イタリアに留学し、現地のマンマの味を学んだり、レストランで働いていた経験もあり。レッスンは、前菜、プリモ、セコンド、ドルチェから3品を実習形式で習います。入会金なし、レッスン代は5,000円。パスタだけを教えてくれる不定期開催の「パスタ部」は3,000円。申し込みはHPから。
http://mignolo.jp/index.html