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プロの逸品 卵のクレープパスタ
プロのレシピ
人気店のシェフに2つのレシピを教えてもらう連載企画。旬の食材を使ったレシピと、プロの技のレシピをご紹介していきます。12月は、横浜にあるイタリアン『トラットリア ビコローレ ヨコハマ』の料理人・佐藤護さん。今回は、旬の食材を使ったレシピ「卵のクレープパスタ ポルチーニとパンチェッタのクリームソース」を教えていただきました。
今の時期しか味わえない希少なきのこといえば、西洋の松茸として名高いポルチーニ。今回はそのフレッシュなポルチーニの魅力をたっぷり堪能できるパスタをご紹介します。
「ポルチーニは、独特の食感と香りが魅力です。水洗いするとうまみが逃げるので、汚れはペーパーで拭き取ります。ポルチーニはその食感も魅力なので、やや厚めにカットしましょう」
パスタに使っているのは、なんとクレープ。
「北イタリアでは、ほうれんそうやリコッタチーズをクレープで巻いてグラタン仕立てにするクレープを使った料理があるのですが、それがヒントになりました。普通のクレープ生地よりも卵を増やしてもちっとした食感にして、端から切って麺のようにしました。卵と相性がいいトリュフも加えたので、贅沢な味わいです。クリーム系のパスタは、アルデンテより柔らかめに仕上げると一体感が出るのですが、このクレープパスタならもちっとしていて柔らかいので相性もよく、ちょっと驚きのおいしさです」
クレープ生地は焼きすぎるとパサついてしまうので、あまり色がつかない程度に焼いてしっとり仕上げる。周囲が白っぽくなってきたらひっくり返す。
パンチェッタの脂を引き出すように、弱火で炒める。
パンチェッタの表面がカリカリになって香ばしくなってきたら、油ごと容器に取り出す。
別のプライパンで、ポルチーニ、エシャロットとにんにくを焦がさないように炒める。「それぞれの具材を別々にオリーブオイルで炒めることで、ソースには生クリーム以外の油脂が入らないので軽やかに仕上がります」
生クリームに、油を切ったパンチェッタとポルチーニを加えて煮立たせる。「パンチェッタの塩気があるので、塩加減は薄めでOKです」
クレープ生地なので煮すぎるとべちゃっとしてしまうので注意。ソースでさっと合えるイメージで仕上げる。

卵の風味が豊かなもちっとしたクレープパスタが新鮮。フレッシュポルチーニの食感や香りを堪能できるクリームソースも軽やかで、クレープパスタと相性抜群。散りばめたトリュフも贅沢な味わいです。
2020年12月8日レシピ作成 | 佐藤護さん |
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調理時間 | 30分 ※内準備時間0分 |
材料作りやすい分量
クレープパスタ 4〜5人分
卵
5個
トリュフ(みじん切り)
5g
生クリーム
200ml
牛乳
15〜30ml
薄力粉
125g
塩
少量
オリーブオイル
適量
無塩バター
適量
ソース 1人分
ポルチーニ
40g
パンチェッタ(なければベーコン)
15g
にんにく(みじん切り、オリーブオイル漬けにしたもの)
小さじ1/2
エシャロット(みじん切り)
小さじ1/2
塩
適量
生クリーム
190ml
オリーブオイル
適量
トリュフ
少々
パルミジャーノ・レッジャーノ・チーズ
少々
作り方
1.
クレープパスタを作る。卵をボウルに割り入れ、塩を加えて泡立て器で混ぜる。ダマにならないように、2〜3回に分けて薄力粉を加え、その都度よく混ぜ合わせる。生クリームを少しずつ加えながら混ぜ、牛乳も加えて混ぜ合わせたら濾す。トリュフを加えて混ぜ、冷蔵庫でやすませる(時間があれば一晩寝かせるとよい)。
2.
フライパン(直径24cmのものを使用)にオリーブオイルを薄く引いて、弱火で温める。バターを加えて1をレードル1杯分(50ml)入れて全体に広げ、弱火で焼く。裏側に薄く焼き色がついたら上下を返してさっと焼き、網の上に取り出す。
3.
あら熱がとれたら三つ折りにし、1cm幅に切る。
4.
ソースを作る。ポルチーニは5mm幅くらいに切る。パンチェッタは拍子木切りにする。
5.
フライパンにオリーブオイルを多めに入れ、パンチェッタを加えて弱火で加熱する。パンチェッタの脂が出てきたら、油ごと器に取り出す。
6.
別のフライパンにポルチーニ、にんにく、エシャロットを入れて弱火で炒める。塩少々を振り、焼き色をつける。
7.
別のフライパンに生クリームを入れて火にかけ、油を切った5と6を加えて煮立たせる。とろみがつくまで強めの中火で煮詰めて、塩少々を加えて味を調える。
8.
7に3を60g加えてソースを絡め、器に盛る。スライスしたトリュフ、すりおろしたパルミジャーノ・レッジャーノ・チーズを振る。
撮影/田尻陽子 取材・文/岡井美絹子
「トラットリア ビコローレ ヨコハマ」オーナーシェフ・佐藤護さん
東京都内のイタリア料理店を経て、1997年にイタリアへ。約4年半の間に、北から南までイタリア各地の14軒のレストランで研鑽を積む。2001年に帰国後、横浜の「オ プレチェネッラ」、中目黒の「リストランテ カシーナ カナミッラ」でシェフを務める。2013年に独立し、横浜にて開業。著書に『イタリア料理のあたらしい教科書』(河出書房新社)。
SHOP INFORMATION
店名:トラットリア ビコローレ ヨコハマ
住所:神奈川県横浜市西区平沼1-40-17 モンテベルデ横浜101
Tel:045-312-0553
営業時間:11:30~14:00LO、18:00~21:00LO
定休日:月(祝の場合は翌日)
HP:https://trattoriabicolore.wixsite.com/yokohama